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企業のサステナビリティー目標の推進と温室効果ガス排出量への対処を支援するIBM Cloud Carbon Calculatorを提供開始

--AI搭載ダッシュボードにより、お客様が所定の算出基準に基づいた温室効果ガス排出量データにアクセスし、クラウドの二酸化炭素排出量を管理できるよう支援
-- eコマース・プラットフォームを提供するe.tres社が、IBM Cloud Carbon Calculatorを活用して事業運営のサステナビリティー・パフォーマンスを強化し、デジタル・ショッピング体験を変革
2023年07月27日

企業のサステナビリティー目標の推進と温室効果ガス排出量への対処を支援するIBM Cloud Carbon Calculatorを提供開始

 

--AI搭載ダッシュボードにより、お客様が所定の算出基準に基づいた温室効果ガス排出量データにアクセスし、クラウドの二酸化炭素排出量を管理できるよう支援

-- eコマース・プラットフォームを提供するe.tres社が、IBM Cloud Carbon Calculatorを活用して事業運営のサステナビリティー・パフォーマンスを強化し、デジタル・ショッピング体験を変革

 

【ニューヨーク州アーモンク - 2023年7月26日(現地時間)発】

IBMは、本日、企業がクラウド・サービス全体の温室効果ガス(GHG)排出量を追跡し、ハイブリッドクラウド・マルチクラウドの活用を通じてサステナビリティー・パフォーマンスを向上できるよう支援する新しいツール「IBM Cloud Carbon Calculator」を提供開始したことを発表しました。IBM Cloud Carbon CalculatorのAI搭載ダッシュボードにより、お客様がAI、ハイパフォーマンス・コンピューティング(HPC)、金融サービスなど、IBM Cloud上でのさまざまなワークロードの排出量データにアクセスできるようになります。

 

業界を問わず、企業はハイブリッドクラウドとAIを活用したモダナイゼーションを通じて、レジリエンシー、パフォーマンス、セキュリティー、コンプライアンスを最前線に据えたデジタル・トランスフォーメーションを進めています。IBMの最近の調査によると、調査対象となった最高経営責任者(CEO)の42%が、今後3年間の最重要課題として環境の持続可能性を挙げています*1。同時に、同調査によると、CEOは生成AIを採用するプレッシャーに直面する一方で、AIで成功を収めるために必要なデータ管理も重要視しています。AIワークロードに必要なデータ処理の増加は、GHG排出量の削減を目指す組織に新たな課題をもたらす可能性があります。調査対象となったCEOの43%以上がすでに生成AIを使用した戦略的意思決定を行っており、組織は高性能ワークロードの実行とサステナビリティーを両立させる準備を整える必要があります。

 

お客様がこのような課題に対応できるよう、IBM Cloud Carbon Calculatorは、GHG排出量の増加に関連する可能性のあるデータのパターン、異常値、外れ値を迅速に発見できるように設計されています。IBM Cloud Carbon Calculatorは、IBM ResearchのテクノロジーとIntel社との協業に基づき、機械学習と高度なアルゴリズムを使用して、企業がITワークロードにおける排出量のホットスポットを発見し、排出量削減戦略に反映させるための洞察を提供します*2。 

 

IBM Cloud担当ゼネラル・マネージャーのアラン・ピーコック(Alan Peacock)は、次のように述べています。「AIトランスフォーメーション・ロードマップの一環として、企業は、クラウドとオンプレミス環境にわたって、増大するデータをどのように管理するかを検討する必要があります。投資家、規制当局、お客様から二酸化炭素排出量削減の要望が高まっている現在、これは特に重要です。IBMにとって、より持続可能な未来を創造するために環境への影響を削減することは最優先事項であり、お客様がサステナビリティーとビジネス目標の両方を達成できるよう支援することに注力しています。AIを活用したIBM Cloud Carbon Calculatorにより、お客様が自社のITワークロードに関連するGHG排出量をよりよく理解し、お客様が戦略を調整し、サステナビリティー目標を推進するための洞察を得られるよう支援します」

 

お客様は、すでにIBM Cloud Carbon Calculatorを使用してサステナビリティー目標に取り組んでいます。アルゼンチンでeコマース・プラットフォームを提供しているe.tres社は、IBM Cloud Carbon Calculatorのダッシュボードを使用してGHG排出量を測定しています。

 

e.tres社のCEOであるDiego Gorischnik氏は、次のように述べています。「消費者の買い物の仕方は変わりつつあり、e.tresは、顧客企業が高次元のサステナビリティーに裏打ちされた摩擦のないオンライン・ショッピング体験を提供できるよう支援することに注力しています。当社の革新的なeコマース・プラットフォームで顧客のデジタル・ビジネスを支援する際、当社のe3Ecoソリューションでは、サステナビリティーをすべての中心に据えています。AIを活用したIBM Cloud Carbon Calculatorによって、顧客の事業運営、テクノロジー、物流出荷に関するサステナビリティーを向上させることができ、GHG排出量の測定とオフセットにより、どのようなeコマース・ポータルでも持続可能になることができます」

 

IBM Cloud Carbon Calculator は、お客様が、IBM Cloud ワークロードに対する所定の算出基準に基づいたGHG 排出量データに、わずか数クリックでアクセスできるように設計されています。主な機能は以下の通りです。

  • 企業アカウントのクラウド・サービス・レベルまで、さまざまなワークロードの排出量を追跡:IBM Cloud上のワークロードの詳細なGHG排出量データへアクセスできるようにし、お客様がGHGプロトコルに従って、個々のクラウド・サービスやクラウドのロケーションに関連するGHG排出量を可視化し、追跡できるように設計されています。お客様はフィルターを使用して、ロケーションやさまざまなサービスの排出量プロファイルを確認することができます。これは、一般的に使用されているクラシック・サービスやクラウド・ネイティブ・インフラストラクチャー・サービスから始まり、四半期ごとにさらに多くのサービスを対象としていく予定です。
  • GHG排出のホットスポットと改善点を特定:お客様は、月別、四半期別、年度別にGHG排出量を分析することが可能で、目標に対する進捗状況を定期的に把握することができます。排出量のトレンドやパターンを把握することで、異常やホットスポットを発見することができ、得られた知見を活用して、ほぼリアルタイムで戦略を調整し、拠点間の作業負荷を最適化することで、最終的に排出量を削減することができます。
  • GHG 排出量レポート向けのデータ活用:報告書作成に必要なニーズに対応できるよう、お客様はIBM Cloud Carbon Calculatorによって生成された出力と監査証跡にアクセスできます。さらに、企業は排出量データを IBM Envizi ESG*3に統合することが可能であり、より詳細な分析や報告書作成を支援します。

 

IBM Cloud Carbon Calculatorの提供開始は、お客様がサステナビリティーへの意欲を行動に移し、よりエネルギー効率の高い未来を創造することを支援するというIBMのコミットメントにおける新たなマイルストーンとなります。IBM Cloud Carbon Calculatorは、IBM Envizi ESG SuiteIBM TurbonomicIBM Planning AnalyticsIBM LinuxONEなど、IBMの既存のサステナビリティー・ソリューション・ポートフォリオやコンサルティングの専門知識を補完するもので、組織の環境サステナビリティー目標の設定、運用、達成を支援します。

 

IBMとIntel社は、企業特有のビジネス課題を解決し、コンピュート・パフォーマンス能力を優先できるように注力しており、IBM Cloudは今年初め、Intel社の最もサステナブルなデータセンター向けプロセッサーである第4世代Intel® Xeon® スケーラブル・プロセッサーを提供する最初のクラウド・プロバイダーの1つになりました。第4世代Intel® Xeon® スケーラブル・プロセッサーは、エネルギー効率の革新と優れたパフォーマンスを提供できるように設計されており、IBM Cloudのお客様がコンピューティングに関連するGHG排出量を削減できるようにします。コンピューティングのパフォーマンスは、IBM Cloud Carbon Calculatorのダッシュボード上で追跡可能です。

 

企業がハイブリッドクラウドを採用する中、IBMクラウドとIBMリサーチはIntel社などのパートナーとの緊密な協力関係を継続し、お客様のコンピューター関連のGHG排出量を削減し、エネルギー効率を向上させることを目的としたプログラムや活動を実施する予定です。

 

IBMの将来の方向性や意図に関する記述は、予告なく変更または撤回されることがあり、目標や目的を表すものに過ぎません。

 

IBMについて

IBMは、世界をリードするハイブリッドクラウドとAI、およびコンサルティング・サービスを提供しています。世界175カ国以上のお客様の、データからの洞察の活用、ビジネス・プロセス効率化、コスト削減、そして業界における競争力向上を支援しています。金融サービス、通信、ヘルスケアなどの重要な社会インフラ領域における4,000以上の政府機関や企業が、IBMのハイブリッドクラウド・プラットフォームとRed Hat OpenShiftによって、迅速に、効率良く、かつセキュアにデジタル変革を推進しています。 IBMは、AI、量子コンピューティング、業界別のクラウド・ソリューションおよびコンサルティング・サービスなどの画期的なイノベーションを通じて、オープンで柔軟な選択肢をお客様に提供します。 これらはすべて、信頼性、透明性、責任、包括性、ならびにサービスに対するIBMのコミットメントに裏付けられています。詳細は www.ibm.com をご覧ください。 

 

当報道資料は、2023年7月26日(現地時間)にIBM Corporationが発表したプレスリリースの抄訳です。原文はこちらを参照ください。

 

IBM、IBM ロゴ、ibm.comは、世界の多くの国で登録されたInternational Business Machines Corp.の商標です。他の製品名およびサービス名等は、それぞれIBMまたは各社の商標である場合があります。現時点での IBM の商標リストについては、https://www.ibm.com/legal/copytrade.shtml(US)をご覧ください。

 

*1:IBM Institute for Business Value「CEO decision-making in the age of AI - ACT with intention」(2023年6月)

*2: IBM Cloud Carbon Calculatorが提供する出力は情報提供のみを目的として「現状のまま」提供され、お客様の IBM クラウド・アカウントでお客様が展開するクラウド・サービスに関する情報に基づいています。出力は、GHG プロトコル基準に従った形式で提供されます。お客様は、お客様に適用される規制義務を遵守する目的で、またはその他の目的で、IBM Cloud Carbon Calculatorの出力の正確性を確認する責任を負います。

*3: Enviziのライセンスが必要です。

 

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