ニュースリリース

CIOスタディ 2021「CIO革命:障壁を打ち破り、価値を生み出す」日本語版を公開

テクノロジーの浸透により事業戦略や業務に対するCIOの影響力が拡大
2022年02月17日

2022年2月17日

 

日本アイ・ビー・エム株式会社(以下、日本IBM、本社 東京都中央区、代表取締役社長 山口 明夫)は、IBM Institute for Business Value(IBV)が実施した最新の調査「経営層スタディ・シリーズ:CIO スタディ 2021」の日本語版を公開しました。本調査によると、調査対象企業において、テクノロジーが浸透すればするほど、事業戦略や業務に対する最高情報責任者(CIO)の影響力が拡大していることが明らかになりました。例えば、調査対象の最高経営責任者(CEO)に対し、他の経営層の中で今後数年間で最も重要になると思われるポジションを尋ねたところ、CIOと最高技術責任者(CTO)を挙げたCEOの割合は、最高財務責任者(CFO)と最高執行責任者(COO)を除く他の役職と比べ、2倍以上になりました。

 

 

本調査では、世界45の国や地域のCIOやCTOなどのCxO(経営層)レベルのテクノロジー・リーダー5,000名を対象に調査を実施しました。CIOが直面している重要な課題の概要に加えて、それらの課題を克服し、組織のアジリティー、イノベーション、そして成長を促進するために役立つ推奨事項を明らかにしています。

 

   「経営層スタディ・シリーズ:CIO スタディ 2021」 日本語版のダウンロードはこちら

 

CIOAI、ハイブリッドクラウド、サステナビリティーを重視しながらデジタル・トランスフォーメーションをリード

CIOは、日々の業務を支えるITサービスの提供に加え、イノベーションやビジネスの成長を推進する役割を果たすことも期待されています。

 

調査対象のCIOの多くは、組織の縦割りを打破し、新しいバリュー・ストリームを創出するためには、データと自動化が重要な鍵になると回答しています。調査対象のCIOのうち、AIを活用したワークフローの成熟度が向上したと答えた人数は、2019年と比べて560%増加し、また、CIOの37%は組織に良い影響をもたらす最大の機会としてプロセスの自動化をあげています。自動化を最も多く利用している部門はIT、財務、製造で、それぞれの部署の業務が自動化されている割合はITが40%、財務が35%、製造が35%でした。

 

ハイブリッドクラウドは、AIを活用したインテリジェント・ワークフローを支える重要な基盤です。本調査によると、ハイブリッドクラウド運用の成熟度が向上したと回答したCIOの人数は、2019年と比べて700%増加しました。

IBM CIO Study 2021.png

IBVが最近実施したクラウド・トランスフォーメーションに関する調査*では、ハイブリッドクラウドがITアーキテクチャーの主流になりつつあることに関し、さらに詳しい知見が得られています。

 

また、多くのCIOは、サステナビリティーなどの企業目標に対する取り組みを、テクノロジーを活用して推進することを目指しています。調査対象のCIOの42%は、今後3年間でテクノロジーが最も影響を与える分野として、サステナビリティーをあげました。

 

   *「クラウドの次なる飛躍」 日本語版のダウンロードはこちら

 

CIOCTOは、ビジネス価値を追求する上で互いに行き違いが生じる場合も

多くのCIOは、他のビジネス部門との橋渡し役を務めることが増えています。アジリティーと効率性を高める目的で、テクノロジーのリソースと能力をバランスよく再編成する役割を担っています。しかし、テクノロジー部門内では、効果的なコラボレーションは財務的な利益につながるという事実があるにもかかわらず、CTOと頻繁に接していると回答したCIOの割合は10人中4人にとどまりました。

 

この断絶は、重大な影響をもたらす可能性があります。CIOとCTOが文化、プロセス、ツールを超えた調整を図ることなく、異なるユース・ケースでデータとAIを利用している場合、その組織は全社的な視野と重要なデータを適切に管理する能力を欠いていると考えられます。

 

CIOは、現在のハイブリッドな形態の職場における課題を過小評価している可能性

調査対象のCIOの83%はリモートワーク戦略を実行していると回答していますが、新型コロナウイルス感染症のパンデミックに伴うリモートワークへの移行が恒久的なものになると予想したCIOは23%にとどまりました。

 

一方、調査対象の従業員のほぼ3人中2人(65%)は、選べるのであれば、リモートワークのみ、またはハイブリッド・モデルで働きたいと回答しています。

 

これらの調査結果によると、柔軟なスケジュールや勤務地を希望する従業員の意向、それはCIOにとって盲点となる可能性があります。今の「大量退職時代」においては、従業員の目から見て効果的なテクノロジーやアプリケーションと生産性が高いコラボレーション戦略をCIOが導入できるかどうかが、人財獲得競争で大きな優位をもたらす可能性があります。

 

CIOに期待される3つの職責と行動指標

CIO の担う役割は業界や組織によってさまざまであり、その責任の範囲や、部門の規模、成熟度、経営層の権限、また企業戦略の確実性によっても変わります。CIO が他の経営層と比較して、自らの職務をより明確に把握できるように、IBVではCIO のタイプを「部門横断的なファシリテーター」「クリティカル・オペレーター」「ビジョナリー・ビルダー」の3つに区分しました。

 

また、今後CIOが担う役割やCIOとCTOの役割分担にフォーカスし、職責にかかわらずすべてのCIOに適応可能な以下の行動指標を提言しています。

  • 組織における自らのポジションを確保し、テクノロジー・リーダーとしての影響力を高める
  • 複雑な課題に正面から取り組み、独自の能力を最大限に発揮して価値の向上を目指す
  • フォース・マルチプライヤー(force-multiplier:力を増強させる存在)になり、最新テクノロジーやインテリジェントなプロセス、および大胆な人財登用によって、ダイナミズムを生み出す

 

本レポートの日本語版を監修したIBMコンサルティング事業本部のスワガー恵理は、日本国内のリーダーに向けて強調してお伝えしたい点について、次のように述べています。「CIO やCTOといったテクノロジー・リーダーは、もはや情報テクノロジーを扱う役職にとどまっていない、あるいはとどまるべきではなく、自社が選択した市場で圧倒的なポジションを取るにはどうすべきかを考えることが求められています。また、テクノロジー・リーダーはトラブルに迅速に対応するのと同時に、時代を先取りせねばならない、という点も重要です。問題の解決にどのようなテクノロジーを応用するかだけでなく、新しいテクノロジーがどのような世界を形成し、それが自社にとってどのような意味を持つのかを考え、さらにそれを全社戦略にインプットできるのはテクノロジー・リーダーしかいません」

 

調査方法
今回の調査は、IBM Institute for Business Value(IBV)がOxford Economics社と協力し、世界45の国や地域で29 業界に及ぶ2,500 名のCIOと2,500名のCTOを対象に行いました。本調査の全内容は、https://www.ibm.com/thought-leadership/jp-ja/institute-business-value/c-suite-study/cio/ よりご覧いただけます。

 

IBM Institute for Business Valueについて
IBM Institute for Business Value(IBV)は、業界の有識者、第一線の学者、および対象分野の専門家からの専門知識を、グローバルな調査とパフォーマンス・データを組み合わせて、テクノロジーとビジネスの接点にある当社の立場から信頼できるビジネスの洞察を提供しています。IBVのソート・リーダーシップのポートフォリオには、調査の詳細、ベンチマークとパフォーマンスの比較、および地域、業界、テクノロジー全般にわたるビジネスの意思決定をサポートするデータの可視化が含まれています。最新の洞察は、https://www.ibm.com/thought-leadership/jp-ja/institute-business-value/ をご参照ください。

以上

 

※IBM、IBM ロゴ、ibm.comは、世界の多くの国で登録されたInternational Business Machines Corp.の商標です。他の製品名およびサービス名等は、それぞれIBMまたは各社の商標である場合があります。現時点での IBM の商標リストについては、https://www.ibm.com/legal/copytrade.shtml(US)をご覧ください。

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