ニュースリリース

IBM、生成AIを活用してウィンブルドンのパーソナライズされたファンエンゲージメントを促進

著者:タイラー・シデル テクニカル・プログラム・ディレクター、スポーツ・エンターテインメント・パートナーシップ
2024年06月24日

7月の2週間、オールイングランド・ローンテニス・クラブ(AELTC)は、スポーツ界で最も権威のある大会であるウィンブルドンを開催します。IBMは30年以上にわたり、同クラブと提携し、大会の報道を支援し、データに基づく豊富な洞察でファンを魅了してきました。今年は、エンタープライズ向けの生成AIプラットフォームであるIBM® watsonx™を活用し、大会の最も魅力的なストーリーのいくつかが語られることになります。

 

watsonxがウィンブルドン・ファンを最新情報でサポート

ウィンブルドンのアプリとウェブサイトで利用できる新機能「Catch Me Up」は、シングルスの全選手について、AIが生成した要約を提供します。これにより、前回の試合で何が起こったのか、次の試合でどのような課題に直面し得るのか、説明されます。ファンは、お気に入りの選手を追加することで、「Catch Me Up」リストをパーソナライズすることができます。試合が生中継されている場合や、ハイライト動画がある場合は、「Catch Me Up」が関連リンクを提供します。

 

 


「Catch Me Up」は、お気に入りの選手の試合結果を表示するだけでなく、最新情報、位置情報、ランキングを考慮して、追加の関連コンテンツを提供します。また、主要なストーリーライン、ハイライト、今後の試合のプレビューが表示される、サマリーカードも作られます。

 

舞台裏のメリット

「Catch Me Up」は、ウィンブルドン編集チームの時間を節約し、より魅力的な記事を書けるようサポートし、より価値の高い仕事に取り組む時間を確保します。舞台裏では、選手のランキングや最近のパフォーマンス、ゲーム数やセット数などの膨大な量のデータを収集することから一連のプロセスが始まります。この構造化および非構造化データは、IBM® watsonx.data™によって管理されます。watsonx.data™は、クラブのハイブリッドクラウド・サーバー上のアプリケーションによる柔軟でスケーラブルなアクセスを可能にする、オープン・レイクハウス・アーキテクチャーに基づいて構築されたデータ・ストアです。IBM® watsonx.ai™で学習およびチューニングされたモデルを使用して、生成AIアプリケーションが関連するデータを抽出および要約し、ウィンブルドンの編集スタイルに合わせた自然言語でストーリーを生成します。ワークフロー全体は、IBM® watsonx.governance™によって管理および監視され、信頼性の高い統合パフォーマンスを提供します。

継続的なコラボレーションにより、ファンに愛される機能を強化

ウィンブルドンは、IBM Consulting®との協業を通じて、スポーツ・イベント・テクノロジーの最前線に立ち続けています。毎年、IBMとAELTCのチームが協力し、(IBM Garage®の方法論を使って)共同制作を行い、世界中の何百万人ものファンに大会の美しさと興奮を届けています。

 

その特筆すべき例がIBMのSlamTracker®です。「SlamTrackerは、約20年間、スコアや統計情報を提供してきました。過去1年半、ウィンブルドンと協力して、新しいSlamTracker体験を作り上げてきました。選手カードに表示される記事の一部は、SlamTracker内に表示されるようになり、watsonxが生成した試合のプレビューとリキャップ用の3つの箇条書きも表示されるようになりました」とシデルは述べています。

 

 

 

 

今年は、過去の対戦情報やサーバーとレシーバーの画像化など、新たな形の直接対決に関するデータを追加し、SlamTrackerを強化する予定です。

全社的な技術ロードマップ

技術ロードマップの次なる展開は何があるでしょうか。「今年は、マルチモーダルAIモデル、つまり動画と画像の両方を理解するコンピューター・ビジョン・モデルを使って概念実証を行い、それを文字に変換できるようにする予定です。私たちの目標は、各ポイントの間、チェンジコートの間、プレーとプレーの間に起こることを捉え、選手に関する背景情報を豊かにすることです」と、シデルは続けます。来年は、怪我によるタイムアウト、天候による遅延、その他のプレーの中段、例えば、審判やボールガール、ボールボーイとのやりとり、ロイヤルボックスでの活動などを描写するのに役立つでしょう。

 

IBM Consultingとウィンブルドンのチームとの協業は、ファン向けのデジタル・プラットフォームにとどまらず、組織全体の変革にまで及んでいます。「ウィンブルドンの持続可能性を牽引する人々は、IBM® Enviziプラットフォームのデモを見て、それが二酸化炭素排出量とエネルギー消費量データのモニタリングとレポーティングを改善する方法を理解しました。これにより、今年の大会をモニタリングするために、AELTCにEnviziのインスタンスを導入することになりました」と、シデルはさらに述べています。天然芝で開催される唯一のグランドスラム大会として、ウィンブルドンが環境問題に先進的な取り組みを続けることは当然のことです。

 

 

当ブログ(原文)は、以下の当社ホームページに掲載しています:
https://www.ibm.com/blog/how-ibm-helps-wimbledon-use-generative-ai-to-drive-personalised-fan-engagement/

 


 

 

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