ニュースリリース
IBM、AWSとの関係を拡大し、生成AIソリューションと専門知識を企業に提供
- IBM Consultingは、企業にAWSの専門知識を提供し、1万人のコンサルタントを育成する予定
- IBM watsonxとAWSのさらなる統合を予定
【米国ニューヨーク州アーモンク-2023年10月18日(現地時間)発】
IBMは本日、多くの顧客企業が生成AIを運用し、その価値を引き出すことができるよう、アマゾン ウェブ サービス(AWS)との関係を拡大することを発表しました。この一環として、IBM Consultingは、2024年末までに1万人のコンサルタントを育成することで、AWSにおける生成AIの専門知識を深め、拡大することを目指します。また、IBMとAWSは、重要なユースケース全体で企業を支援するように設計された生成AI機能でアップグレードされた共同ソリューションとサービスを提供する予定です。
IBMConsultingとAWSは、これまで、さまざまな業種の企業に、幅広いAIソリューションとサービスを提供してきました。このたび両社は、企業がAWS上に構築されたビジネスやIT運営にAIを迅速に統合できるように設計された生成AIの力で、これらのソリューションやサービスを強化していきます。
具体的には、IBM ConsultingとAWSが、まず以下のソリューションの提供開始を予定しています。
- Amazon Connectによるコンタクトセンターのモダナイゼーション – IBM ConsultingはAWSと協力し、生成AIを使用して音声およびデジタル対話の要約および分類機能を構築。チャットボットとオペレーター間の転送を可能にし、オペレーターの解決時間を短縮し、品質管理を改善するために、詳細情報の要約を提供するように設計
- AWS上のプラットフォーム・サービス – 2022年11月に導入された当サービスを、IT運用、自動化、プラットフォーム・エンジニアリングを含むクラウド・バリュー・チェーン全体を円滑に管理するために、このたび生成AIによりアップグレード。企業は、新たな生成AI機能により、インテリジェントな問題解決と可観測性技術を通じて、AWS上でホストされているアプリケーションのビジネス・サービス性と可用性を強化するツールを利用可能。稼働時間(発生可能な問題に対して迅速かつ効果的に行動)と平均修復時間の改善へ
- Supply Chain Ensemble on AWS – 顧客の期待に応え、在庫を最適化し、コストを削減し、ロジスティクスを合理化し、サプライチェーンのリスクを評価することを目指すサプライチェーンの専門家の作業を加速し、補強するための仮想アシスタント導入
さらに、IBM Consultingは、AWS上でのモダナイゼーションを検討している企業向けに、AWSの生成AIサービスを独自のIBM Consulting Cloud Acceleratorに統合し、リバース・エンジニアリング、コード生成、コード変換を含むクラウド変革プロセスの加速を支援していきます。
watsonxの統合に関する専門知識の深化とAWSの拡張への取り組み
IBMは、Amazon SageMakerやAmazon CodeWhispererを含むAWSの生成AIサービスに関する広範な専門知識を有しています。業界をリードする基盤モデル(Foundation Models)をAPI経由で利用可能な完全マネージド・サービスであるAmazon Bedrockを使用する最初のAWSパートナーのうちの1社です。
生成AIの導入を検討している企業にとって、AIの専門知識とAWSのサービス/ソリューションの高度な理解は非常に重要です。IBMは、生成AIに特化した専門知識を持つIBM ConsultingのCenter of Excellence for Generative AIのコンサルタントに、両社の顧客企業がアクセスできるサービスを提供します。
また、IBM Consultingは、2024年末までにAWS生成AIサービスに関する1万人のコンサルタントのトレーニングとスキルアップを予定しています。コンサルタントは、AWS生成AIサービスを利用した企業のエンゲージメントのため、トップ・ユースケースとベスト・プラクティスに関するトレーニングを提供し、パートナー限定の独占プログラムにアクセスできます。これにより、コンサルタントは知識を深め、技術専門家と連携し、AWSでイノベーションを起こす企業により良いサービスを提供できるようになります。
IBM Consultingのシニア・パートナー、グローバルAI&アナリティクス・リーダーであるマニッシュ・ゴヤル (Manish Goyal) は、「企業は、リスクを軽減しながら、ビジネス価値と変革を推進できる生成AIのユースケースを開発し、戦略を構築するための専門家の支援を必要としています。IBMが持つ 伝統(長年AI開発に取り組んで得た知見) とAWSにおけるビジネス変革の深い専門知識を組み合わせることで、生成AI機能を組み込み、再設計されたソリューション群は、両社共通の顧客企業が、選択したプラットフォーム上で生成AIアプリケーションを迅速かつ責任を持って拡張するのに役立ちます」と述べています。
さらにIBMは、オープンレイクハウス・アーキテクチャ上に構築された目的に適合したデータストアであるwatsonx.dataを、AWS上でフルマネージドSaaS(Software-as-a-Service)ソリューションとして提供することで、AWS上での生成AI機能に対する企業の需要に応えていきます。また、2024年までにwatsonx.aiとwatsonx.governanceをAWS上で利用可能にする計画です。これは、企業がAWS上でIBMのデータ、AI、セキュリティー・ソフトウェアをより簡単に利用できるようにするために両社が過去に行った取り組みと成果に基づいています。
AWSのグローバル・システム・インテグレーター担当マネージング・ディレクターであるクリス・ニーダーマン (Chris Niederman)氏は、「当社の顧客企業において、クラウド・バリュー・チェーン全体からビジネス価値を引き出す生成AI戦略の構築と実装に必要な技術サポートとAIの専門知識へのニーズがさらに高まっています。そのため、IBMのコンサルタントが、AWSの生成AIサービスを活用した顧客エンゲージメントのベスト・プラクティスに関する専門知識を深められるよう支援します」と述べています。
通信業界のための大規模な生成AI
IBMとAWSの長年の関係は企業を支えています。業界をリードするイノベーションの歴史を持つフランスの大手通信サービス・プロバイダーであるブイグ・テレコムは、部門やアプリケーションのニーズに応じてクラウドやAIのプロバイダーを柔軟に選択できるようにしながら、AIのユースケースを大規模に探索、設計、実装する同社の進化するクラウド戦略をサポートするため、IBM Consultingのサービスを採用しました。
IBM Garageのアプローチを活用し、チームは複数のクラウド・シナリオをカバーするカスタムデータとAIのリファレンス・アーキテクチャーを共同設計しました。
ブイグ・テレコムのAI統括マシュー・デュプイ(Matthieu Dupuis)氏は、「顧客とのエンゲージメントからインサイトを抽出するために生成AIを活用しようとしたとき、ストレージ、メモリー・サイズ、電力要件に関する馴染みのない問題に直面しました。IBM ConsultingとAWSは、我々のニーズに適したモデルを特定し、これらの技術的障壁を克服する上で、非常に貴重なパートナーでした」と述べています。
AWS上の新しいAIプラットフォームにより、IBM Consultingはブイグ・テレコムが概念実証モデルを開発し、本番環境に迅速に拡張できるようにするとともに、コストとリスクを最小限に抑えることができるようにしました。また、このプラットフォームにより、同社のデータ・サイエンティストは、単体のソリューションを立ち上げるよりも、複雑で価値の高いAIプロジェクトにより多くの時間を費やすことができるようになり、より高い効率性、目的、満足感を持って業務に取り組むことができるようになりました。
進化する関係
IBMとAWSは、AIソリューションに関する40年以上の経験・知見を結集し、テクノロジーのデモンストレーション、潜在的なユースケースの定義、あるいはカスタム・メイドのソリューションの広範囲な共創など、コスト、効率、成長のためにAIを活用しようとする企業に対応するために協力してきました。
さらに、IBMは、グローバルで22,000を超えるAWS認定資格を持つAWS プレミアティアサービスパートナーであり、17のAWS サービス認定と17のAWS コンピテンシーを取得しています。本日の発表は、この長年の関係と、エンタープライズAIの重要性に対する共通の価値観に基づいています。大規模なエンタープライズAIを実現するには、人間中心の原則的なアプローチが必要であり、IBM Consultingは、企業が組織の価値観や基準に沿ったガードレールを確立し、偏りを緩和し、データのセキュリティー、リネージ、出所を管理できるよう支援します。
IBM Consultingは、パートナーとのオープンなエコシステムを活用し、ハイブリッドクラウドと AI テクノロジーによって企業のビジネス変革を加速します。戦略、エクスペリエンス・デザイン、テクノロジー、事業運営にまたがる業界の深い専門知識により、世界で最も革新的で価値ある企業の多くから信頼されるパートナーとなり、最も複雑なシステムのモダナイゼーションとセキュア化を支援しています。160,000人のコンサルタントは、オープンな協業の方法を採用し、IBM Garageという実績のある共創メソッドを適用して、アイデアを成果へとスケールさせています。
IBMの将来の方向性および指針に関する記述は、予告なく変更または撤回される場合があります。これらは目標および目的を提示するものにすぎません。
IBMについて
IBMは、世界をリードするハイブリッドクラウドとAI、およびコンサルティング・サービスを提供しています。世界175カ国以上のお客様の、データからの洞察の活用、ビジネス・プロセス効率化、コスト削減、そして業界における競争力向上を支援しています。金融サービス、通信、ヘルスケアなどの重要な社会インフラ領域における4,000以上の政府機関や企業が、IBMのハイブリッドクラウド・プラットフォームとRed Hat OpenShiftによって、迅速に、効率良く、かつセキュアにデジタル変革を推進しています。 IBMは、AI、量子コンピューティング、業界別のクラウド・ソリューションおよびコンサルティング・サービスなどの画期的なイノベーションを通じて、オープンで柔軟な選択肢をお客様に提供します。 これらはすべて、信頼性、透明性、責任、包括性、ならびにサービスに対するIBMのコミットメントに裏付けられています。詳細は、http://www.ibm.com/ をご覧ください。
当報道資料は、2023年10月18日(現地時間)にIBM Corporationが発表したプレスリリースの抄訳です。原文はこちらを参照ください。
※IBM、IBM ロゴ、ibm.comは、世界の多くの国で登録されたInternational Business Machines Corp.の商標です。他の製品名およびサービス名等は、それぞれIBMまたは各社の商標である場合があります。現時点での IBM の商標リストについては、https://www.ibm.com/legal/copytrade.shtml(US)をご覧ください。
Release Categories
プレスリリース、各種取材のお申込みに関するお問い合わせ先(報道関係者様専用窓口)
※報道関係者様以外からのお問い合わせは受け付けておりませんのでご了承ください。
日本IBM 広報代表
電話: 03-3808-5120
e-mail: PRESSREL@jp.ibm.com