ニュースリリース

シスコとIBM、サイバー犯罪に対抗するために協力

セキュリティーをリードする2社がテクノロジーの統合、サービス、脅威インテリジェンス・コラボレーションを通じて、お客様向けのセキュリティーの有効性向上を目指す
2017年06月 2日

[米国ニューヨーク - 2017年5月31日(現地時間)発]

シスコおよびIBMセキュリティーは本日(現地時間)、世界で広がるサイバー犯罪の脅威に対処するために協力していくことを発表しました。シスコとIBMセキュリティーはお客様のために、さまざまな製品、サービス、脅威インテリジェンスにわたって密に協力していきます。

シスコセキュリティーソリューションとIBMのQRadarを統合し、複数のネットワーク、エンドポイント、クラウドにわたって企業を保護します。お客様は、シスコ製品についても、グローバル規模で展開されているIBMのマネージド・セキュリティー・サービスのサポート対象として、メリットを享受できます。この協力により、IBM X-ForceとCisco Talosのセキュリティー研究チーム間に新たな関係が確立され、脅威インテリジェンスの研究に関するコラボレーションや主なサイバーセキュリティー・インシデントに関する連携などに着手します。

 

セキュリティー・チームに影響を及ぼす核心的な問題の1つが、つながりのないセキュリティー・ツールや統合されていないセキュリティー・ツールの普及です。3,000名のセキュリティー最高責任者(CSO)を対象に最近行ったシスコ サイバーセキュリティ調査によると、サーベイ参加企業の65%が6種類から50種類のセキュリティー製品を使用していることが判明しました。このような複雑な状態を管理することは、すでに過度の負担を背負っているセキュリティー・チームには厳しいことであり、セキュリティーの欠陥の可能性につながる可能性があります。シスコとIBMセキュリティーの関係は、脅威の検出や軽減に要する時間を削減できるよう企業を支援し、スピードや精度の高い脅威への対応をより迅速に高い精度で実行できるよう自動化するのを助ける統合ツールを企業に提供することに注力するものです。

 

BNSF Railwayの情報セキュリティー・チーフ・ディレクターのビル・ハインリッヒ(Bill Heinrich)は次のように述べています。「サイバーセキュリティーに関しては、データに基づいたアプローチをとることが、ビジネスに影響を及ぼす脅威の先を行く唯一の方法です。シスコとIBMが共に協力することで、分断されたシステムを相互に機能させるのではなく、脅威の歯止めに専念するチームの能力を高められます。より開かれた協力的なこのアプローチは業界にとっても、当社のサイバー犯罪から身を守る能力にとっても重要な手段となります」

 

ネットワークやクラウドにわたる脅威対策の一本化

企業が負担するデータ侵害の費用は増加の一途をたどっています。Ponemon Instituteは2016年、サーベイ対象企業について、その費用が過去最高(US)の400万ドル(過去3年間で29%増)に達したことを明らかにしました。対応の遅れも侵害費用に影響を及ぼす可能性があります。その阻止に要する日数が30日を超えたインシデントは、30日以内に阻止できたインシデントよりも100万ドル多く費用がかかりました。このような費用の増加によって、脅威を把握して、速やかに阻止することが、統合化された脅威対策アプローチの中心となります。

 

シスコが提供する最善のセキュリティー ポートフォリオとアーキテクチャーアプローチを、IBMのCognitive Security Operations Platformと統合することで、ネットワークからエンドポイント、クラウドに至るまで、お客様はさらに効果的に自社を保護できるようになります。このコラボレーションの一環として、シスコはIBMのQRadarセキュリティー・アナリティクス・プラットフォーム向けに新規アプリケーションを構築します。最初の2つは、セキュリティー・チームが高度な脅威について理解し、対応するのに役立つよう設計されたものになる予定で、IBM Security App Exchangeで入手できます。こうしたアプリケーションによりユーザー・エクスペリエンスが向上し、お客様は、Cisco Next-Generation Firewall(NGFW)、Cisco Next-Generation Intrusion Protection System(NGIPS)、Cisco Advanced Malware Protection(AMP)、Cisco Threat Gridで作業をする際に、さらに効果的にインシデントを識別して是正できるようになります。

 

また、IBMのResilient Incident Response Platform(IRP)はシスコのThreat Gridと統合され、インシデント対応の迅速化に必要なインサイトをセキュリティー・チームに提供します。例えば、IRPのアナリストはCisco Threat Gridの脅威インテリジェンスでセキュリティー侵害指標を調べることや、疑わしいマルウェアをサンドボックス技術で動作させることができます。これにより、セキュリティー・チームはインシデントに関する貴重なデータを対応時に入手できます。

 

シスコ、シニアバイスプレジデント兼ゼネラルマネージャー、デイビッド・ウレビッチ(David Ulevitch)は次のように述べています。「シスコのセキュリティに対するアーキテクチャアプローチにより、脅威を瞬時に把握し、どこでもブロックすることができます。また、シスコの包括的なセキュリティポートフォリオとIBMセキュリティの運用およびレスポンスプラットフォームを組み合わせることで、シスコとIBMは、ネットワーク、エンドポイント、クラウド間で最善の製品とソリューションを提供し、高度な分析機能とオーケストレーション機能を提供することが可能となります」

 

IBMセキュリティーのマーク・ヴァン・ザデルホフ(Marc van Zadelhoff)ゼネラル・マネージャーは次のように述べています。「IBMはサイバーセキュリティー分野におけるオープンなコラボレーションと脅威情報の共有を長年提唱してきました。シスコが当社の免疫防衛システムに参加したことにより、共通のお客様はIBM Watson for Cybersecurityのようなコグニティブ技術の利用を進める能力を大幅に強化できます。また、IBMのX-ForceチームとシスコのTalosチームのコラボレーションは、サイバー犯罪を撲滅する戦いにおいて大きな力となります」

 

脅威インテリジェンスとマネージド・サービス
IBMのX-Force研究チームとCisco Talos研究チームは、双方のお客様が直面している最も厳しいサイバーセキュリティー問題への対応を目指すセキュリティー研究において、一流の専門家を結び付けることにより、協力していきます。IBMは、共通のお客様のために、X-Force ExchangeとCiscoThreat Gridを統合します。この統合により、セキュリティー・アナリストが相互に関連づけ洞察を深めることができる過去およびリアルタイムの脅威インテリジェンスが大幅に拡張されます。

 

例えば、シスコとIBMは最近、少し前に起こったWannaCryランサムウェア攻撃の中で脅威インテリジェンスを共有しました。シスコとIBMのチームは対応を調整し、研究者たちはマルウェアの広がり方に関する情報を交換しました。両チームは共通のお客様と業界が最も適切な情報を得られるように調査協力を続けていきます。

 

世界中で3,700社以上の顧客企業のセキュリティーを管理しているIBMのManaged Security Servicesチームは、このコラボレーションの拡大を通して、複雑さのさらなる解消を目指す新しいサービスを提供するためにシスコと協力していきます。最初のオファリングには、成長し続けているハイブリッド・クラウド市場向けのものも含まれます。企業顧客がセキュリティー・インフラストラクチャーをパブリックおよびプライベート・クラウド・プロバイダーに移行する際、IBMセキュリティーはパブリック・クラウド・サービスを先導する中でシスコのセキュリティー・プラットフォームの支援によりManaged Security Servicesを提供します。

 

シスコについて
シスコ(NASDAQ: CSCO)は、1984年からインターネットの発展とともに成長を続けてきた、世界的なテクノロジーリーダーです。シスコは社員、製品、パートナーともに、あらゆるものを安全につなぎ、デジタイゼーションを推進しています。
詳しくは、newsroom.cisco.com(US)またはTwitter(@Cisco)をご覧ください。

 

Cisco (NASDAQ: CSCO) is the worldwide technology leader that has been making the Internet work since 1984. Our people, products, and partners help society securely connect and seize tomorrow's digital opportunity today. Discover more at newsroom.cisco.com and follow us on Twitter at @Cisco.

 

IBMセキュリティーについて
IBMセキュリティーは、高度なエンタープライズ・セキュリティー製品/サービスの統合型ポートフォリオを提供しています。世界的に有名なIBM X-Force®研究チームによってサポートされているこのポートフォリオにより、リスクを効果的に管理し、新たに登場する脅威を阻止することが可能になります。IBMは、セキュリティーの研究・開発、デリバリーを行う世界最大級の組織を運営し、世界130か国以上で毎日350億件のセキュリティー・イベントをモニタリングしており、セキュリティー関連の特許保有数は3,000件を超えます。詳しくは、www.ibm.com/security(US)、Twitter(@IBMSecurity)、またはIBMセキュリティー・インテリジェンスのブログ(US)をご覧ください。

 

当報道資料は、2017年5月31日(現地時間)にIBM Corporationが発表したプレスリリースの抄訳です。原文は下記URLを参照ください。
https://www.ibm.com/press/us/en/pressrelease/52476.wss

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