ニュースリリース
めぶきフィナンシャルグループの炭素会計プラットフォーム(Persefoni)導入を三井住友銀行と日本IBMが支援
2024年2月7日
日本アイ・ビー・エム株式会社(代表取締役社長 山口 明夫、以下「日本IBM」)は、株式会社三井住友銀行(頭取CEO 福留 朗裕、以下「三井住友銀行」)と協業して、株式会社めぶきフィナンシャルグループ(取締役社長 秋野 哲也、以下「めぶきFG」)への、米Persefoni AI, Inc.(CEO ケンタロウ・カワモリ、以下「パーセフォニ」)の温室効果ガス(Greenhouse Gas、以下「GHG」)排出量算定プラットフォーム(以下「本プラットフォーム」)導入を支援することを発表しました。
本プラットフォーム導入により、めぶきFGのファイナンスド・エミッション※1の算定高度化が図れることで、脱炭素にむけた取り組みの促進を目指します。
※1 投融資にかかるGHG排出量。投資や融資を実施した組織の側が、投融資先のGHG排出に寄与したとして、投融資額の割合に応じて、その一部を間接的に排出したとみなされるもの。
1. 本取り組みの背景
気候変動問題への社会的関心が高まる中、企業には自社だけでなく、サプライチェーンの上流・下流を含めたGHG排出量の把握と脱炭素化に向けた取り組みが求められています。特に、東京証券取引所のプライム市場上場企業においては、気候変動を含むサステナビリティー情報の開示が義務化されており、株式市場や投資家、規制当局等からの要請に対応していく必要があります。一方、金融機関においては、投融資先の脱炭素の推進を支援するため、ファイナンスド・エミッションを算定・分析するとともに、エンゲージメントと呼ばれる働きかけを取引先企業に対して積極的に行っていくことが期待されています。
このような状況を踏まえ、めぶきFGは、パーセフォニが提供する、国際的な排出算定基準であるGHGプロトコルやPCAF※2に厳密に準拠する本プラットフォームを活用することで、ファイナンスド・エミッションの算定高度化への取り組みを加速させようとしています。これにより、複雑な算定作業の効率化をはかるとともに、透明性の高い算定結果の開示、分析、管理に取り組むことが可能となります。
※2金融向け炭素会計パートナーシップ(Partnership for Carbon Accounting Financials)。ファイナンスド・エミッションを整合的に算定するための枠組。TCFD(気候変動関連の国際的な開示の枠組みを提示する気候関連財務情報開示タスクフォースであるTask Force on Climate-related Financial Disclosuresの略称)はファイナンスド・エミッションの算定手法としてPCAFを推奨している。
2. 本取り組みの概要・強み
本プラットフォームは、ファイナンスド・エミッションの算定に必要な情報である排出係数や算定式、投融資先企業が開示しているGHG排出量データ等が内包されており、めぶきFGは投融資関連活動データの入力によりPCAFに準拠した透明性の高い算定が可能となります。
<取り組みイメージ図>
日本IBMは、日本の金融業界を長く支援してきた実績に加え、グローバルかつ多様な企業のESG課題にテクノロジー面で取り組んできた豊富な知見やスキルを有し、IBMグループによる先進する欧米企業のTCFD対応支援の実績と知見をもとにお客さまを支援しています。さらに、2022年8月に、三井住友銀行、パーセフォニと、脱炭素社会に向けた温室効果ガス排出量可視化サービス提供に関する基本合意書を締結し、GHG排出量可視化・分析管理を支援するサービスを共同で提供しています。
また、めぶきFGはChance地銀共同化システム※3を利用しており、日本IBMは、地銀共同化の基幹システム開発・保守・運用の全体アーキテクチャーを踏まえ、今後パーセフォニのソリューションと既存システムとのデータ連携を視野に入れて、金融業界のお客さまの発展に寄与していきます。
※3『Chance地銀共同化システム』は、三菱UFJ銀行の勘定系、情報系などの基幹システムを基に、参加金融機関の共通ニーズと個別ニーズを反映させて、構築したシステムです。参加金融機関は、三菱UFJ銀行が開発した高度な業務ノウハウを蓄積した業務ソフトウェアなどの継続的提供を受け、日本IBMが持つ先進テクノロジーを活用した共同化システムとして利用することで、将来のIT対応力を強化することができます
3. 今後の展開
パーセフォニの本プラットフォームは、本日現在、投融資に関わる排出量の算定を可能とするPCAFに準拠したロジックを搭載した国内唯一のプラットフォームであり、投融資活動に伴う排出量算定に関しては、金融業界内でも多くの知見を保持しています。このような先進的技術ノウハウを持つパーセフォニ、金融機関として幅広い企業に向けた解決策を保有する三井住友銀行、コンサルティングやシステム構築において多数の実績を有する日本IBMの3社が協業して本プラットフォームを提供することで一気通貫してお客さまの脱炭素に向けた取り組みを包括的に支援することができます。
三井住友銀行と日本IBMは、今後金融機関に向けた本プラットフォームを利用した投融資先の排出量算定への支援、多排出企業の把握や金融機関の取引先に対する排出量算定の補助、さらに取引先への支援内容に関する目標と実績を把握して、所属業種に応じた削減施策の提案を視野に入れています。
さらに、3社は、めぶきFG向けのパーセフォニのGHG排出量算定プラットフォーム導入を起点として、地域金融機関をはじめとした多くの金融機関への展開を予定しています。これにより、地域の脱炭素化社会の取り組みを含む金融業界のサステナビリティー推進を加速し、持続可能な地域社会の実現を目指します。
【ご参考】各社の概要
パーセフォニについて
パーセフォニは、気候変動管理・会計プラットフォームのリーディングカンパニーです。企業や金融機関は、国際的な炭素会計基準であるGHGプロトコルやPCAFに準拠した当社のSaaS型ソリューションを利用することにより、国内外のステークホルダーや規制当局が求める気候変動に関する情報開示業務を、高い信頼性、透明性、利便性をもって行うことができます。パーセフォニのプラットフォームは、「炭素分野のERP(経営資源を統合的に管理し、経営の効率化を図る手法)」であり、スコープ1から3までの(自社や国内外のサプライチェーン全体での)炭素管理の一元化を実現し、企業は従来の経理業務と同様の厳密さと信頼性をもって、炭素会計・管理業務を進めることができます。
パーセフォニHP:https://www.persefoni.com/ja
三井住友銀行について
三井住友銀行を含むSMBCグループは、2030年までにSMBCグループ自身が排出するGHGをネットゼロとすることに加え、2050年までに投融資ポートフォリオ全体のGHG排出量をネットゼロとすることにコミットしています。また、お客さまの脱炭素社会への移行と実現に向けた課題に対しても、国内有数の営業基盤、戦略実現のスピード、質の高い金融サービス提供力を結集し、真摯に取り組んでまいります。
日本アイ・ビー・エムについて
日本IBMは、世界175カ国以上でビジネスを展開するIBMコーポレーションの日本法人で、基礎研究をはじめ、ビジネス・コンサルティングから、ITシステムの構築、保守まで一貫したサービスの提供を通じて、お客さまの企業変革やデジタル・トランスフォーメーションを支援しています。詳細については、https://www.ibm.com/jp-ja/ をご参照ください。
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