ニュースリリース

IBM、IBM z16およびLinuxONE 4に新たにシングル・フレーム・モデルとラック・マウント・モデルを追加し、データセンターにおける柔軟性、サステナビリティー、セキュリティーを強化

IBM z16とIBM LinuxONE Rockhopper 4の新モデルは、多様なIT環境のデジタル・トランスフォーメーションをサポートする、最新かつ柔軟なハイブリッドクラウド・プラットフォームを提供できるように設計
Linuxワークロードを、条件や設置場所が類似する比較対象のx86サーバーで実行する代わりにIBM LinuxONE Rockhopper 4に統合することで、エネルギー消費量を75%、設置面積を67%削減し、お客様のサステナビリティー目標の達成を支援**1
2023年04月 4日

[米国ニューヨーク州アーモンク-2023年4月4日(現地時間)発]

IBMは本日、IBM z16IBM LinuxONE 4の新しいシングル・フレーム・モデルおよびラック・マウント・モデルを発表し、より幅広いデータセンター環境にその機能を拡張しました。IBM Telumプロセッサーをベースにした新モデルは、高効率なデータセンターの実現に向け、サステナビリティーを念頭に置いて設計されており、デジタル化された経済と継続的な世界的不確実性にお客様が適応できるよう支援します。

2022年4月に発売されたIBM z16マルチ・フレーム・モデルは、大規模なトランザクション処理中のリアルタイムAI推論と耐量子暗号で業界の変革を支援してきました。2022年9月に提供開始されたIBM LinuxONE Emperor 4は、お客様が必要とする拡張性、パフォーマンス、セキュリティーを提供しながら、エネルギー消費量およびデータセンターの設置面積削減を実現しています。新しいシングル・フレームおよびラック・マウント・モデルは、お客様のインフラストラクチャーの選択肢を広げるとともに、設置面積、サステナビリティー、標準化が最も重要なデータセンター環境に、これらの利点を提供します。

 

IBM zSystemsおよびLinuxONEのゼネラル・マネージャーであるロス・マウリ(Ross Mauri)は、次のように述べています。「IBMは、常に変化する市場が生み出す嵐をお客様が乗り切れるよう、イノベーションの最前線に立ち続けます。お客様の既存インフラへの投資を保護すると同時に、AIや耐量子暗号技術を活用してお客様がイノベーションを生み出せるよう支援します。今回発表した新モデルにより、あらゆる規模の企業がIBM z16LinuxONE Rockhopper 4を分散型インフラストラクチャーとシームレスに同居させ、それらの環境で優れた機能を活用できるようになります」

 

新たなユースケースの実現に向け、今日の変化するIT環境に対応した設計を採用

あらゆる業界の組織は、統合されたデジタル・サービスを提供するために、増加し続ける課題のバランスを取ろうとしています。最近のレポート「IBM Transformation Index: State of Cloud」によると、調査対象の中では、ハイブリッドクラウドでワークロードを統合する際の課題として、セキュリティー、複雑な環境の管理、規制遵守が挙げられています。これらの課題は、より厳しい環境規制や継続的なコスト上昇によってさらに深刻化する可能性があります。

 

Evolving Solutions社の社長であるボウ・ゲビー(Bo Gebbie)氏は、次のように述べています。「ハイブリッドクラウド環境でIBM z16プラットフォームを活用することで、非常に大きな価値を見出すことができました。これらの非常に安全性の高いシステムを大容量のトランザクション・ワークロードに活用し、クラウドネイティブ・テクノロジーを組み合わせることで、当社のビジネスおよび顧客のビジネス双方においてより高いレベルの俊敏性とコストの最適化を実現しました」

 

IBM z16およびLinuxONE 4の新モデルは、最新のデータセンター向けに構築されており、柔軟性とサステナビリティーを最適化できるよう、パーティション・レベルの電力監視や追加の環境指標といった機能を備えています。例えば、Linux ワークロードを、条件や設置場所が類似する比較対象の x86 サーバーで実行する代わりに、IBM LinuxONE Rockhopper 4 に統合すると、エネルギー消費量を75%、設置面積を67%削減可能です*1。今回の新モデルは、IBM の特長であるセキュリティーやトランザクション処理をスケールアップして提供できるように設計されています。

 

新しいラック・マウント・モデルは、IBM z16の全てのモデルと同じ社内基準で設計、テストされ*2、お客様が所有する標準の19インチ・ラックおよび配電ユニットで使用できるように設計されています。分散環境において、1つのラックに他のサーバーやストレージ、SAN、スイッチと共に設置可能となり、AIモデルのトレーニングなどの複雑なコンピューティング向けに、コロケーションとレイテンシーの両方を最適化するよう設計されています。

 

これらの構成をデータセンターに設置することで、以下のような新しいユースケースを創出することが可能になります:

  • サステナブルな設計:データセンターの電源と冷却を共通化することで、ホット・アイルやコールド・アイルの熱管理データセンター構成への統合を容易にします
  • AIソリューションの最適化:オンチップAI推論と最新のIBM z/OS 3.1により、ラック・マウント、シングル・フレーム、マルチ・フレーム構成に関わらず、お客様はデータが存在する場所のごく近くでAIモデルを訓練または展開することができ、AIの最適化が可能になります
  • データ・プライバシー:ラック・マウントの効率を最適化したローカル・データセンターを通じてローカル・トランザクションをルーティングし、データ・ロケーションに関するコンプライアンスやガバナンスの規制が厳しい業界のデータ主権を支援します
  • エッジ・コンピューティング:製造現場の周辺やヘルスケア機器、エッジ・デバイスといった限られたラック・スペースで、より効率的なラック利用が可能になります

 

業界最高水準のシステムでデータを保護*3

ヘルスケア、金融サービス、政府、保険といった社会インフラを支える業界にとって、安全で可用性の高いIT環境は、顧客に高品質なサービスを提供するための重要な鍵です。IBM z16とLinuxONE 4は、業界最高レベルの信頼性、 99.99999%の可用性を提供できるように設計されており、ハイブリッドクラウド戦略の一環としてミッションクリティカルなワークロード を処理します。企業が、銀行口座や医療記録、個人データへ消費者がアクセスすることを維持するうえで、このような高いレベルの可用性が役立っています。新たな脅威には保護が必要です。新モデルは、コンフィデンシャル・コンピューティング、集中鍵管理、耐量子暗号などのセキュリティー機能を提供することで、今データを盗み、将来的に解読を試みるといった計画を立てる悪質な脅威アクターを阻止します。

 

IDCのWWリサーチ担当SVPであるマット・イーストウッド(Matt Eastwood)氏は、次のように述べています。「IBM z16およびLinuxONEは、セキュリティー、レジリエンシー、大規模なトランザクション処理で知られています。シングル・フレーム・モデルとラック・マウント・モデルにより、IBMの顧客は新しい環境でも同じレベルのセキュリティーやレジリエンシー基準を有することができるようになり、データセンターにおける柔軟性の確保につながります。重要なことは、IBM zSystems と LinuxONE の機能を既存のフットプリントに統合することで、より多くの顧客にアプローチできるようになるパートナーにとっても、より多くのビジネス機会が開かれることです」

 

zSystems ISV パートナーの IBM エコシステムとともに、IBM はコンプライアンスとサイバーセキュリティーへの対応に取り組んでいます。データ・サービング、コア・バンキング、デジタル資産のワークロードを実行するお客様にとって、機密性の高い個人データと既存のテクノロジー投資を保護するうえで、最適なコンプライアンスとセキュリティー態勢が重要です。

 

Analycat社のディレクターであるアディ・ハザン(Adi Hazan) 氏は、次のように述べています。「高い処理速度とAIは、組織を前進させるために重要な要素です。IBM zSystemsとLinuxONEは、当社が新しい顧客やユースケース、ビジネス価値に対応するために必要であった、セキュリティー機能と性能を備えました。このプラットフォーム上における当社のAIのネイティブ・スピードは素晴らしいものであり、大規模なワークロードを持つ当社の顧客にIBM LinuxONEを紹介し、統合して企業のサステナビリティー目標を達成したいと思います」

 

IBMビジネス・パートナーは、シングル・フレーム・モデルおよびラック・マウント・モデルのインストール、デプロイ、サービス、再販に必要なスキルについて、こちらのブログ で確認できます。

 

補完的テクノロジー・ライフサイクル・サービスの強化

また、 新しいIBM LinuxONE Rockhopper 4向けに、IBM LinuxONE Expert Careを提供します。IBM Expert Careは、ハードウェアとソフトウェアのサポート・サービスを統合してプリ・パッケージ化し、段階的なサポート・モデルにすることで、組織が適切なサービスを選択できるようにするものです。新しいLinuxONE Rockhopper 4向けのサポートの提供開始により、予測可能なメンテナンス・コスト、導入・運用リスクの低減など、お客様に対してより高い価値を提供します。

 

IBM z16およびLinuxONE 4のシングル・フレーム・モデルおよびラックマウント・モデルは、IBMおよび認定ビジネス・パートナーから、2023年5月17日より提供開始される予定です。その他の関連情報は以下をご参照ください:

  • 4月4日午前10時(米国東部時間)より、新しいIBM z16シングル・フレーム・モデルおよびラック・マウント・モデルの舞台裏をご紹介するオンライン・イベントを開催します(英語)
  • 4月17日午前10時(米国東部時間)より、IBM LinuxONEシングル・フレーム・モデルおよびラック・マウント・モデルに関するオンライン・イベントを開催し、サステナビリティーやサイバーセキュリティーなどの業界トレンドについてご紹介します(英語)。
  • データの価値を拡張し、AIとインテリジェント・オートメーションによるデジタル・トランスフォーメーションを推進するために設計されたz/OS最新バージョンのプレビューはこちらをご参照ください。

 

当報道資料は、2023年4月4日(現地時間)にIBM Corporationが公開したプレスリリースの抄訳に日本独自の発表内容を加えたものです。原文はこちら (英語) を参照ください。
 

IBM、IBM ロゴ、ibm.com、IBM Telum、IBM Z、IBM zSystems、z/OSは、世界の多くの国で登録されたInternational Business Machines Corp.の商標です。他の製品名およびサービス名等は、それぞれIBMまたは各社の商標である場合があります。現時点での IBM の商標リストについては、http://www.ibm.com/legal/copytrade.shtml (US)をご覧ください。


 

*1:免責事項:CPCドロワーとI/Oドロワーで構成され、1フレームに68個のIFLと7TBのメモリーを搭載したネットワークと外部ストレージをサポートするIBM Machine Type 3932 Max 68モデルと、36台のx86サーバー(Skylake Xeon Goldチップ、40コア)、合計1440コアの比較を行った場合。IBM Machine Type 3932 Max 68モデルの消費電力はシステム上で測定され、IBM Machine Type 3932 Max 68モデル構成のIBM Power estimatorを使用して確認。x86の電力値は、2023年2月のIDC QPI電力値に基づき、IBMによるx86サーバーの測定値と現場での観察値に基づいて55%に削減。比較したx86サーバーは、IDC QPIシステムワット値の55%である約0.6083 KWhrを使用。Worldwide Data Center Power Utilization Effectiveness(PUE)係数を1.55と仮定し、冷却に必要な追加電力を算出。PUEは、Uptime Institute 2022 Global Data Center Survey (https://uptimeinstitute.com/resources/research-and-reports/uptime-institute-global-data-center-survey-results-2022)に基づく。x86システムのスペースの計算には3ラックが必要。結果は、お客様固有の使用状況や場所によって異なる場合があります。

 

*2: 免責事項: すべてのIBM z16ラック・マウント・コンポーネントは、従来のIBM z16シングル・フレーム・コンポーネントと同じプロセス要件でテストされています。包括的なテストには、幅広い電圧、周波数、温度テストが含まれます。

 

*3:出典:Information Technology Intelligence Consulting Corp. (ITIC)による「2022 Global Server Hardware, Server OS Reliability Survey」(https://www.ibm.com/downloads/cas/BGARGJRZ

 

 

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