ニュースリリース

次世代アプリケーション向けに革新的なセキュリティーを提供するLinux専用エンタープライズ・サーバーを発表

2017年09月13日

TOKYO - 13 9 2017:
2017年9月13日

[米国ロサンゼルス(OPEN SOURCE SUMMIT NORTH AMERICA) - 2017年9月12日(現地時間)発]IBM(NYSE:IBM)は本日、次世代のLinux専用エンタープライズ・システム製品群であるIBM LinuxONE Emperor IIを発表しました。当製品は、予測不可能なデータとトランザクションの増大に迅速に対応しながら、非常に高いセキュリティー・レベルおよびデータ・プライバシーの保証を支援するための新機能を備えています。

新しいLinuxONE Emperor IIの主な機能であるIBM Secure Service Containerは、データ・プライバシー機能とセキュリティー機能を大幅に向上する独自のLinuxONEテクノロジーです。昨年には、前年比556%増の40億件を超えるデータ記録が紛失または漏洩しました[1]。過去5年間にセキュリティー侵害があった90億件を超える記録のうち、暗号化されていた(または安全にスクランブルがかけられていた)記録は4%にすぎず、ほとんどのデータは攻撃者に対して保護されず、脆弱性がありました[2]。

IBM Secure Service Containerを利用すると、社外からの脅威だけでなく、権限の高い資格情報を有するユーザーやユーザーの資格情報を入手したハッカーからのシステム・レベルの社内の脅威に対して初めてデータを保護できるようになります。ソフトウェア開発者には、この高度なセキュリティー機能を活用するために、コード内で専有機能に依存せずにすむというメリットがあります。アプリケーションをDockerコンテナーに配置するだけで、Secure Service Container実装のための準備が整います。また、アプリケーションは、Secure Service Containerの利用を簡単にするために付属しているDockerツールとKubernetesツールを使用して管理することができます。

開発者とお客様は、http://ibm.biz/sscbeta (US)で詳細情報を入手し、ベータ・プログラムへの参加を申請することができます。開発者は、IBM Developer Journeys(https://developer.ibm.com/code/journey/ (US))で、新しいテクノロジー、オープン・ソース・コード、コンテナー、メインフレーム開発等に関するドキュメントにアクセスできます。

ビジネスと世界を変革に向けたお客様の支援
2015年の誕生以来、LinuxONEは、IBMクラウドの一端を担い、IBMのプレミアなブロックチェーン・オファリングの基盤として採用されています。たとえば、Everledgerと共にダイヤモンド業界の変革を支援し、The Plastic Bank(英語)と共に世界の海からのプラスチックの除去をサポートしています。IBMおよびサービス・プロバイダー/システム・インテグレーターのCognition Foundry(英語)と協力することにより、The Plastic Bankは、プラスチック廃棄物の価値を明らかにし、海への排出を防止し、新製品での使用のために企業にプラスチックを提供しています。

Cognition FoundryのCEO、ロン・アージェント(Ron Argent)氏は、次のように述べています。「サービス・プロバイダーとしてLinuxONEを利用することにより、当社はThe Plastic Bankなどのお客様向けに、極めて短時間に数百万人のユーザーをサポートできる包括的なITインフラストラクチャーを構築できます。LinuxONEによって、お客様に対して非常に高度なセキュリティーも提供できます。マルウェアがストレージ領域に侵入する恐れがある一般的なオファリングとは異なり、サーバー上で動作する個別のユーザー環境により、何者かが機密データをハッキングするリスクが大幅に低下します。」

The Plastic Bankの共同設立者およびチーフ・ストラテジストであるショーン・フランクソン(Shaun Frankson)氏は、次のように述べています。「直ちに利用を開始することができ、現在の要件を満たすだけでなく、20年後も引き続き利用できると思われる包括的なソリューションを導入することが不可欠でした。増加し続けるユーザー数に対応するために、少し成長するたびに技術環境を停止して再構築するわけにはいきませんでした。LinuxONEが需要を満たすために拡張し、成長の減速や勢いの低下を最小限にする機能を備えていることは、極めて重要です。」

データ向け世界最先端のエンタープライズLinuxプラットフォーム
IBM LinuxONE担当ゼネラル・マネージャーのロス・マウリ(Ross Mauri)は次のように述べています。「LinuxONEは高度に設計されたプラットフォームです。開発者コードまたはオープン・ソース・コードの変更が一切不要な独自のセキュリティー、データ・プライバシー、および規制コンプライアンス機能を備えていることに加え、極めて大規模なデータ・サービス提供やトランザクション処理に最適化されています。本日の発表により、お客様に差別化された価値を提供するイノベーションの実現に一段と集中し、投資を拡大していきます。」

新しいLinuxONE Emperor IIは、世界最先端のエンタープライズLinuxプラットフォームであり、業界最速のマイクロプロセッサーと、I/O処理専用に最大640コアを搭載した独自のI/Oアーキテクチャーを備えています。LinuxONE Emperor IIは、バーティカル・スケール、Shared-Everything方式のシステム設計により、以下のことが可能です。

  • 1台のシステムで1つのMongoDBインスタンスを17 TBまでスケールアップ可能なほか、追加メモリーを使用することで、Emperor Iと比較してスループットを2.4倍、レイテンシーを2.3倍向上させることができます。より高速なアプリケーション実行、よりセキュアなデータ・アクセスに加え、複雑さを抑えながら優れたスケーラビリティーを実現します[3]。
  • x86と比較して、最大2.6倍のJavaパフォーマンスを実現します。ポーズレス・ガーベッジ・コレクション用の統合ハードウェアにより、安定した高スループットと低レイテンシー処理を必要とするミッション・クリティカルなJavaワークロードにおいて、ガーベッジ・コレクションに起因する予測不能なトランザクション遅延を最小限に抑えることができます[4]。
  • 統合管理機能を備え、最大200万のDockerコンテナーまでスケール・テスト済みのDocker EE用Docker認定インフラストラクチャーを提供します。開発者は、レイテンシーやスケールに制約されることなく、高性能アプリケーションを作成したり、マイクロサービス・アーキテクチャーを利用したりすることができます。

MongoDB(英語)社社長兼CEOのデブ・イッティチェリア(Dev Ittycheria)氏は次のように述べています。「あらゆる企業にとってデータが重要であることから、MongoDBは現代のデータの規模や多様性への対処を支援するためにどこでも実行できるように設計されています。ビジネスに不可欠なアプリケーションを極めてセキュアな高性能・高可用性プラットフォーム上で運用することを望む企業のために、MongoDB Enterprise ServerはLinuxONEに対応いたしました。」

Sysdig(英語)社のCEO兼創立者であるロリス・ドゥジオアニ(Loris Degioanni)氏は次のように述べています。「スケールアップして大規模なコンテナー・ベースのインフラストラクチャーを運用するにしても、極めてセキュアな高信頼システムがやはり重要な基礎であることはどの企業にとっても変わりません。さらに強力な点は、IBMがLinuxONE Emperor IIシステムを中心に強力なエコシステムを構築していることです。IBMとSysdigのコラボレーションにより、IBMのお客様はコンテナー監視およびトラブルシューティング機能を標準で手に入れることができます。そのため、新しいコンテナー化アプリケーション・インフラストラクチャーを本番に移行する際、優れたスケーラビリティーとセキュリティー、容易な監視を確保することができます。」

ScyllaDB(英語)社のCEO兼共同創立者であるドール・ラオール(Dor Laor)氏は次のよう述べています。「LinuxOneプラットフォームは、現在最もスケーラブルなコンピューティング環境の1つです。LinuxOneのCPU周波数、コア数、およびI/Oデバイスの速度の組み合わせは類のないものであり、ScyllaDBのスケールアップ性にぴったりです。パフォーマンスは同等のx86マシンの2倍に及びます。セキュリティー機能とオープン環境を併せて考えれば、お客様は迷わず選べるはずです。」

IBM LinuxONEの詳細については、こちら (US)をご覧ください。 

  1. 出典:IBM X-Force Threat Intelligence Index (US)
  2. 出典:Gemalto社のBreach Level Index(http://breachlevelindex.com/(英語))
  3. パフォーマンス結果は、追加メモリーを使用したLinuxONE Emperor II上のネイティブLPARのMongoDBパフォーマンスを、YCSB 0.11.0(書き込み重視、読み取り専用)で駆動したLinuxONE Emperorと比較したIBMの社内テストに基づいています。結果は変動する可能性があります。LinuxONE Emperor IIの構成:12個の専用コアと20 TBのメモリーを備えたLPARで、SLES 12 SP2(SMTモード)上でMongoDB Enterprise Release 3.4.1インスタンス(共有なし、複製なし)を17 GBのデータベースと共に実行しました。データベースはIBM FlashSystem 900上の18 TB LUN上に配置しました。LinuxONE Emperorの構成:12個の専用コアと10 TBのメモリーを備えたLPARで、SLES 12 SP2(SMTモード)上でMongoDB Enterprise Release 3.4.1インスタンス(共有なし、複製なし)を17 GBのデータベースと共に実行しました。データベースはIBM FlashSystem 900上の18 TB LUN上に配置しました。
  4. クリア・キー暗号化のAES_128_GCM暗号を使用してz14 Linux on zでWebSphere Libertyを実行しているお客様は、IBM Java 8 SR5を使用することで、x86と比較して、コアあたりのスループットを最大2.6倍向上させることができます。パフォーマンス結果は、SSLクリア・キーとTLS_ECDHE_ECDSA_WITH_AES_128_GCM_SHA256暗号を使用してWebSphere Liberty 8.5.5.9でDayTrader 3を実行したIBMの社内テストに基づいています。Liberty DayTrader 3による測定は、合計8つのハードウェア・スレッドに対するSMTで構成された4つのIFLを搭載した、SLES 12 SP1を実行するIBM z14上の独立した専用LPARで行われました。Libertyは、IBM 64-bit SDK for z/OS、Java Technology Editionバージョン8サービス・リフレッシュ5(Java 8 SR5)を使用しました。

当報道資料は、2017年9月12日(現地時間)にIBM Corporationが発表したプレスリリースの抄訳です。原文は下記URLを参照ください。 
https://newsroom.ibm.com/2017-09-12-New-IBM-Linux-only-Mainframe-Delivers-Breakthrough-Security-for-Next-Gen-Applications (US)

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