ニュースリリース

IBM、Packet Clearing House、Global Cyber Alliance、インターネットの脅威から企業と消費者を保護するために協業

無数の悪意あるWebサイトからユーザーを保護する
Quad9 DNSプライバシー&セキュリティー・サービス
2017年11月17日

TOKYO - 17 11 2017:
2017年11月17日

[ニューヨーク - 2017年11月16日(現地時間)発] – IBM Security、Packet Clearing House(PCH)、Global Cyber Alliance(GCA)は本日、インターネットへのアクセス時に消費者と企業のプライバシーとセキュリティーを向上させることを目的とする無償サービスを開始しました。新しいQuad9 Domain Name System(DNS)サービス (英語)は、個人情報を盗み、ランサムウェアやマルウェアに感染させ、詐欺行為を行っていることが確認されている無数の悪意あるインターネット・サイトへのアクセスからユーザーを保護するために役立ちます。

Quad9(9.9.9.9)DNSサービスは、ユーザーの個人情報(PII)を保存せず、相互に関連付けず、その他の方法で利用しないように設計されているため、企業と消費者はオンライン上でプライバシーを保護することができます。一方、他のDNSサービスでは、多くの場合、マーケティングやその他の目的のために、Webサイトへの消費者の訪問記録、使用している機器、居住地域に関する情報が収集されます。

Quad9は、消費者が最も必要とするときに、自動化されたセキュリティー・ソリューションを提供します。本日公開された米国、英国、フランス、ドイツにおける消費者の新しいアンケート*1によると、最新のオンライン脅威に対応できると考えている消費者は27%にすぎず、コンピューターのDNS設定を変更したことがある消費者は14%のみであることが示されました。

DNSサーバーとして9.9.9.9を使用するように端末の1つの設定を変更するだけで、Quad9のセキュリティーとプライバシーを利用できます。DNSサービスの内容とQuad9に切り替える方法については、www.quad9.net. (英語)で詳細に説明されています。

Quad9を通じて提供される保護機能は、従来のPCとラップトップだけでなく、インターネット接続機器(テレビ、デジタル・ビデオ・レコーダー(DVR))またはスマート・サーモスタットやインターネット家電などのモノのインターネット(IoT)テクノロジーにも適用できます。このような機器は、重要なセキュリティー更新を受信しないことが多く、従来のウイルス対策ツールで保護することも困難ですが、インターネットに常時接続されているため、ハッカーの攻撃を受けやすくなります。

Quad9の動作
Quad9の提供開始により、消費者と企業は、最低限の設定の変更で、効果的に無償で自らを保護できるようになります。Quad9では、手動の操作なしでセキュリティー脅威インテリジェンスを利用できます。これは、既知の悪意あるWebサイトへのアクセスを自動的にブロックすることにより、既知のインターネット上の脅威に対する「自動免疫」をユーザーに提供するように設計されています。

すべてのWebサイトには、IPアドレスと呼ばれる数値のアドレスがあります。インターネット上の操作を容易にするために、この数値のアドレスは、ユーザーが記憶し、理解し、検索することができる企業名や単語に変換されます。Quad9は、ユーザーがWebアドレスにアクセスする前のセキュリティーとプライバシーを向上させる一方で、数値のアドレスを親しみ深いURLに変換するために役立ちます。

Quad9ユーザーがWebサイトへのリンクをクリックするか、WebブラウザーにURLを入力するたびに、Quad9により、400億を超える分析済みのWebページと画像からなるIBM® X-Forceの脅威インテリジェンス・データベースに照らして、そのサイトがチェックされます。このサービスでは、Abuse.ch、Anti-Phishing Working Group、Bambenek Consulting、F-Secure、mnemonic、360Netlab、Hybrid Analysis GmbH、Proofpoint、RiskIQ、ThreatSTOPなど、18の脅威インテリジェンス・パートナーから提供される情報も活用されています。

Quad9は、Webサイトやサービスへのアクセス時にユーザーが期待するスピードを犠牲にすることなくこれらの保護を実現します。Quad9は、PCHの専門知識や世界中のグローバル資産を活用し、提供開始時点で40カ国の70を超える場所に拠点を持っています。今後18カ月で、Quad9の拠点は2倍に拡充される予定であり、それによって世界中のユーザーがスピード、パフォーマンス、プライバシー、およびセキュリティーのさらなる向上のメリットを享受できるようになります。Quad9からのブロック済みドメインのテレメトリー・データ(遠隔地からのデータ)は、顧客やQuad9に対する脅威インテリジェンスの対応を強化する目的で脅威インテリジェンス・パートナーと共有されます。

DNSセキュリティーが必要な理由
世界は、今、大きなリスクにさらされています。2019年までにサイバー犯罪によるグローバル経済の損失額が2兆ドルを超えることが予想されています。サイバー犯罪者は、さまざまなツールや手法を用いて本物の企業を装った非常に精巧なWebサイトを作成しています。これらのWebサイトの中には、誰もが知っている全国チェーンや地域の小売店と似た名称を語るものさえあります。しかしながらIPアドレスが異なるため実際は偽物なのですが、大半のユーザーはIPアドレスが異なることに簡単には気づきません。

2025年までに家庭や企業のインターネット接続デバイス(またはIoTデバイス)の台数が800億台になることが予想されており、その事実がこの問題をより複雑なものにしています。さまざまなソフトウェアの脆弱性や構成ミスが発見される中で、ユーザーがこれらのデバイスの保護や更新を行うことが難しくなっているのです。

家庭や企業のネットワークにおいて、ルーターまたはゲートウェイ・レベルでQuad9を使用することで、IoTデバイスの保護レベルを向上させることができます。有害であることが確認されているリモート・ホストや、2016年後半に数百万台のIoTデバイスに感染したMiraiなどのIoTボットネットにこれらのスマート・デバイスがアクセスできないようにブロックすることもできます。

また、全世界で、セキュリティーやプライバシーに関する新たな規制も次々と設けられています。ヨーロッパでは、市民の個人データやプライバシーの保護を目的とした一連の包括的な規制となる一般データ保護規則(GDPR)が2018年5月に施行される予定です。Quad9では、GDPRのような取り組みを考慮して、データ・プライバシーに重点が置かれています。

Quad9の使用法
利用者や企業は、4つの簡単なステップで、デバイスやネットワークに脅威をもたらすWebサイトをQuad9でフィルターできます。個人または企業は、コンピューター、ルーター、またはネットワーク・デバイスからこのDNSサービス (英語)を使用して、DNSの要求を解決し、ドメイン・ブロック保護機能を利用することができます。

Quad9の設定は、簡単な構成の変更によって行うことができます。中央のDHCPサーバー(ルーターまたはWi-Fiアクセス・ポイント)でDNS設定を変更するだけで、エンド・デバイスで何もしなくても、すべてのクライアントが数分で更新されるため、大半の組織または家庭ユーザーは数分で更新を完了できます。

デバイスやルーターのDNS設定を変更して9.9.9.9を指定するだけで、すぐにQuad9の使用を開始できます。

Quad9では、Mac OSおよびWindows向けの4つの簡単なステップが用意されています。

Quad9の起源
Quad9は、GCA(Global Cyber Alliance)のアイデアが基になって生まれたものです。その目的は、DNSサービスを活用し、包括的な脅威インテリジェンス・フィードを提供することで、全世界のエンド・ユーザーに対してセキュリティーを実現することでした。 

このアイデアによって、以下の3つの組織のコラボレーションが実現しています。 

  • GCA:システム開発機能を提供し、脅威インテリジェンス・コミュニティーを編成
  • PCH:Quad9のネットワーク・インフラストラクチャーを提供
  • IBM:IBM X-Forceの脅威インテリジェンス、および覚えやすいIPアドレス(9.9.9.9)を提供

Quad9パートナーの声
Global Cyber Allianceの会長兼CEOであるフィリップ・ライティンガー(Philip Reitinger)氏は次のように述べています。「DNSを通じたブロッキングで攻撃から保護するというやり方は以前からありましたが、広く利用されてはいません。状況を把握している企業であれば、多数の脅威フィードをサブスクライブして、DNSを通じて脅威フィードをブロックしたり、そうしたサービスに対して商業プロバイダーに支払ったりすることができます。しかし、中小規模の企業や消費者は取り残されている状態です。リソースが足りなかったり、DNSで何ができるのかを理解していなかったり、プライバシーや機密情報の漏えいを懸念したりしているためです。Quad9はこうした問題を解決してくれます。覚えやすく、使いやすく、すぐれた幅広い脅威情報に依存し、プライバシーやセキュリティーを保護する、無償の製品です」

Packet Clearing Houseのエグゼクティブ・ディレクターのビル・ウッドコック(Bill Woodcock)氏は次のように述べています。「PCHは、当社のグローバル・ネットワークとインフラストラクチャーを活用するシステムを許可することで、Quad9に参加できることをうれしく思います。遠方にあるデータセンターに対するテクノロジーの現地展開を通じて、Quad9はエンド・ユーザー・エクスペリエンス全体およびインターネット取引の性能を大幅に改善できます。当社はQuad9がエンド・ユーザーのプライバシーにもたらす価値をサポートします。実施している個人情報の保護と選択可能なDNS暗号化、DNSSEC、およびブロックリストは、このプロジェクトがPCHの価値に一致していることを証明するものです。Quad9は、プライベート・ブラウジング・データを保護することの重要性を理解している個人や企業の信頼を生みます」

IBMセキュリティーの戦略およびオファリング管理担当バイス・プレジデントのジム・ブレナン(Jim Brennan)は次のように述べています。「脅威インテリジェンスを活用することは、サイバー犯罪者の一歩先を行く重要な方法のひとつです。消費者や小規模企業は昔から、セキュリティー企業が大企業を保護するために使用しているインテリジェンスへの無償の直接アクセスがありませんでした。当社はQuad9を用いて、素直な方法で業界のために機能するよう当該データを利用し、ユーザー・コミュニティーを介してこうした洞察をさらに向上させているところです。IBMのQuad9への関与により、当社はこれらの協業的な防護テクニックを適用すると同時に、より大きなプライバシー制御をユーザーに付与しています」

*1.11月3日から11月6日までに、1,000人の米国消費者、602人のフランス消費者、633人のドイツ消費者および611人の英国消費者を対象に4つのオンライン・サーベイを実施しました。調査の誤差の範囲については、英国が+/− 3.1%、フランス、ドイツ、英国が+/− 4.0%です。

IBMセキュリティーについて
IBMセキュリティーは、エンタープライズ・セキュリティー製品とサービスを集結した最先端と言われるポートフォリオを提供します。詳しくは、http://www.ibm.com/security (US)を参照してください。IBMのTwitterを@IBMSecurityでフォローしてください。

Packet Clearing Houseについて
Packet Clearing Houseは、インターネットの相互接続ポイントやドメイン名システムの核を含む、重要なインターネット・インフラストラクチャーに対して運用上のサポートおよびセキュリティーを提供する責任を負った国際組織です。詳しくは、http://www.pch.net (英語)を参照してください。

Global Cyber Alliance
Global Cyber Alliance(GCA)は、サイバー・リスクに対峙して、つながった世界を改善することに専念したセクターの枠を越えた国際的な取り組みです。詳しくは、
http://www.globalcyberalliance.org (英語)を参照してください。

当報道資料は、2017年11月16日(現地時間)にIBM Corporationが発表したプレスリリースの抄訳です。原文は下記URLを参照ください。
https://newsroom.ibm.com/2017-11-16-IBM-Packet-Clearing-House-and-Global-Cyber-Alliance-Collaborate-to-Protect-Businesses-and-Consumers-from-Internet-Threats (US)

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