ニュースリリース

IBM、AIを活用した環境インテリジェンスのためのソフトウェア・スイートを発表

企業による持続可能性目標や気候変動リスクへの取り組みを支援
2021年10月15日
  • IBM Environmental Intelligence Suiteは、気象データ、気候データ、およびオペレーショナル・データと環境対応の管理を1つのソリューションに統合 
  • 企業が洪水や山火事などの気候リスクを予測して対応することを可能にする一方で、 ビジネス回復力を向上し持続可能性目標(サステナビリティー・ゴール)の達成に役立つインサイトを提供<br>
  • 世界経済フォーラムで今後10年間、企業にとって最も可能性の高いとされる3大リスクに対処 




2021年10月15日

[米国ニューヨーク州アーモンク - 2021年10月12日(現地時間)発] IBMは本日、組織が気象や気候のリスクに対応して、地球環境に対する自身の影響をより簡単に評価し、法規制への適合とその報告の複雑さを減らすことを可能にする、AIを活用した環境インテリジェンス・ソフトウェア・スイート「IBM Environmental Intelligence Suite」を発表しました。

企業は現在、自社の資産に対する気候関連の損害、サプライチェーンと事業運営の混乱に加えて、消費者や投資家からの環境面でリーダー的役割を果たすことに対する期待の増大に直面しています。世界経済フォーラムの「Global Risks Report 2021」において、「異常気象」、「気候変動対策の失敗」、「人間による環境破壊」が、今後10年間で企業にとって最も可能性の高い3大リスクとして挙げられています。企業はこれらの難題に対処するために、実用性のある環境インサイトを必要としていますが、現在の手法は多くの場合、煩雑かつ複雑で、徹底した手作業、気候科学スキルおよびデータ・サイエンスのスキル、そしてコンピューティング能力が求められます。

本日発表したIBM Environmental Intelligence Suite(以下、EIS)の狙いは、企業が環境リスクの管理を合理化して自動化するとともに、炭素会計や二酸化炭素削減などの基本的なプロセスを操作できるようにして、環境面での目標達成を支援することです。EISは、世界で最も正確な気象データ・プロバイダーであるIBMからのデータや、既に全世界の企業に利用されている高度な地理空間分析、および研究開発部門であるIBM® Researchが提供する新たなイノベーションを活用しており、このような方法で人工知能、気象データ、気候リスクの分析、および炭素会計の機能を1つにまとめた初めてのオファリングです。企業は複雑なデータの収集に費やす労力を減らし、洞察を得るためのデータ分析と、自社の経営を改善する行動を取るためより多くのリソースを割り当てることが可能になります。

IBM Environmental Intelligence Suiteは、組織が以下のことを行えるようにするためのSaaSソリューションです。

  • 異常気象、山火事、洪水、大気質などの影響の大きい環境条件をモニターして、異常検出時にアラートを発信する。
  • 気候リスク分析を使って、気候変動や気象がビジネス全般にもたらす潜在的な影響度を予測する。
  • 事業の混乱の可能性についてインサイトを得て、緩和と対応の取り組みに優先順位を付ける。
  • 環境に関する取り組みの測定と報告を行い、炭素会計を運用可能にして、調達と業務のチームに対する報告負荷を減らす。

EISは、API、ダッシュボード、マップやアラートによって環境インサイトを提供し、それにより企業は、当面の業務における課題と、より長期の計画と戦略の両方に対処することが可能になります。EISを使用すると、小売業者は悪天候に影響を受ける出荷や在庫の混乱に備えたり、環境リスクを考慮に入れて将来の倉庫の設置場所を決めたりすることができます。エネルギーや公益事業の企業は、送電線近辺の植物を伐採する場所を決めたり、気候変動による山火事のリスクがより大きくなりそうな自社の重要資産がどれなのかを判断できたりするようになります。また、スーパーマーケットでは自社の温室ガス排出の総量に対して、冷凍装置がどの程度の比重を占めているかをより明確に理解し、改善策の優先順位付けができるようになります。

IBM AI Applicationsのゼネラル・マネージャーであるカリーム・ユセフ(Kareem Yusuf)博士は次のように述べています。「将来のビジネスと環境は、深く絡み合っています。企業は異常気象の混乱が自社の事業に与える影響に対処しているだけでなく、その事業がいかに地球に影響を与えているかについて、株主や規制当局からますます責任を問われるようになっています。IBMは、AIとハイブリッドクラウドを組み合わせて、企業が環境対応と報告を改善し、より効率的な事業運営を構築することで資源の消費を減らすとともに、気候変動の中での事業回復力の向上に向けた計画を策定できるようにする環境インテリジェンスを提供します」

世界中の企業は、IBMのEnvironmental Intelligence Suiteに数多く含まれる、コアとなる気象とAIのテクノロジーをすでに利用しています。例えば、IBMの環境データと地理空間分析は、ブラジルのエタノール、バイオ発電および製糖の会社であるBP Bunge Bioenergiaが、サトウキビの農業生産についての理解を深め、全世界での砂糖生産量に関する自社の市場情報の予測を改善するために利用されています。また、農業関連産業大手のCajamarも、IBMの環境データと地理空間分析を自社のデジタル・ツールであるPlataforma Tierraを通して活用しており、スペインの農家が収穫高を増やし環境への影響を減らす支援をしています。

またIBM Environmental Intelligence Suiteは、気候科学者やデータ・サイエンティストが環境に関する大量のデータをより簡単に分析できるようにする、IBM ResearchによるAIを活用したイノベーションと、将来の山火事や洪水のリスクに関するデータの生成に使われる、新たな気候リスクをモデル化するフレームワークも活用しています。加えて、EISは、IBM Researchによる独自のテクノロジーを活用し、自然言語処理と自動化を適用し、企業が二酸化炭素の排出量の推定と、それを自社の事業全体でまたはサプライヤーとともに削減する機会を特定できるようにしています。

Environmental Intelligence Suiteは、事業運営全体での効率改善のために、IBMの幅広いソフトウェア・ポートフォリオと統合することができます。企業が重要資産の保護とライフサイクルの延長を可能にするIBM Maximo Application Suiteや、より持続可能かつ柔軟なサプライチェーンの構築を可能にするIBM Supply Chain Intelligence Suiteなどと統合することができます。

また企業は、IBM のサービス事業が持つ業界を超えた専門知識を活用することで、環境面での事業変革の設計、導入および加速を図ることもできます。これらの環境面での事業変革を進める戦略には、最新のテクノロジーを活用した事業、サプライチェーン、排出管理の再設計や、ESGや気候リスクの報告が含まれ、組織の環境に関する目標の達成を支援します。

IBM Environmental Intelligence Suiteの詳細については、次のサイトをご覧ください:
https://www.ibm.com/jp-ja/products/environmental-intelligence-suite

IBM全体でのイノベーションによる、より持続可能かつ弾力的な未来を創造しようとしているお客様の支援に関する詳細については、次のサイトをご覧ください:
https://www.ibm.com/jp-ja/impact/sustainability

当報道資料は、2021年10月12日(現地時間)にIBM Corporationが発表したプレスリリースの抄訳です。原文は下記URLを参照ください。
https://newsroom.ibm.com/2021-10-12-IBM-Unveils-AI-Driven-Software-for-Environmental-Intelligence,-Helping-Businesses-Address-Sustainability-Objectives-and-Climate-Risk

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