ニュースリリース

IBM Z and Cloud Modernization Stackによる、z/OSおよびクラウド・アプリケーションの統一された開発者体験の構築

2023年06月22日

IBM Zアプリケーション・プラットフォーム担当 バイス・プレジデント  カラ・トッド(Kara Todd)

 

AI、メタバース、IoT、エッジ・コンピューティングといったクラウド・ベースの新たな技術トレンドは急速なペースで進化しており、数か月ごとに新しい機能が追加され、人々や組織の関わり方を根本的に変えています。企業がスケールとスピードに対応するためには、中核となるビジネス・アプリケーションをモダナイズしてイノベーションを加速させることが重要です。

 

しかし、その過程には、多くの人にとって課題があります。

 

モダナイゼーションは新しい用語ではありません。ほとんどのエグゼクティブが、モダナイゼーションを重要な優先事項として掲げています。最近のIBM Institute for Business Value (IBV)の調査によると、調査対象のエグゼクティブの83%が、アプリケーションとデータのモダナイゼーションはビジネス上の優先事項であると述べていますが、モダナイゼーションの取り組みを開始したと認めたのはわずか27%でした。また、着手した企業は、より戦略的な優先事項ではなく、営業費用や人件費といった事業運営上の目標に焦点を当てることが多いようです。また、既存の製品やサービスの改善や新しい機能の構築による成長を優先している回答者は、わずか45%にとどまっています。

 

IBM IBVの調査によると、アプリケーション・モダナイゼーションは、ハイブリッドクラウドに対応した変革の中核をなすもので、エンドツーエンドの企業改革として編成された場合、クラウド投資による収益効果を最大13倍まで高めることができるとしています。

 

ハイブリッド・マルチクラウドの世界では統一されたアプローチが重要

2021年のIBM IBVの調査では、調査対象のエグゼクティブは、目的に応じたデジタル戦略により、メインフレームとクラウド・ベースのアプリケーションの両方の利用が拡大すると予想しており、両環境の統合と最適化を促進する企業規模の変革の必要性を指摘しています。調査対象となったメインフレームのお客様の70%は、ハイブリッドクラウドを活用して中核となるビジネス・アプリケーションの統合と有効性を向上させることを計画しており、クラウド・オーケストレーター/管理プラットフォームを使用して複数の環境のワークロードを調整する予定です。しかし、82%のエグゼクティブが、クラウドとレガシー・ベースのアプリケーションを一括管理するために必要なスキルがチームに不足しているとしています。

 

クラウドの導入を加速させようとする企業が、時に予期せぬ課題に直面することは、驚くことではありません。適切なツール、スキル、開発者体験の向上を実現することで、ビジネス・プロセスを中断させることなく、レガシー環境とモダナイズされた環境全体において、生産性と円滑なデリバリーのバランスをとることができます。

今日の典型的なフルスタック開発環境においては、複数の分散プラットフォームにいるフロントエンド・アプリケーション開発者が、z/OSベースの開発環境を使用するバックエンド・チームとやり取りする必要がある場合があります。

 

IBM Z and Cloud Modernization Stackに新機能を追加

IBM Z and Cloud Modernization Stackは、プライベート/パブリック・クラウド環境で実行されるフロントエンド・アプリケーション、z/OSで実行されるバックエンド・アプリケーション、またはその両方にかかわらず、ハイブリッドクラウド・アプリケーションに取り組む開発者に統一されたフルスタック体験を提供することができます。この一貫したエンタープライズ開発アプローチにより、すべてのアプリケーション開発者は、アプリケーションのエンドツーエンドの領域にわたって同じ業界標準のオープン・ツールを共有することができます。これは、Red Hat OpenShift Container Platform上に構築・最適化されることで実現し、お客様にクラウドネイティブ体験を活用するオプションを提供します。

 

IBMは、本日、IBM Z and Cloud Modernization Stackの機能に、以下の新機能を追加したことを発表します。

  •  z/OS PaaS体験開発者に、開発に必要な環境とソフトウェアを、個人のサンドボックスにプロビジョニングするためのセルフサービス体験を提供します。自動化されたクラウドネイティブなアプローチにより、カスタムz/OS開発環境を構築することができます。IBMが提供する機能を使用して、開発用の複雑なz/OS環境を迅速に再現することができます。新たに、公開されているオープンソースのOperator Collection SDKと仕様を使用して、これらの機能を独自の自動化で拡張する機能が利用可能となり、Red Hat OpenShift Container Platformとz/OSをつなぐ独自のオペレーターを構築するためのリソースとツールを提供します。
  • セキュリティーで保護されたオープンで標準ベースのAPIを作成:IBM Cloud または IBM の業界パートナーが提供するクラウド上で、 Open API 仕様を使用した業界標準 API を通じて、IBM zSystems アプリケーションとデータへの安全なアクセスを効率的に提供します。数分でAPIを作成・利用するための包括的でアジャイルな開発環境を提供します。z/OS Connect をベースに、IBM zSystemsプラットフォームの強みを活かしながら、IBM Cloud Pak for Integration のようなエンタープライズ API 管理ソリューションとの統合を提供し、ビジネスに不可欠な API を拡張します。
  • アプリケーション開発とデプロイ向けのクラウドネイティブな経験:z/OSアプリケーション開発およびモダナイズにクラウドネイティブ・アプローチを提供し、開発者の生産性を高めるためのスピードとアジリティーを向上します。既存のCOBOL、PL/I、Java、Assemblerプログラムを効率的に変更するだけでなく、Python、Node.js、Goなどの新しいプログラミング言語も活用できます。標準的な(Git)企業全体のCI/CDツール・チェーンや、パートナーのDevOpsプラットフォームとシームレスに統合することができます。新しい IBM Wazi Deploy を使用して、Ansible または Python スクリプトを使用して変更したアプリケーションを、z/OS PaaS 体験の一部として作成した Sandbox テスト環境にデプロイします。その後、準備が整った後に本番環境にデプロイします。
  • 迅速なアプリケーション解析:  コード変更を迅速に分析することで、アプリケーション変更のリスクを軽減し、お客様が開始する前に依存関係を把握できるようにします。可視化機能を活用することで、依存関係を簡単に共有し、理解することができます。

 

ハイブリッドクラウドでアプリケーション・モダナイゼーションの利点を最大限に活用するためには、開発者の生産性を最高レベルに高めることが重要です。お客様の最も重要な課題は、モバイル・フロントエンドからセキュリティーで保護されたスケーラブルなバックエンドまで、統一された開発体験を提供し、スピードと一貫性を確保するために必要なスキルを提供することです。 

 

IBM Z and Cloud Modernization Stack は、z/OS とクラウド・アプリケーションに必要な統合開発者体験を提供し、あらゆるアプリケーションのニーズに対して開発者の生産性と俊敏性を最大化できるよう支援します。

 

IBM Z and Cloud Modernization Stackのアップデートされた機能の詳細については、以下をご参照ください:

 

当報道資料は、2023年6月20日(現地時間)にIBM Corporationが発表したブログの抄訳です。原文はこちらをご参照ください。

 

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