ニュースリリース

IBM Consulting、AIエキスパートを擁するCenter of Excellence for generative AIを設立

2023年06月 2日

著者:IBM Consulting シニア・バイス・プレジデント ジョン・グレンジャー(John Granger)

 

IBM Consultingは、Center of Excellence (CoE) for Generative AIを設立しました。このCoEは、IBM Consultingの既存のグローバルAI & オートメーション事業に所属、これまで4万件以上のお客様企業のプロジェクトを支援してきた21,000人のデータ・サイエンティストおよびAIコンサルタントが含まれます。さらに、1,000人以上の生成AIの専門知識を持つコンサルタントがおり、ITオペレーションや人事、マーケティングなどの主要なビジネス・プロセスの生産性を高め、顧客体験を向上させ、新しいビジネス・モデルを生み出すために、世界中のお客様企業と協業しています。本CoEは、新たに発表されたIBM watsonxを含む企業向けAIや、ビジネス・パートナーのエコシステムによるテクノロジーを活用し、お客様のビジネス変革の加速を支援していきます。

 

CoEは好調に始動しており、2023年だけでも、IBM Consultingは100社以上のお客様と議論を重ね、従来型機械学習のAI戦略立案と生成AIの導入を支援しました。例えば、マスターズでAIが生成したスポーツの音声解説を数百万人のファンに配信したり、生成AIとIBM Watson®を組み合わせて三井化学の製品の新しい用途の発見を検証したり、ブイグ・テレコムの顧客エンゲージメント・プロセスで生成AIを適用したりしました。IBM Consultingでは、基盤モデルを適用した初期のプロジェクトのいくつかにおいて、価値創出に要する時間を従来のAIアプローチと比較して最大70%加速させることができました。

 

また、生成AIは、実証実験にとどまらず、企業が顧客サービスの向上や新たな市場機会の獲得などを目的として導入するなど、急速に進展しています。IDC[1]は、AIサービス市場が2023年の約360億米ドルから2026年には約650億米ドルに成長すると予測しています。同時に、データセットのバイアスの軽減、データのセキュリティー管理や、精度とリスクの計算方法について、相応の懸念があります。IBMは、長年にわたりAIを推進してきた経験から、エンタープライズAIを大規模に実現するには、コンポーザブルでマルチモデルな戦略と、人間中心の原則的なアプローチが必要であると考えます。

 

最近のIBM Institute for Business Valueの調査[2]によると、企業の経営幹部は、生成AIを使用している業務として財務(34%)、人事(41%)、サプライチェーン(45%)、マーケティング・営業(40%)、カスタマーサービス(57%)、ITサービス・テクノロジー(63%)と回答しています。生成AIは、社員がより価値の高い活動に集中できるよう日常業務を自動化し、より創造的なコンテンツやコードの作成、コンテンツの要約や検索などの革新的な機能で社員をサポートすることができます。そして、前述の調査に回答した企業の経営幹部は、今後1年間で、組織内社員の約半数(48%)が日常業務に生成AIを使用すると予想しています。

 

実証済みの手法とAIイノベーションの文化

CoEは、お客様企業の生産性向上やイノベーションの促進を支援することを目的とした基盤モデルや50以上のドメイン固有の従来の機械学習アクセラレーターを含む、フルスタックの生成AIのテクノロジーを使用する予定です。また、IBM ConsultingではIBM独自のAI「アドバイザー」ツールキットを使用し、社内業務とお客様プロジェクトのデリバリーを改善します。さらに、CoEは、IBM Researchが手がける最先端の生成AIイノベーションを活用し、お客様やビジネス・パートナー様とともに新しいソリューションやアセットを開発します。

 

また、IBM Garage for Generative AIを活用し、IBMのコンサルタントが実証済みの協業手法を適用し、生成AIの基盤モデルという新しい領域で、お客様がイノベーションを迅速に推進できるよう支援します。これには、短期間でのユースケースのアイデア出しと優先順位付け、アーキテクチャーとトレーニングを選択するためのオープンなマルチモデル・アプローチ、独自のビジネス・ニーズに対するモデルの微調整とスケーリングが含まれます。

 

IBM Consultingとwatsonx

AIとデータのための次世代プラットフォームであるIBM watsonx[3]は、企業が信頼できるデータを用いて最先端のAIの効果を拡大・加速できるよう設計されています。Red Hat® OpenShift®プラットフォーム上に構築されたハイブリッドクラウド・サービス事業を発展させたのと同様に、IBM Consultingはwatsonxで先導的なコンサルティング・サービス・プロバイダーになることを目指しています。IBM Consultingは、基盤モデル、AIOps、DataOps、AIガバナンスのメカニズムなど、生成AIテクノロジー全般に関する深い専門知識を活用してお客様にサービスを提供するため、watsonxに特化したプラクティスを構築するとともに、パートナー企業とのコンサルティング・ビジネスの拡大も計画しています。

 

AIへのオープン・エコシステム・アプローチ

IBM Consultingは、業界リーダーによる、複数のクラウド上の複数モデルを取り入れた生成AI ソリューションの計画、構築、実装、運用を、オープンな協業を通じて推進します。オープンなエコシステム・アプローチは、お客様が最高の成果を挙げるために必要な、適切なモデルと適切なアーキテクチャーの定義を支援します。IBM Consultingは、IBMテクノロジーに関する独自のスキルを有しているだけでなく、アドビ、アマゾン ウェブ サービス(AWS)、Microsoft、Salesforce、SAP、オープンソース・テクノロジーなど、多様なAIパートナー企業のエコシステムと密接に連携し、お客様のニーズに最も適したテクノロジー・ソリューションの活用をサポートします。

 

IBM Institute for Business Valueの調査[2]によると、79%の経営者が、AIモデルが責任あるものかつ安全であり、差別や偏見がないことを保証することが組織の課題であると回答しています。新しいCoEは、IBM Consultingが数十年にわたって世界最大規模の組織のミッション・クリティカルなプロセスの変革を支援してきた、業界とドメインの経験に基づいています。IBMのコンサルタントは、倫理的に責任のあるアプローチをAIに適用し、AIと連携してビジネス価値を提供するスキルを身に付けています。IBMは、IDC発行の調査レポート「IDC MarketScapeのWorldwide Artificial Intelligence Services 2023 Vendor Assessment」において、2度目のリーダーに選ばれており、その実力が業界で認められています。

 

IBMの将来の方向性や意図に関する記述は、予告なく変更または撤回されることがあり、目標や目的を表すものに過ぎません。

 

当報道資料は、2023年5月25日(現地時間)にIBM Corporationが発表したブログの抄訳です。原文はこちらをご参照ください。

 

 

[1] IDC『人工知能サービスの世界市場:将来予測、2022-2026年』, 2022年8月

[2] IBM Institute for Business Value, Future Trends Executive Pulse Survey(米国における約600人の経営幹部を対象とした調査), 2023年4月

[3] IBM watsonxプラットフォームは、今年後半に一般提供を予定している3つの製品群で構成されています。

 

IBM、IBM ロゴ、IBM Watsonは、 米国やその他の国におけるInternational Business Machines Corporationの商標または登録商標です。他の製品名およびサービス名等は、それぞれIBMまたは各社の商標である場合があります。現時点での IBM の商標リストについては、ibm.com/trademarkをご覧ください。

Red Hat、Red Hat logoおよびOpenShiftは、米国およびその他の国におけるRed Hat, Inc.およびその子会社の商標または登録商標です。

Release Categories