ニュースリリース

米国民間病院であるクリーブランド・クリニックとIBM、 IBM Quantum System Oneの導入を開始

ヘルスケアとライフサイエンス領域における、発見を加速することを目指した 10年間のパートナーシップにおける重要なマイルストーンを発表
2022年10月31日

2022年10月31日

 

[米国ニューヨーク州アーモンク&オハイオ州クリーブランド-2022年10月18日(現地時間)発]クリーブランド・クリニックIBMは、米国における初の民間企業へのIBMの量子コンピューターの導入を開始しました。IBMの量子システムは、オハイオ州クリーブランドにあるクリーブランド・クリニックのメインキャンパスに設置される予定です。

 

2023年始めに完成予定の医療分野初の量子コンピューターは、ハイパフォーマンス・コンピューティングを活用し、生物医学領域の研究を抜本的に前進させることを目指している両組織による、10年にわたるパートナーシップの重要な部分となります。2021年に発表されたクリーブランド・クリニック-IBM Discovery Acceleratorは、クリーブランド・クリニックの医療に関する専門知識と、量子コンピューターにおけるリーダーシップを含むIBMの技術に関する専門知識を組み合わせた共同センターです。

 

クリーブランド・クリニックの最高研究情報責任者であるララ・ジェヒ医学博士(Lara Jehi. M.D.,)は次のように述べています。「現在の科学的発見のスピードは受け入れがたいほど遅く、一方で私たちの研究ニーズは指数関数的に増加しています。研究室でのアイデアが治療法として市場に出るまで、10年以上の時間を費やす余裕はないのです。量子力学は、特に創薬と機械学習において、こうした研究開発のスピードを一変させる未来をもたらします」

 

IBM Research - Cleveland Clinic Partnershipのディレクターであるルオイ・チョウ博士(Dr. Ruoyi Zhou)は次のように述べています。「私たちが科学的問題を解決する手法や方法の大きな変化が、目前に迫っています。IBMでは、量子コンピューティング、AI、ハイブリッドクラウドの技術を活用しながら、クリーブランド・クリニックやその他の組織とともに永続的な発見を生み出すコミュニティーを作ることで、ヘルスケアとライフサイエンスにおける発見を加速する新しい時代を開くために、これまで以上に意欲的に取り組んでいます」

 

クリーブランド・クリニックのDiscovery Acceleratorは、IBMの最新のハイパフォーマンス・コンピューティングのさまざまな進歩に、以下のように対応しています。

  • Generative Toolkit for Scientific Discovery:AIを搭載した、この技術、およびAIを搭載活用した、その他の生成的モデリング機能を活用して、知識のギャップを推測して仮説を立て、最終的には治療薬やバイオマーカー発見探索における研究プロセスのスピードアップを目指します。
  • RXN:AIモデルとロボット・ラボを直接制御する機能が組み合わさったこのクラウド・ベースのプラットフォームでは、新しい化学物質をエンドツーエンドで設計および合成することができます。
  • Deep Search:この次世代AIツールを使用して、構造化および非構造化された大量の技術文献から知見を導き出すことができます。
  • ハイパフォーマンス・ハイブリッドクラウド・コンピューティング技術:この技術により、研究者のワークロードをクラウドに「バースト」させ、必要なリソースに大規模にアクセスできるようにします。

 

Discovery Acceleratorはクリーブランドにあるイノベーション特区の一部である、クリーブランドクリニックの病原体研究&ヒューマンヘルス・グローバルセンターの技術基盤としての役割も担っています。このセンターは、オハイオ州、Jobs Ohioおよびクリーブランド・クリニックからの5億ドルの投資によって支えられており、新興の病原体やウイルス関連疾患の研究、準備、防御に焦点を当てたチームを集結させています。Discovery Acceleratorを通じて、研究者は高度な計算技術を活用し、治療法やワクチンに関する重要な研究を加速しています。

 

両チームはすでに、この新しい計算能力を活用した共同プロジェクトを複数開始しています。Discovery Acceleratorのプロジェクトには、特定のタンパク質を標的とした薬剤のスクリーニングと最適化を行う量子コンピューティング手法を開発する研究、非心臓手術後の心血管リスク予測モデルの改良、AIを用いたゲノム解読結果と大規模な薬剤標的データベースの検索によりアルツハイマー病やその他の疾患の患者を救う有効な既存の薬剤を発見する研究などが含まれます。

 

この協力関係の重要な部分は、将来の担い手を教育し、経済を成長させるための雇用を創出することに重点を置いていることです。高校生からプロフェッショナル・レベルまでの参加者を対象に、データサイエンス、機械学習、量子コンピューティングに関するトレーニングや認定プログラムを提供し、将来の最先端計算機研究に必要な熟練した担い手を育成する革新的な教育カリキュラムが設計されています。

 

クリーブランド・クリニックについて
クリーブランド・クリニックは、臨床および病院での治療と研究および教育を統合した非営利の総合大学医療センターです。オハイオ州クリーブランドにあるこのセンターは、協力、思いやり、イノベーションの原則に基づき、優れた患者ケアを提供するというビジョンを持って1921年に4人の高名な医師によって設立されました。クリーブランド・クリニックは、冠動脈バイパス手術や米国初の顔面移植など、数多くの医学の飛躍的進歩をもたらしたパイオニアです。U.S. News & World Reportが毎年実施する「America's Best Hospitals」調査で、Cleveland Clinicは常に全米最高の病院の1つに選ばれています。全世界にいる72,500人のCleveland Clinicの従業員のうち、給与を受け取っている医師と研究者は5,050人以上、正看護師と高度実践医療従事者(APP)は17,800人いますが、彼らは140の医療専門家および副専門家を代表しています。クリーブランド・クリニックは、クリーブランドのダウンタウン近くにある173エーカーのメインキャンパス、22の病院、220を超える外来施設を含む6,500床の医療施設のほか、オハイオ州北東部、フロリダ州南東部、ネバダ州ラスベガス、カナダのトロント、UAEのアブダビ、英国のロンドンに拠点があります。2021年には、クリーブランド・クリニックの医療施設全体で、総外来患者数は1020万人、入院・観察件数は304,000件、手術件数は259,000件となりました。米国のあるゆる州および185カ国から、治療のために患者が訪れています。クリーブランド・クリニックに関する詳しい情報は、clevelandclinic.orgををご参照ください。また、Twitterアカウントはtwitter.com/ClevelandClinicです。最新情報や各種資料は、newsroom.clevelandclinic.orgをご参照ください。
 

IBM Quantum Computingについて
詳細は、https://www.ibm.com/jp-ja/quantum-computingをご覧ください。


当報道資料は、2022年10月18日(現地時間)にIBM Corporationが発表したプレスリリースの抄訳の一部をもとにしています。原文は下記URLを参照ください。
https://newsroom.ibm.com/2022-10-18-Cleveland-Clinic-and-IBM-Begin-Installation-of-IBM-Quantum-System-One
 

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https://jp.newsroom.ibm.com/2021-04-09-Cleveland-Clinic-and-IBM-Announce-Breakthrough-10-Year-Alliance-to-Accelerate-Discovery-in-Healthcare-and-Life-Sciences


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