【ニューヨーク州アーモンク-2023年9月28日（現地時間）発】

IBMは本日、ビジネス・アプリケーションやワークフローへの生成AIの導入を促進する生成AIモデル群の1つである、watsonx Graniteモデル・シリーズの最初のモデルを一般提供開始したことを発表しました。IBMはまた、IBM製品に対する標準的な契約上の知的財産権保護が、IBMが開発したwatsonx AIモデルに適用されることを確認しました。IBMのGraniteモデルは、言語およびコードのモダリティーにおいて生成AI機能を提供します。

IBMは、単一のモデルではビジネスにおけるすべてのユースケースの固有のニーズに適合しないと認識しており、Graniteモデルはさまざまなサイズで開発されています。デコーダーのみのアーキテクチャーで構築されたこれらのIBMモデルは、企業がAIを拡張できるようにすることを目的としています。例えば、企業の知識ベースを検索するためのRetrieval-augmented Generation（RAG、検索により強化した文章生成）にモデルを適用することで、お客様からの問い合わせにカスタマイズした回答を生成したり、要約機能を使用して契約書や通話記録のような長文のコンテンツを短い説明に要約したり、洞察抽出と分類の機能により、お客様の感情などの要因を判断したりすることができます。

これらのモデルとwatsonxを利用することで、IBMは、企業がAI価値創造者企業となることを可能にします。企業は、独自のデータをIBMのモデルに取り込み、自社のビジネスやユースケースに特化したモデルを構築することができます。

IBMは長年にわたり、基盤モデルの開発に多大な投資を行ってきました。これらのモデルは、ビジネスにおけるユースケースの特定の要件に合わせてカスタマイズ設計されていますが、それらのユースケースは必然的に、消費者向けよりも対象が絞られており、AIモデルに最高レベルの精度と正確性が要求されます。IBMの社内ベンチマークでは、特化型モデルは、より高い精度を、より低いインフラストラクチャー要件で実現することが可能であり、価格性能の向上を達成できます。

IBMは、IBM独自のモデルに加え、Meta社のLlama 2-chat（700億パラメーター・モデル）やHugging Faceコミュニティーからのモデルなど、サードパーティーのモデルも使用できる柔軟性を提供しています。

IBM、Graniteモデルの学習方法に関する情報を公開

IBMが開発したこれらの基盤モデルは、インターネット、学術、コード、法務、財務の5つの領域から得たビジネスに関連するデータ・セットで学習を行い、かつIBMがビジネス用途向けにキュレーションしています。学習データは、ガバナンス、リスク評価、プライバシーへの懸念、バイアスの軽減といった主要な問題に対処し、責任あるデプロイメントを実現できるよう、好ましくないコンテンツがないかをフィルタリングし、社内外のモデルと比較するベンチマーク評価を行っています。このプロセスの一環として、IBMは、エンドツーエンドのAIおよびデータ・モデル・ライフサイクルのガバナンス・プロセスと機能を使用し、AIおよびデータのプラットフォームであるwatsonxを利用するお客様が、リスクを管理、軽減できるよう支援します。この取り組みの一環として、信頼できるAIワークフローを可能にするAIガバナンス・ツールキットであるwatsonx.governanceのリリースを予定しています。watsonx.governanceは今年後半に一般提供開始する予定です。

AIモデルに対するIBMによる契約上の保護

IBMは、責任あるビジネス・イノベーションを推進するAIモデルの創造、デプロイメント、活用に注力しています。そこで、IBMは、ハードウェアやソフトウェア製品向けに提供しているものと同様の標準的な知的財産権保護を、IBMが開発したwatsonxモデルにも適用することを発表しました。

IBMの基盤モデルに知的財産に関する補償（契約上の保護）を提供することで、お客様が確固たるAI価値創造企業へと転換できるよう、生成AIにおける競争優位性の源泉である自社データを活用できるようにします。お客様は、IBMの基盤モデルが提供する保護、精度、信頼とともに、自社のデータを活用してAIアプリケーションを開発することができます。

IBM Software 製品担当シニア・バイス・プレジデントのディネシュ・ニーマル（Dinesh Nirmal）は、次のように述べています。「今日のAIイノベーション・ブームにおいて、成功に近い位置にいる企業は、責任あるAIの利用を可能にするガードレールとプラクティスが組み込まれていて、スケーラビリティーが実証されているAIテクノロジーを利用している企業です。本日のIBMのGraniteモデル・シリーズの提供開始、およびIBMが開発したwatsonxモデルへの補償に対する約束は、IBMのAIおよびデータのプラットフォームであるwatsonxにおけるエンドツーエンドのモデル・ライフサイクル管理プロセスを証明するものです」

IBMは、1世紀以上にわたり、AIを含む強力な新しいテクノロジーを、責任ある形で、明確な目的を持って導入することで、ビジネスや社会からの信頼を得るよう努めてきました。今日に至るまで、IBMは透明性、説明可能性、プライバシー、堅牢性、公平性の原則に基づき、このテクノロジーの創造と利用を支援するために、さまざまなオープンソースツールやAIガバナンス・ソフトウェアを構築、提供してきています。

watsonxで提供開始したIBM Graniteモデル・シリーズの詳細については、こちらをご参照ください。

IBMの将来の方向性および指針に関する記述は、予告なく変更または撤回される場合があります。これらは目標および目的を提示するものにすぎません。

当報道資料は、2023年9月28日（現地時間）にIBM Corporationが発表したプレスリリースの抄訳です。原文はこちらを参照ください。

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