ニュースリリース
IBM WatsonにAIやオートメーションの新機能を追加
・米国ロードアイランド州などの行政機関が、IBM Watson Assistantを採用、コロナ禍関連の電話問い合わせ増加に対応
2021年9月15日
[米国ニューヨーク州アーモンク – 2021年9月9日(現地時間)発] – IBMは、IBM®︎ Watson AssistantにAIとオートメーションの新機能を追加しました。今回の新機能は、あらゆるチャネルの顧客体験(電話、Web、SMS、メッセージング・プラットフォームなど)を介して顧客に適切な回答を、より速く提供できるよう設計しました。また、CPaaS(Communications Platform as a Service)の大手プロバイダーであるIntelePeer社との新しいコラボレーションにより、音声エージェントをセットアップし、テストの実施が可能になりました。加えて、会話の文脈を損なうことなく、ライブ・エージェントへの引き継ぎがシームレスに行える、新しいエージェント・アプリの利用も実現しました。
いま、自然言語処理(NLP)とオートメーションの性能が継続的に向上していることから、仮想アシスタントの普及が進んでいます。IBMの2021年度Global AI Adoption Index(世界のAI導入状況2021)1 によると、調査対象となった世界のITプロフェッショナルの52%が、カスタマー・エクスペリエンスを改善するためにNLPソリューションを活用中、または活用を検討していることが示されました。
IBMは、自社のインテリジェント仮想エージェントであるWatson Assistantに新機能を追加しました。この新機能で、企業はAIやNLPを活用し、ファースト・コンタクトであっても顧客の問題を解決できるようになります。Watson Assistantは、複数のチャネルの顧客体験を介して顧客に適切な回答をより速く提供します。追加サポートが必要な場合には、ライブ・エージェントへの引き継ぎがシームレスに行えるように設計しました。
■具体的な機能
- 音声機能をWatson Assistantに追加
IntelePeerのCPaaSであるAtmosphere Communications PlatformがWatson Assistantで利用可能になりました。PlusもしくはEnterpriseプランのユーザーは、音声機能や、仮想エージェントの新しい電話番号をスムーズに設定できます。企業が既存のコンタクト・センター電話システムをすでに有する場合、IntelePeerはWatson Assistantと既存電話システムの間の接続を提供することも可能です。IBM Watson Assistantでは、IntelePeerを活用しながら、SIP2を使用する、ほぼすべての大手コンタクト・センターのプラットフォームにコーディングなしで、わずか30分での接続が可能になりました。 - Watson Assistantの検索スキルで、ファースト・コンタクトで問題を解決可能に
Watson Assistantの検索スキル機能に、IBM Researchの革新的な質問応答(QA)システムをベースとした、ショートアンサー検索を追加しました。これにより、質問文の一節が長くても、質問への回答が含まれる文脈のまま、数単語での回答が可能です。また、FAQ抽出は、管理者が手動で定期的に更新することなく、広範な情報ソースを活用しながら仮想エージェントを最新の状態に維持することができます。 - 新しいエージェント・アプリで引き継ぎをシームレスに
Watson Assistantの新しいエージェント・アプリ機能は、仮想エージェントが中断したところから、カスタマー・サービスのエージェントに顧客を引き継ぐことができるよう設計しました。顧客から入電があると、正確な音声文字変換を提供するように設計されたOOTB3のIBM音声検出モデルにより、会話がほぼリアルタイムで音声文字変換されます。引き継ぎが必要になると、この新しいエージェント・アプリは、カスタマー・サービスのエージェントに最新のトランスクリプトを画面上で提供します。つまり、顧客は再度質問する必要がなく、エージェントは問題をさらに迅速に解決できるようになります。
IBMのデータおよびAI部門のゼネラル・マネージャーであるダニエル・ヘルナンデス(Daniel Hernandez)は次のように述べています。「現在、ほぼすべての企業が直面している重要な課題として、顧客や従業員とのコミュニケーションをあらゆるチャネルにおいて改善する必要があることが挙げられます。私たちは、企業の皆様がWatson Assistantでカスタマー・ケアに変革をもたらすことができるよう、自然言語処理やオートメーション、責任あるAIの促進において新たなイノベーションを継続的に提供し、IntelePeerなどのパートナー様と強力でオープンなエコシステムを構築しています」
米国ロードアイランド州はIBM Watson Assistantを導入し、コンタクト・センターを変革
コロナ禍において、多くの機関や組織への電話問い合わせが増加する中で、IBMのWatson Assistantがお客様の課題解決策として採用された事例を紹介します。
昨年、米国ロードアイランド州では、新型コロナウイルス感染症(以下、新型コロナ)の感染者数が急増し始めると、心配する住民から数十万件の電話が寄せられるようになり、州は持続的に対応することは不可能であると認識しました。州は住民への対応を改善し、より効率的なプロセスと急速に変化する新型コロナ情報の即時アップデートを実現させる必要がありました。
避けがたい作業負荷の増加に対処するために州が導入したのがWatson Assistantです。導入により住民への対応プロセスを改善し、コンタクト・センターのサポートが向上しました。IBMグローバル・ビジネス・サービス事業 (GBS) とロードアイランド州は、英語とスペイン語の両方でコロナに関する質問に回答できる、Watson Assistantを活用した仮想エージェント「RHODA」を2020年10月に稼働させました。RHODAは、検査のスケジュール、検査結果、渡航禁止、およびワクチンの接種資格といった関連トピックについて10万を超える会話を行っています。さらに、IBM GBSはWatson Assistantをワクチン接種予約スケジュール用音声自動応答 (IVR) システムに統合し、個人がより簡単に手続きができるよう、設計しました。
ロードアイランド州保健局のCOVIDオペレーション部門COOであるクリスティン・カンパーニャ(Kristine Campagna)氏は次のように述べています。「パンデミックにより、ロードアイランド州保健局の私のチームは窮地に陥りました。私たちは、古いシステムと小規模なコール・センターでは、心配する市民からの着信の処理には全く不十分であることにすぐに気付きました。IBMはAIに関する経験が豊富なため、私たちは連携してWatson Assistantをコール・センターにシームレスに統合し、コロナに関する情報を数日のうちに数千人の市民に提供することができました」
Watson Assistantおよび本日発表された新機能の詳細については、
https://www.ibm.com/cloud/watson-assistant/integrations/voice をご覧ください。
当報道料は、2021年9月9日(現地時間)にIBM Corporationが発表したプレスリリースの抄訳です。原文は下記URLを参照ください。
https://newsroom.ibm.com/2021-09-09-IBM-Watson-Launches-New-AI-and-Automation-Features-to-Help-Businesses-Transform-Customer-Service
1IBMの代理でMorning Consultが実施:『Global AI Adoption Index 2021』(2021年5月)
2《session initiation protocol》 コンピューターネットワーク上で、IP電話の通話などを制御するための呼制御プロトコルの一のこと
3《out-of-the-box》 製品などを入手後にすぐ使用できる事を示す
IBM、IBM ロゴ、ibm.com、IBM Watson、IBM Research、Global Business Servicesは、世界の多くの国で登録されたInternational Business Machines Corp.の商標です。他の製品名およびサービス名等は、それぞれIBMまたは各社の商標である場合があります。現時点での IBM の商標リストについては、https://www.ibm.com/legal/copytrade.shtml(US)をご覧ください。
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