ニュースリリース
モデルナとIBM、mRNAサイエンス向けの量子コンピューティングおよび生成AIを探求
【米国マサチューセッツ州ケンブリッジおよびニューヨーク州アーモンク – 2023年4月20日(現地時間)発】
メッセンジャーRNA(mRNA)治療薬とワクチンのパイオニアであるバイオテクノロジー企業のモデルナとIBMは、本日、モデルナのmRNAの研究およびサイエンスの進展・加速に向け、量子コンピューターや人工知能(AI)などの次世代技術を探索することで合意したことを発表しました。
モデルナの最高経営責任者(CEO)であるステファン・バンセル(Stéphane Bancel)は、以下のように述べています。「創業以来、モデルナは常に最先端技術の最前線に立つことを目指し、mRNA医薬品を通じて人々に最大限のインパクトを与えることができるよう、イノベーションを活用してきました。IBMとの協業のもと、mRNAサイエンスを発展させる画期的なAIモデルを開発し、量子コンピューティングの時代に備え、これらの既存の概念を変える可能性のある技術にモデルナのビジネスを対応できるようになることを嬉しく思います。モデルナは、量子コンピューティングを活用した多数の画期的な進展を目指しており、この技術の活用にむけた準備を万全にするため、量子人材の開発に投資をしています」
IBMシニア・バイス・プレジデントでIBM Researchディレクターのダリオ・ギル(Darío Gil)は、次のように述べています。「IBMのパーパスは、『世界をより良く変えていくカタリスト(触媒)になる』であり、今回のモデルナとの協業はこのパーパスを実証するものです。現在、AIと量子コンピューティングの驚異的な進展によって、コンピューティングの世界では革命が起きています。モデルナは、複数年にわたるIBMの治療薬向け生成AIに関する研究成果を活用することで、科学者が分子の挙動をよりよく理解し、まったく新しい分子の創出を促進できるようになります。また、モデルナと協力して、新しい治療薬の発見と創出を加速することを目標に、モデルナの科学者が、IBMの量子コンピューティング技術に関する知識や利用方法を習得できるよう支援できることを嬉しく思います」
mRNA医薬品設計向け量子コンピューティング・スキルの開発
量子コンピューターは、量子力学の原理を利用して、古典的なコンピューターには複雑すぎる問題を解決する、急速に成長している変革的な技術です。モデルナの科学者は、古典的なコンピューターでは解決できなかった問題に量子技術をどのように適用するかに関する知識や経験を身に着けていきます。両社は、モデルナの科学的課題に対する量子技術の応用の可能性を探っていきます。
モデルナは、IBM Quantum AcceleratorプログラムおよびIBM Quantum Networkに参加する予定です。本契約に基づき、IBMは量子コンピューティング・システムへのアクセスや専門知識を提供し、モデルナが量子技術を活用した最先端のライフサイエンス分野のユースケースを探求するのを支援します。
mRNA医薬設計のためのAIモデル
モデルナとIBMの科学者は、科学者が分子の特性を予測するのに役立つAI基盤モデルであるMoLFormerを適用し、潜在的なmRNA医薬品の特性を理解できるようにします。モデルナの目標は、体内を移動するmRNAを包み込んで保護する脂質ナノ粒子と、病気と戦うための細胞への指令として機能するmRNAの最適化にMoLFormerを活用することです。このイニシアチブのもと、モデルナとIBMは、最先端の製剤発見のスキルと生成AIを組み合わせ、最適な安全性と性能を持つmRNA医薬品の設計を行います。
当報道資料は、2023年4月20日(現地時間)にIBM Corporationが公開したプレスリリースの抄訳に日本独自の発表内容を加えたものです。原文はこちら (英語) を参照ください。
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