ニュースリリース
データ所在を問わず、あらゆるデータで企業のAIの拡張を支援
【米国ニューヨーク州アーモンク-2023年5月9日(現地時間)発】
著者: タルン・チョプラ(Tarun Chopra)、Data & AIプロダクト・マネジメント担当バイス・プレジデント
IBMは本日、企業が高性能なAIとアナリティクスを実現するために、構造化データと非構造化データがどこにあっても簡単に統一して管理できるよう、オープンなレイクハウス・アーキテクチャーで構築したデータ・ストア「IBM watsonx.data」を近々提供することを発表しました。本ソリューションは現在は一部のお客様に提供されるベータ版で、2023年7月に一般提供する予定です。
watsonx.dataとは
watsonx.dataは、IBMの年次イベント Thinkで発表し近日リリース予定のIBMのAIとデータのプラットフォームであるIBM watsonxの中核です。watsonxによってIBMは、IBM独自およびオープンソースの基盤モデルへのアクセスを企業に提供する一元的なAI開発スタジオ(ツール・機能群)、データを収集しクレンジングするためのwatsonx.data、そしてAIのガバナンスのためのツールキットを提供する予定です。
watsonx.dataによりユーザーは、単一のエントリー・ポイントからデータにアクセスし、それぞれの用途を持った複数のクエリー・エンジンをIT 環境のどこでも実行できるようになります。このソリューションを活用しワークロードを最適化することで、組織はデータウェアハウスのコストを最大50%削減できます[1]。また、ガバナンス、自動化、組織の既存データベースやツールとの統合を組み込んで提供することで、セットアップやユーザー・エクスペリエンスをシンプルにします。
データ・マネジメントのライフサイクルを支援
IDCのGlobal StorageSphereによると、データセンターに保存される企業データは、2021年から2026年の間に年平均成長率30%で増加するとされています[2]。 データ量の増加にともなって、データのサイロ化、運用コスト、規制圧力も増大し、データ、アナリティクス、AIへの投資に対するビジネス成果の要求や、精査が厳しくなる可能性があります。
このようなデータの急増はあらゆる業界に及び、企業はそれを収益戦略や業務効率の向上につながる実用的な洞察に変える機会を持つことになります。
AMC Networks の ビジネス・インテリジェンス部門エグゼクティブ・バイス・プレジデントであるヴィタリー・ツィヴィン(Vitaly Tsivin)氏は、次のように語っています。「メディアおよびエンターテインメント業界は、視聴者がさまざまなデバイスやプラットフォームでコンテンツを消費するようになり、著しいデジタル変革を遂げました。watsonx.dataを利用することで、当社の膨大な分散データに簡単にアクセスし分析することができ、実用的な洞察を導き出すことで、AMC Networksの厳選された高品質コンテンツの視聴者に優れたユーザー体験を提供するためのリソース活用を最大化できるようになります」
特筆すべきは、watsonx.dataがオンプレミス環境とマルチクラウド環境の両方で動作することです。このソリューションは、企業がサイロ化しつつあるデータを活用し、高度なAIとアナリティクスを適用して実用的な洞察を導き出すとともに、データ管理のライフサイクルを通じて堅牢なデータガバナンスとオブザーバビリティー可観測性)を提供します。
強力なパートナーシップによる強力なソリューション
watsonx.dataは、インテルの新しい第4世代Xeonスケーラブル・プロセッサーに搭載されたインテルの内蔵アクセラレーターと、Presto、Veloxアクセラレーション・ライブラリー、Sparkなどのオープンソースのクエリー・エンジンを使用して、ハイパフォーマンスSQLクエリー、レポート、ビジネス・インテリジェンス、機械学習向けに迅速かつ信頼性の高いデータ処理を実現するよう設計しています。
インテルのクラウド&エンタープライズソリューショングループのVP兼シニア・プリンシパル・エンジニアであるDas Kamhout氏は次のように述べています。「私達は、watsonx.dataとそれが基盤としているオープンソースのコンポーネント開発の重要性を認識しています。私達は、IBMと協業してwatsonx.dataの技術スタックを最適化し、共同でPrestoオープンソース・コミュニティーへの技術貢献を行うことで画期的なパフォーマンスを達成することを楽しみにしています」
IBMとインテルは、IBM Db2のインテルXeonプラットフォームでの最適化、IBM Watson NLP Library for Embed with OneAPIによるAIアクセラレーション、そして今回のwatsonx.dataなど、データおよびAI製品における長い協業の歴史があります。
watsonx.dataにより、低コストのオブジェクト・ストレージやIcebergのようなオープンデータおよびテーブル・フォーマットの恩恵を受けながら、ユーザーはデータウェアハウスのような機能でデータ・リポジトリーを近代化し、データ駆動型の意思決定を行うことができるようになります。
Clouderaのプロダクトマネジメント担当EVP、ポール・コディングは次のように述べています。「Apache Icebergテーブルフォーマットを搭載したオープンなデータレイクハウス・アーキテクチャーは、あらゆるワークロードに対応するデータ・プラットフォームを将来にわたって使い続けられるよう、目的に合ったアナリティクス・ソリューションを使用する柔軟性を組織に提供します。IBMとClouderaのお客様は、真にオープンで相互運用可能なハイブリッド・データ・プラットフォームを活用し、増え続けるユースケースやビジネスプロセスにおけるAIの適用を促進し加速させることができます"
IBMとClouderaは、認定製品の統合や共同販売、サポートモデルなど、長期にわたる戦略的パートナーシップを結んでいます。
wasonx.dataは、オンプレミスおよびIBM CloudやAmazon Web Services(AWS)を含む複数のクラウド・プロバイダーで利用できるようになる予定です。これは、IBMがAWSとの関係を拡大し、AWS上でIBMのソフトウェアをSoftware as a Service(SaaS)として提供するという昨年の発表に基づくものです。また、このソリューションはAWS Marketplaceでも提供する予定です。
AWSのワールドワイド戦略アライアンスディレクターであるSoo Lee氏は、次のように述べています。「AIソリューションへの業界全体のシフトが見られる中、組織は、増大するデータへ要求をサポートするためにデータレイクハウス・ソリューションを採用することが多くなっています。watsonx.dataをAWS Marketplaceでサービスとして利用できるようにすることで、ハイブリッドクラウドに関するお客様のニーズの高まりに対応していきます。お客様がどこにいてもビジネス・プロセスを実行できるように柔軟性を高め、お客様独自の要件に合わせた幅広いAWSサービスやIBMクラウドネイティブ・ソフトウェアを選択できるようにしていきます」
今後リリースするwatsonx.dataは、StepZen、Databand.ai、Watson Knowledge Catalog、IBM zSystems、IBM Watson Studio、IBM Cognos Analytics with Watsonといった既存の IBM ソリューションと統合することで、データと AI における IBM の市場のリーダーシップをさらに拡大します。これは、最近では The Forrester Wave: Data Management for Analytics でのリーダーとしての評価によって実証されています。これらの統合により、watsonx.dataのユーザーは、業界をリードするさまざまなデータ・カタログ、リネージ、ガバナンス、観測可能性ソリューションをデータ・エコシステム全体に導入することができます。
watsonx.dataは、発売後も機能強化を継続し、Velox や、Presto の唯一の SaaS でありPrestoオープンソース・コミュニティーの強力な貢献者であるAhanaのIBM による最近の買収を通じて、最新のパフォーマンス強化が Presto オープンソース・クエリー・エンジンに組み込まれる予定です。また、watsonx.dataのさらなる開発では、IBMのStorage Fusion技術が組み込まれ、リモート・ソース間のデータ・キャッシングを強化するほか、IBM Researchの基盤モデルに基づいたセマンティック・オートメーション機能が組み込まれ、会話型のユーザー体験を通じてデータの発見、探索、充実を自動化する予定です。
以上
当報道資料は、2023年5月9日(現地時間)にIBM Corporationが発表したブログの抄訳です。原文はこちらをご参照ください。
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