ニュースリリース
IBM、Unified GovernanceとData Scienceを前進させて、グローバル組織にGDPRへの対応状況を管理するためのより深い洞察を提供
[ドイツ・ミュンヘン - 2017年6月22日(現地時間)発]
IBM(NYSE:IBM)は本日(現地時間)、開発者およびアナリストがコグニティブ・コンピューティングの力を利用するのを支援するために、データ・ガバナンスおよびデータ・サイエンスにおける戦略を大きく前進させることを発表しました。新たなソリューションやサービスを通じて、組織は自分たちのデータをより深く理解して掌握すると同時に、欧州連合(EU)の一般データ保護規則(GDPR)のような保護規制の強化に備える能力を促進することになります。
この一環として、IBMは、新たなデータ・ガバナンス・ソリューションおよびツール、データ・サイエンスや機械学習の進歩、そしてデータ・ガバナンスに対するオープン・フレームワークの促進に尽力するApache Atlas向けオープン・データ・ガバナンス・コンソーシアムの形成を発表しました。
より多くの開発者がデータ・サイエンスや機械学習を利用することにともない、データ主導の意思決定を行うためのより高いデータ可視性や深い洞察につながるコグニティブ・アプリケーションやサービスを作り出すことができるようになっています。IDCは、2018年までに全開発者の75%が各自のアプリケーションにコグニティブを組み込むようになると予測していますが [1]、データ量が爆発的に増えるとともにデータ保護規制が強化されるにつれて、そうしたデータを効果的に管理して利用する能力は衰えていきます。
例えば、2018年5月25日にEUはGDPRを施行する予定です。GDPRは、名前からソーシャル・メディアへの投稿に至るまでの、EU市民の個人情報(「直接的または間接的に個人を特定するために利用され得る」あらゆるデータ)を保護するために設けられた一連の欧州大陸規模での必須要件です。EUの内外のいずれに拠点を置いているかを問わず、EU市民のそうした個人データを処理または保有していてGDPRの順守を怠った組織には、当該組織の全世界の年間収益の4%から最大2,000万ユーロに至るまでの、極めて厳しい制裁金が科せられる可能性があります。
そうした大きな技術的変化がすぐ目前まで迫っていることから、欧州全域のみならず全世界の組織が、個人データをより適切に取り扱って要件を満たすのに役立つ、一連のソリューションやプロセスを調査検討しています。
IBMがApache Atlas向けオープン・データ・ガバナンス・コンソーシアムの立ち上げを主導
GDPRといった規制への準備の中心となるのは、データの完全性、安全性、有用性、可用性のための入念かつ包括的なデータ管理慣行をもたらすデータ・ガバナンスです。これを組織にとってより容易なものにしてデータ・ガバナンスの幅広い採用を推進するために、IBMは本日、Apache Atlas向けオープン・データ・ガバナンス・コンソーシアムの立ち上げを発表しました。
Atlasは、分散データ処理およびストレージのための主要なオープン・ソース・フレームワークの1つであるHadoopにおける、Apache Foundationのデータ・ガバナンス・フレームワークです。このプロジェクトは現在、Apacheでの開発の「インキュベーター」フェーズにあります。コンソーシアムの目標の1つは、協力してそれを速やかに「トップレベルプロジェクト」の状態にまで前進させて、このテクノロジーがオープンな開発の貢献を受け、ダウンロード、および配布に利用できるようにし、強固なガバナンス機能を一般の人々がいつでも自由に利用できるようにすることです。
コンソーシアムは、主要なHadoop配布製品プロバイダーであるHortonworksなどの国際的メンバーと、10以上に及ぶその他のメンバーで構成されています。
このApache Atlas向けオープン・データ・ガバナンス・コンソーシアムのニュースは、IBMが先週発表したHortonworks(Hadoopディストリビューション製品であるHortonworks Data Platformを開発)との戦略的パートナーシップのあとに続くものです。
IBMが新たなデータ・ガバナンス・ソリューションを公表
また、お客様が次第に厳しくなるデータ保護の順守要求を満たせるようさらに支援するために、IBMは本日、お客様のデータ管理能力の強化を支援するための以下の新規ソリューションも発表しています。
- IBM Unified Governance Software Platform – コグニティブ・メタデータ取得、リネージュ・トラッキング、ポリシーの施行、データ統合サービス、ペルソナ・ベースのレポート作成といった、GDPRに対応する多くの機能を含む、各種のデータ管理機能で構成される新たなソフトウェア・プラットフォーム
- Information Governance Catalog Download & Go – お客様がIBM Information Governance Catalogガバナンス・ツールを迅速かつ容易に各自のシステムに直接ダウンロードしてインストールし、そこで実行できるようにする新しい高速のソフトウェア・ダウンロード。このソフトウェアは、完全なクラウド・ベース・バージョンのカタログを補完します。
- StoredIQ – ユーザーが自らの組織全体に存在する非構造化データのタイプを識別できるように支援する定番のデータ・ディスカバリー・ソフトウェアを、新たなアナリティクスの「カートリッジ」ソフトウェア・モジュールで強化。カートリッジは無料でダウンロードすることができ、お客様はそれを利用して、機密性の高い個人データの認識を開始することもできます。15のEU加盟国のダウンロード版を11の言語で利用できるこれらのカートリッジは、個人データの識別に要する時間を短縮して、GDPRのような新たな強化規制によりしっかりと備えることが可能となります。
データ・サイエンスおよび機械学習のガバナンスへの応用
データ・ガバナンスにますます不可欠となってきているのは、収集されたデータの山を分析して精製し洞察を得るとともに、規制順守にも対応する能力です。IBMは本日、より多くのグローバル企業が規制順守に向けて準備をする際に、データ・インテリジェンスを応用するうえで必要となるツールへのアクセスをできるよう、欧州全域におけるデータ・サイエンスおよび機械学習のイノベーションを拡張しました。そこには次のようなものが含まれます。
- ロンドンのデータ・センターにおけるIBM Data Science Experience(DSX)の立ち上げ。現在、英国内および欧州全域の科学者はこの協調的環境を利用して、インテリジェント・アプリケーションの制作を推進してデータ・インサイトを生み出すための分析モデルの構築において、容易かつ迅速にチームを組むことができます。DSXの英国への導入は、組織がよりデータ主導型の意思決定へと移行し、地域のデータ規制要件に備え、そしてより強固なシステム・パフォーマンスを実現するのに役立つことになるでしょう。
- ドイツのベーブリンゲンにおけるMachine Learning Hubの立ち上げ。このハブにより、同地域の企業には、実践的ワークショップを伴う機械学習の取り組みにおいてIBMとコラボレーションをするまたとない機会がもたらされます。多くの企業が新たなテクノロジーに基づいて教育リソースを提供していますが、Machine Learning Hubでは理論を実践に移すことで、機械学習におけるデータ・サイエンスの課題に対するソリューションを見極めます。これまでMachine Learning Hubのチームは、患者診断から不正検知や顧客セグメンテーションに至るまでの幅広いユースケースに関するワークショップを開催してきています。
金融サービス企業のUSAAのデータおよびアナリティクス担当エグゼクティブ・ディレクター兼テクニカル・フェローであるマイケル・ウィレット(Michael Willette)氏は、次のように述べています。「データ・サイエンスやビッグ・データの潜在能力を実現させるためには、ガバナンスに対する統合アプローチが不可欠です。IBMの戦略は、規制順守の問題に取り組むとともに、当社のユーザーが分析やデータ主導の意思決定のためのデータを見つけ出せるようにするための優れたアプローチです。」
IBMアナリティクスのゼネラル・マネージャーであるロブ・トーマス(Rob Thomas)は次のように述べています。「複雑なネットワーク・クラスター全体にわたる膨大な量のデータとその絶え間ない分散から、GDPRといったデータ規制の増加に至るまで、課題は山積しています。そうしたなか、データを体系的にまとめ上げ、分析し、管理する必要性は、日に日に高まるとともにその重大性も増しています。私たちが今日実施しているガバナンスへの取り組みにより、私たちは組織に、それらの組織が持っているものを把握するだけでなく、それを利用してより適切なビジネス上の決定を行って規制順守に備えることもできるようになる、より多くの方法を提供しています。」
[1] IDC FutureScape: Worldwide IT Industry 2017 Predictions
当報道資料は、2017年6月22日(現地時間)にIBM Corporationが発表したプレスリリースの抄訳です。原文は下記URLを参照ください。
http://www.ibm.com/press/us/en/pressrelease/52680.wss (US)
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