ニュースリリース
IBM watsonxがマスターズ・トーナメントのデジタル・プラットフォームに新しい生成AI機能を提供
【米国ニューヨーク州アーモンク-2024年4月2日(現地時間)】
IBMとマスターズ・トーナメントは、本日、今年のマスターズ公式アプリおよびMasters.comのデジタル・エクスペリエンスに追加される、ファン向けの新機能を発表しました。IBMのAIおよびデータのプラットフォームであるwatsonxで構築された生成AI機能を活用し、ファンは、コース上の各ホールにおいて詳細なデータにもとづく予測と分析を提供する「Hole Insights」にアクセスできるようになります。さらに、IBMは、2023年に導入したAIナレーション機能(英語)を拡張し、AIを活用したスペイン語のナレーションを提供します。
これらの新機能は、IBM Consultingの専門家とマスターズのデジタル・チームが協力して開発したもので、4月11日から14日にかけて開催されるマスターズ・トーナメントを観戦する世界中の何百万人もの新規および既存のゴルフ・ファンに向けて、よりパーソナライズされた魅力的なデジタル視聴体験を提供することを目的としています。
IBM Hole Insightsは、2024 Masters.comのウェブサイトおよびモバイル・アプリの「Track Shots」に追加され、自然言語処理と構造化データを組み合わせることで、以下のような、現在および過去のプレーの詳細な分析や任意のホールにおけるプレー予測を生成します。
- 日ごと、および2024年の大会期間を通じた、各ホールのプレー状況に関するデータにもとづく要約(例:「今日の14番ホールは難しく、ショットの25%がボギーとなった」)
- 過去と現在のパフォーマンス・データに基づく、各ホールのプレー状況の予測(例:「9番ホールは、今日3番目に難しいホールになると予想」)。
- 17万回以上のショットを含む8年間のトーナメント・データとコース上のボールの位置に基づく、各ホールのプレー内容に関する歴史的な洞察(例:「歴史的に、この場所から打ったショットは82%の確率でバーディーになる」)
Hole Insightsは、ファンがマスターズのウェブサイト上でトーナメントのライブ・ショットに基づいた洞察を直接受け取ることができる初めての試みです。
IBMはまた、AIによるスポーツ・ナレーションの次の章として、スペイン語のナレーションを提供開始します。IBMとマスターズは昨年、AIナレーションを初めて導入し、オンデマンドで視聴可能な全ホールの全ショットのハイライト動画(大会期間中で延べ2万件超)に、自動音声と字幕による解説を提供しました。ファンは今後、同じナレーションをスペイン語の音声・字幕で視聴できるようになります。2024 Masters.comのウェブサイトおよびモバイル・アプリでハイライト動画を視聴するファンは、好みに応じて英語とスペイン語のナレーションを交互に、かつ同時に使用できます。例えば、トーナメントの中継を見ながら、音声ナレーションを英語で聞き、スペイン語の字幕をオーバーレイ表示したり、その逆も可能です。
この新機能を支えているのは、watsonx上に構築された生成AIと大規模言語モデルの組み合わせです。英語からスペイン語への単純な翻訳を超え、IBMのエンジニアと当該分野の専門家のチームは、few shot learningと呼ばれるプロセスを通じて、スペイン語をネイティブに 「理解」 して、「コミュニケーション」 できるようにAIモデルを学習させました。これにより、スペイン語圏のファンに信頼のおける音声・字幕によるナレーション体験を提供できるようになりました。