ニュースリリース
セビージャFC、IBM watsonxの生成AIを活用して選手獲得プロセスを変革
【スペイン・マドリード 2024年1月23日(現地時間)発】
IBMとセビージャFCは、本日、包括的かつデータ主導型での獲得候補選手の発掘および評価をセビージャFCがスカウト・チームに対して提供するために使用する、革新的な生成AIツール「Scout Advisor」を発表しました。Scout Advisorは、ビジネス向けに設計されたIBMのAIとデータのプラットフォームであるwatsonx上に構築され、セビージャFCが独自に開発したデータ集約型アプリケーションの既存スイートと統合されます。
セビージャFCのデータ部門は、IBMのクライアント・エンジニアリング・チームと協力してScout Advisorを構築し、watsonxの自然言語処理と基盤モデルを活用して、クラブの既存データベースに存在する膨大な量の情報を検索・分析し、獲得候補選手を評価しました。これには、身長や体重、スピード、ゴール数や出場時間などの定量的なデータと、20万件を超えるスカウティング・レポートに含まれるテキスト分析などの定性的な非構造化データの両方が含まれます。
このソリューションの自然言語処理機能により、セビージャFCは複数の大規模言語モデル(LLM)を使用して、選手発掘の精度と効果を高めることができました。セビージャFCのスカウトがチェックした選手の主な特徴を説明する言語プロンプトを使用することで、Scout Advisorは指定された要件に基づいて収集・整理された候補者のリストを生成し、個々の選手に関する全てのスカウティング・レポートを要約します。さらに、Scout Advisorは各選手をセビージャFC独自のデータ・アプリケーションにリンクさせることで、定量的なパフォーマンス数値に関する深い洞察を得ることができます。
エリート・スポーツチーム、特にサッカー界における選手のスカウティングや獲得の決定には、数百万ドルの投資や長期契約、パフォーマンスとROIに関する高いレベルの不確実性が伴います。従来、選手の獲得は、主観的な人間観察と手作業によるデータ分析の組み合わせに依存してきました。しかし、このアプローチには、時間を要する、限られた要素しか考慮しないといったいくつかの課題があります。
セビージャFCのスカウティング・チームは、定量的な選手評価の膨大なデータベースを有することで広く知られており、サッカー界の新星の発掘に成功してきた実績には世界的な注目が集まっています。さらに、セビージャFCは、幅広い定量的数値に基づいて選手の特性を評価することを目的とした、独自のデータ集約型アプリケーションの開発におけるパイオニアでもあります。今回、Scout Advisorは、セビージャFCの既存能力と生成AIの利用を組み合わせることで、指標に基づくスカウティングとピッチ上では簡単に測定できない人間中心の観察とのギャップを埋め、セビージャFCに更なる競争優位性を提供します。この自動化されたアプローチにより、選手発掘プロセスをさらに強化し、より効率的で十分な情報に基づいてスカウトが決断できるように支援します。
IBM watsonxの機能により、自然言語を使用して選手を検索したり、主要な定量的指標とスカウトの専門家が持つ詳細な意見に基づいて獲得候補選手を検索することが可能になるなど、Scout AdvisorはセビージャFCが有する広範な選手レポートのデータベースの潜在能力を最大限に引き出します。これにより、セビージャFCは、テクノロジーに裏打ちされた洞察力を活用した、より的確な情報に基づく選手獲得の意思決定を行うことができるという点で、潜在的な競争優位性を得ることができます。
セビージャFCの社長であるホセ・マリア・デル・ニド・カラスコ(José María del Nido Carrasco)氏は、次のように述べています。「このプロジェクトは、セビージャFC、そしてスポーツ業界全体にとって画期的なものであり、IBMとの協業をうれしく思います。私たちのスカウトとアナリストのチームは、チームの成功を支える最高の選手を見つけることに全力を注いでおり、選手レポートの素晴らしいデータベースを構築するためにたゆまぬ努力をしてきました。IBMのサポートにより、私たちはこの資産を最大限に活用することができるようになりました。これにより、私たちは選手獲得プロセスにおいて大きな優位性を得ることができ、チームに最適な選手を発掘し、ピッチ上でのパフォーマンスを向上させ続けることができるのです。この協業は、セビージャFCだけでなく、スポーツ業界全体にも良い影響を与えるものだと信じています。このツールを活用することで、テクノロジーは単なる目標ではなく、組織の未来に向けた旅路の親密な仲間であり、セビージャFCのDNAの一部であることを証明していきます」
IBM EMEAの会長 兼 ジェネラル・マネージャーであるアナ・パウラ・アシス(Ana Paula Assis)は、次のように述べています。「IBM watsonxの生成AIの力を活用し、セビージャFCの選手獲得プロセスの精度と効果の強化に協力できることを誇りに思います。適切なガードレールとガバナンスを構築することで、AIは業務のモダナイゼーションを目指す多くの業界の企業にとって、ゲーム・チェンジャーであり続けます。今回の例は、信頼できる、説明可能な洞察を生み出すことで、サッカーのスカウトの仕事を変革しながら、競争力のあるサッカー・クラブの目標を前進させるものです」
IBMとセビージャFCの協業は、同クラブの広範なビジネス・テクノロジー戦略の一環であり、データとAIの力を活用してサッカー運営を強化することを目的としています。watsonxをベースとしたソリューションを既存のデータ・アーキテクチャーに統合することで、セビージャFCは、より迅速で効率的、かつより良い情報に基づいた選手獲得の意思決定を通して、既存リソースのROIを高めることを目指しています。
セビージャFCについて
セビージャFCは、スペインとヨーロッパで最も重要なクラブのひとつです。今年1月に創立134周年を迎えた同クラブは、歴史と現代性を見事に融合させてきました。特筆すべきは、21世紀に入り、クラブがスポーツ界で爆発的な成長を遂げたことです。地域および国内で成功を収めた最初の数年間を経て、過去18年間に、7つのUEFAヨーロッパリーグと1つのUEFAスーパーカップを含む、合計8つのヨーロッパ・タイトルを獲得し、大きな国際的成功を収めました。さらに、UEFAチャンピオンズリーグの常連クラブとなっています。セビージャFCは、そのスポーツ的な成果だけでなく、選手スカウティングや組織内のさまざまな分野でテクノロジーを活用する先駆者でもあります。
当報道資料は、2024年1月23日(現地時間)にIBM Corporationが発表したプレスリリースの一部をもとにしています。原文はこちらを参照ください。
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