ニュースリリース
東京大学と日本IBM、127量子ビットのプロセッサーを搭載した量子コンピューターの導入に合意
国立大学法人東京大学
日本アイ・ビー・エム株式会社
国立大学法人東京大学(以下 東京大学)とIBMは、本日、127量子ビットのプロセッサーを搭載した量子コンピューター「IBM Quantum System One with Eagleプロセッサー」を、本年中に「新川崎・創造のもり かわさき新産業創造センター(以下、KBIC)」にて稼働開始予定であることを発表しました。
東京大学とIBMは、2021年7月より、クラウド経由で利用可能な日本初の量子コンピューター「IBM Quantum System One」をKBICにて稼働開始しました。IBM Quantum System Oneの専有使用権を有し、アクセスを提供する東京大学は、量子イノベーションイニシアティブ協議会(QII)※に参画する様々な企業、公的団体や大学等研究機関とともに量子コンピューターの利活用に関する研究を進めており、数多くの学術論文を発表するなどの成果をあげています。
この度、東京大学とIBMは、127量子ビットのEagleプロセッサーを搭載したIBM Quantum System OneをKBICに設置することに合意しました。このIBM Quantum System Oneについても、東京大学は、QIIに参画する様々な企業、公的団体や大学等研究機関とともに専有利用する予定です。この127量子ビットのプロセッサーを搭載した量子コンピューターは、現在北米でのみ稼働しており、北米以外での稼働開始は日本が初となります。
100超の量子ビットを備えた量子コンピューターが稼働することにより、日本における量子コンピューターの研究および産業革新が加速し、古典的コンピューターだけよりも量子コンピューターも組み合わせて利用するほうが、ビジネスや科学に関連する計算課題をより効率的に、費用対効果が高く、正確に実行できるようになる「Quantum Advantage」の目標達成がますます近くなることが期待されています。
東京大学 理事・副学長の相原 博昭は、次のように述べています。「日本国内に設置する127 量子ビットのプロセッサーを搭載した量子コンピューターを専有利用することにより、これから来るであろう量子コンピューター時代に向けて、アプリケーション開発でも日本の研究者が世界をリードして広く社会実装を加速させ、人類共通の歴史的な課題にも積極的に取り組み、多様性と希望のある未来社会に広く貢献していくことを目指します」
日本IBM 代表取締役社長執行役員の山口 明夫は、次のように述べています。「127 量子ビットのプロセッサーを日本国内にいち早く導入し、東京大学を通じて日本の産業界、研究者の皆様にご活用いただけるようになる事を嬉しく思います。IBMは、量子コンピューターが世の中に価値を提供できるよう、引き続き量子コンピューターへの戦略的投資を続けてまいります」
東京大学とIBMは、IBM Quantum System One with Eagleプロセッサーの年内の稼働開始に向けた準備を進めるとともに、今後も量子コンピューターの更なる発展を目指し、さまざまな形での連携を推進していきます。
※量子イノベーションイニシアティブ協議会(QII)は量子コンピューターの社会実装を世界に先駆けて実現するため、当該技術に関わる産学官の協力を促進し、相互の情報交換を密にすることをもって、我が国全体のレベルアップと実現の加速化を図ることを目的として設立したコンソーシアムです。(https://qii.jp/)
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