ニュースリリース

IBM、デジタル変革を推進する人材マネジメントの包括的支援を発表

2018年12月 6日

TOKYO - 06 12 2018:
2018年12月6日

 

[米国ニューヨーク州アーモンク - 2018年11月28日(現地時間)発]
IBM(NYSE:IBM)は、AI(人工知能)による仕事の未来と人事(HR)機能の変革が期待される中、企業と従業員がAIと自動化の時代に成功できるよう支援する新たなビジネス「IBM Talent & Transformation」を発表しました。「IBM Talent & Transformation」は、着実なAIスキルのトレーニングを提供するだけでなく、AIを用いて従業員の力を伸ばし、ワークフローを変革し、偏見を取り除き、現代の人材体制を構築するのに必要とされるトランスフォーメーションを推進できるよう、企業を支援します。

CEOや従業員は、AIが職場環境を変革することを認めている一方で、IBMの最新の調査からは、AIの可能性を生かす準備が整ったと感じている人はほとんどいないことが明らかになっています。

  • IBMが新たに行った調査によると、今後3年で、世界10位までの経済大国における1億2000万人もの労働者は、AIとインテリジェントな自動化を利用した再トレーニング・再教育が必要となる可能性があります。
  • IBMの調査によると、CEOの3人に2人が、AIは人事における価値を著しく推進するとしているにもかかわらず、その可能性を実現するAI、データサイエンス、機械学習のスキルを自社が有していると報告するCHRO(Chief Human Resource Officers: 最高人事責任者)は、わずか11%です。
  • IBMのためにThe Harris Pollが行った調査によると、米国および英国の成年労働者の84%は、AIが競争優位性を促進できると考えていますが、その半数以上は自分の勤める企業が競争優位性のためにAIを利用できるという確信を持っていません。また、半数以上は企業文化がAI導入の障壁になると考えています。

IBMグローバル・ビジネス・サービス事業担当のシニア・バイス・プレジデントであるマーク・フォスター(Mark Foster)は、次のように述べています。「デジタル・トランスフォーメーションの実行と、ビジネスおよびプロセスの改革という二重の要件に対処するため、企業がAI、自動化、ブロックチェーンのような新しいテクノロジーを利用する際、その進行を阻む最大の障害となるのは、適切な人材やスキルを利用できるかどうかです。AI時代に立ち向かえる人材体制の構築には、テクノロジーと同じくらい企業文化と専門知識が関わってくるとIBMは考えています。」

「IBM Talent & Transformation」の支援により、AIは、影響力と信頼性を持った組織へと導くことができ、人事組織をサービス機能から成長エンジンへと変化させます。将来のビジネスに向けて前進し進化するという高度なスキルを持った多様な人材が、企業に魅力を感じて企業に留まるよう、AIは企業を支援します。

企業向けに用意の整ったIBMのモデル
IBMの新たなサービス、AIツール、およびそれに関連するトレーニングの取り組みには、IBMが自社の人材の変革を推進するために用いた手法やテクノロジーに由来する知識が生かされています。これらのサービスはAIのパーソナライゼーションの機能を利用し、従業員がスキルを開発したり、社内での成長機会を追い求めたりする際に、案内役を務めます。また、人事チームが従業員の退職リスクを評価し、事前に引き留められるようにしたり、偏見を排除する機能を使って、職務記述書内の表現など人材採用活動における偏見を判定できるようにします。IBM自社の人事機能に適用したところ、これらのサービスは企業の利益を3億ドル以上押し上げました。2017年だけでも1億700万ドルの利益が増加したほか、結果として、採用候補者、従業員、マネージャーの満足度も著しく向上しました。

IBMではすでにお客様と協力して、全世界で1,000件を超える人事トランスフォーメーションのプロジェクトを成功裏に完了しています。コンサルティングの業務委託を通じて、または人材獲得や人材開発、人事業務をIBMにアウトソーシングすることにより、Shire plcなどの組織では自社の人的資本戦略を再構築して、事業の成長を促進しています。

AIは従業員のスキルを補完し、職務を再定義して、生産性を向上させることができますが、それにはトレーニング、育成および新たな働き方が必要となります。新たなサービス・オファリングの教育プログラムであるIBM AI Skills Academyは、企業が全社的に戦略的なAIイニシアチブを計画し、構築して適用する助けとなります。これには、AIの役割とスキルの評価、必要なスキルの構築、AI戦略を支える組織構造の作成などがあり、これらすべてにおいてIBMの専門家のリソースによるサポートが得られます。

このオファリングの狙いは、マーケティング、人事、法務、財務、業務などの各分野の現場のマネージャーから上級管理者までが、自社のワークフローにおいて新たな価値の機会を見つけられるようにすることです。カリキュラムでは、深層学習や機械学習の枠組み、アルゴリズムの適用、オープンソース・テクノロジー、データ可視化といったAIのイニシアチブに必須となる分野をカバーし、企業が「直感」ではなく、よりデータに基づくアナリティクスに基づいて意思決定ができるようにします。

適切な人材を確保し、現在の従業員がキャリアアップできるよう、「IBM Talent & Transformation」では、Citizens Financial Group IncやErnst & Young LLPなどの企業と協力してIBM Watson Talentソリューションを利用します。行動科学、AI、産業・組織心理学の専門家により開発された以下のソリューションは、AIのアナリティクスおよび予測能力を活用しています。

  • Watson Recruitment:組織の雇用履歴と外部データ・ソースを分析して、所定の職務における成功のために重要な属性を決定したうえで、AIを使用して最も適格な候補を偏よりなく選び出します。
  • Watson Candidate Assistant:求職者の雇用経験および教育経験を精査し、スキルを推論して、従来型の応募者追跡システムでは把握できなかった推奨とともに、候補者に最も適した空いている職務を見つけます。
  • Watson Career Coach:バーチャルのコーチとなり、従業員のスキル、関心事、および卓越した点を推論して、キャリアアップの機会に向けた道筋をつけるため、パーソナライズした助言を行います。
  • Watson Talent Frameworks:成功する人材戦略のために今日必要なコンピテンシーとスキルを決定し、組織の固有の業界とニーズに合わせた方法で、明日の労働力に対して組織の将来を保証します。
  • Adverse Impact Analysis (AIA):IBM Watsonを活用して、組織の雇用履歴全体における性別、人種、年齢、教育および前職に関連した無意識の偏見を分析し、特定してそれに対処します。

AIの強みを生かすには、企業はその働き方、仕事の場所、そしてその仕事を指導するために用いる原則を変える必要もあります。

この変更を行いやすくするため、IBMでは、アジャイルなケイパビリティーを開発して仕事のやり方を変えることを目的とした、IBM Garageを導入します。Garageは、企業全体を変革できるようなデジタルやAIを利用した物理的なインスタンス化の役割を持ち、Garageの中では、IBMの専門家がお客様の従業員と肩を並べて座り、新しいアイデアを開発し、次にそのアイデアを速やかにテストし、アイデアを破棄したり先に進めたりします。日常的かつ従来のサイロから脱却し、障壁をなくすように作られた環境で、従業員は、fail fast and iterate often(早めに失敗し、何度でも繰り返す)を行いながら学習し、組織の変化や了承を呼び起こすよう促されます。IBM Garageは、破壊が進む市場の真っ只中で戦略的目的を持って組織の複数の変革イニシアチブを実行、拡大、管理するためのツールです。フォード・モーターやTravelportといった企業がすでに、世界中でIBM Garageを採用し、オープンなコラボレーションと継続的学習のカルチャーを作り出しています。

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