ニュースリリース

新型コロナウイルスと気候変動に対する革新的なソリューションの創出に向けた、2020年Call for Codeグローバル・チャレンジのTop5のファイナリストが決定

2020年10月 7日

2020年10月7日

Call for Codeは、IBM、David Clark Cause、The Linux Foundation、慈善パートナーである国連人権高等弁務官事務所、そして世界179か国から40万人のデベロッパーが参加する世界的ムーブメントによる、強力なエコシステムを形成しました。

リモート教育、よりスマートな農業、ソーシャル・ディスタンス(社会的距離)の確保、中小企業の支援、二酸化炭素排出量の削減など、オープンソースを活用した上位5つのソリューション中から1つが選出され、世界中の困窮しているコミュニティーのために改良され、展開される予定です。

[米国ニューヨーク州アーモンク、2020年9月28日(現地時間)/ PRNewswire(英語)発] 本日、Call for Codeを共同で立ち上げたIBMとDavid Clark Causeは、2020年Call for Codeグローバル・チャレンジのトップ5のファイナリストを発表しました。Call for Codeは、数十万人のデベロッパーを団結させ、世界規模の社会的な課題に立ち向かうための、オープンソース・テクノロジーを利用したアプリケーションを作成、展開するものです。今年は、従来のテーマである気候変動に加え、新型コロナウイルス関連の支援ソリューションをテーマに追加しました。

Call for Codeグローバル・チャレンジは今年で3年目を迎え、これまでに、Red Hat OpenShift、IBM® Cloud、IBM Watson、IBM Blockchain、The Weather Companyのデータをはじめとし、HERE TechnologiesやIntelePeerといったエコシステム・パートナーからのAPIなど、オープンソースを活用した製品やテクノロジーを組み合わせて構築された15,000を超えるソリューションを生み出してきました。現在では、世界179か国から40万人を超えるデベロッパーや社会的な課題解決を目指す個人が参加するコミュニティーへと成長しています。これは、気候変動や新型コロナウイルスなどの社会的な課題に対して、各地域レベルで機能するソリューションであるだけでなく、他のどの場所でも、どのようなコミュニティーであっても機能するような拡張性のあるソリューションが必要とされているという現実を反映しています。

IBMのCognitive Applications, Blockchain and Ecosystems担当シニア・バイスプレジデントのボブ・ロードは、次のように述べています。「今年の危機は、ハイブリッドクラウドやAI、オープンソース・テクノロジーを活用して、世界のデベロッパーやビジネスリーダーが社会の喫緊の課題に対処する必要性を強調するものです。Call for Codeには、3年連続で、デベロッパー・コミュニティーから圧倒的な数の応募があり、オープンソース・テクノロジーを活用した素晴らしいソリューションを生み出してきました。IBMはオープンソースのリーダーであり、より良い社会の実現に向けてテクノロジーを活用してきた長い歴史をもっていますが、より広範な技術コミュニティーが目的をもって団結し、多くの人々の生活に目に見える変化をもたらすために協力していることを嬉しく思います。」

Call for Codeトップ5ファイナリスト
トップ5のファイナリストは、世界の各地域で選抜された上位のソリューションから選出されました。

  • Agrolly(アジア太平洋)-このソリューションは、ペース大学を拠点とするブラジル、インド、モンゴル、台湾のデベロッパーからなる分散型チームによって作成されました。Agrollyは、世界中の小規模農家、なかでも気候変動によって収穫量の減少に苦しんでいる新興国の農家を支援し、農家同士をマッチングすることを目的としています。このプラットフォームは、気象予報と国連食糧農業機関が発表している作物の要件を組み合わせることで、場所、作物の種類、生育段階ごとに、各農家に合わせた情報を提供します。このソリューションは、農家の情報格差を埋めることで、農家が互いに学び合い、より多くの情報に基づいた意思決定を行い、融資を調達し、そして経済的成果を向上させることを目指しています。Agrollyは現在、Googleストアで無料アプリとして入手可能です。Agrollyは、IBM Cloud Object Storage、IBM Watson Studio、およびIBM Watson Assistantを活用しています。 ビデオ
  • Business Buddy(アジア太平洋)-オーストラリアのシドニー大学の学生チームによって作成されたBusiness Buddyは、中小企業が新型コロナウイルスによる経済的影響を乗り切れるよう、中小企業にパーソナライズされた応答性の高い更新情報をワンストップで提供することを目指しています。このソリューションは、IBM Watson Assistant、IBM Cloud Foundry、およびIBM Cloudantを活用したもので、中小企業が、政府の支援プログラムを受ける資格があるかどうかを判断し、簡単にアクセスできるポータルを介して申請プロセスを案内します。 ビデオ
  • OffShip(北米)-OffShipは、Morgan Stanley社に在籍するカナダのデベロッパー・チームによって作成されました。OffShipは、オンライン・ショッピングが環境に与える影響について消費者を啓蒙する簡易なブラウザー・アプリです。これは、消費者が購入を検討している商品が配達されるまでに排出される二酸化炭素の量の推定値を表示することで、消費者が代替案を検討したり、植林・森林保護などクリーン・エネルギー事業への寄付を行ったりすることをシームレスに支援します。このソリューションはIBM Cloud上で構築されています。 ビデオ
  • Safe Queue(北米)-ロサンゼルス在住の個人のデベロッパーによって作成されたSafe Queueは、ショッピングセンターや小規模企業、投票所などにおける物理的な列をオンデマンドの仮想列に置き換え、コロナ禍においてソーシャル・ディスタンス(社会的距離)を考慮した安全な入場管理方法を支援することを目的としたコミュニティー主導型のモバイル・アプリです。Safe Queueは、5月に、早期締切を設けたCall for Code COVID-19のトップ3ソリューションの1つに選出され、以降、さらに開発とテストを重ね、全米の中小企業に導入されています。Safe Queueは、GPSの位置情報を利用して1000フィート以内にいる人の適切な配列のシミュレーションを作成し、従業員がそれをデジタルで制御し、顧客ごとにランダムに生成されたQRコードで入場を検証することができます。このソリューションは、Webアプリホスティング用のIBM Cloud Foundry、ジオロケーション用のHEREテクノロジー、SMSメッセージング用のTwillio、データ保存用のIBM Cloudantをベースに構築されています。 ビデオ
  • SchoolListIt(北米)-ノースカロライナ州在住の3人の子どもを持つワーキングマザーによって作成されたSchoolListItは、新型コロナウイルスを取り巻く特に困難な状況において、家族が子どもの学習をうまく管理できるように設計されています。 SchoolListItは、教師が使用するさまざまな学習アプリの情報をまとめ、生徒や保護者が、宿題の内容や提出期限を一目で理解できるようにすると同時に、保護者向けのデジタル・コミュニティー作りをサポートします。このソリューションには、IBM Watson Text to Speechが活用されています。 ビデオ

Call for Codeの優勝チームには、20万米ドルの賞金とIBM、Linux Foundation、およびその他のパートナーから技術的支援等の実践的な支援が約束され、優勝チームのソリューションを取り巻くオープンソース・コミュニティーをさらに拡大し、必要とされている分野にそのソリューションを展開していきます。今年の優勝チームは、人権、災害対応、ビジネス、テクノロジー分野における著名なリーダーを含む審査員グループによって選出されます。

展開への道のり

IBMの社会貢献プロジェクト「IBM Service Corps」と技術専門家は、過去2回のCall for Codeグローバル・チャレンジで優勝したソリューションの改良および展開を支援しました。昨年のCall for Code グローバル・チャレンジの優勝チームであるPrometeoは、一酸化炭素、煙の濃度、湿度、温度を測定するウェアラブル・デバイスを開発し、消防士の安全性をリアルタイムで監視し、長期的な健康状態の改善を支援しました。このソリューションは、GRAF (Grups de Reforç d'Actuacions Forestals)およびGEM (Grup d'Emergències Mèdiques)dels Bombers de la Generalitat de Catalunyaと共に、スペイン・バルセロナ近郊で管理された状態で山火事の現場試験を完了しました。Prometeoはベテラン消防士、救急看護師、および3人のデベロッパーで構成されているチームによって開発されました。

Call for Code 2018の優勝ソリューションであるProjectOwlは、災害のあらゆる側面を管理するためのシンプルなインターフェイスをファーストレスポンダーに提供するオフライン通信インフラを提供します。 物理的な「clusterduck」ネットワークは、会話型システムを使用した音声ベースの通信を中央のアプリケーションに送信できるメッシュネットワークを作成するハブで構成されています。Project Owlは、IBM Service Corpsと共同で、プエルトリコ全域で、なかでもハリケーンの被害が大きかった地域に焦点を当てて試験運用されています。

両プロジェクトは、他のプロジェクトと同様に、Call for Codeデプロイメント・パイプラインを通じて継続的な改良が続けられています。

Call for Code大学版

今年、IBMはクリントン・グローバル・イニシアチブ大学(CGI U)と提携し、Call for Codeグローバル・チャレンジのの大学版を立ち上げました。IBMとCGI Uは共に、新型コロナウイルスと気候変動をテーマとしたソリューションの創出を支援するために、世界中の53,000人以上の学生に参加を募りました。2020年の大学版のファイナリストは、KairosApp(ラテンアメリカ)、Lupe(欧州)、Pandemap(アジア太平洋)、Plant-it(北米)、Rechargd(アジア太平洋)の5チームです。大学版では、優勝チームに10,000ドルの大賞が授与され、優勝チームおよび準優勝チームには、IBMでの採用面接の機会も提供されます。

クリントン財団 副会長のチェルシー・クリントン(Chelsea Clinton)氏は、次のように述べています。「今年、私たちはCall for Codeグローバル・チャレンジの大学版を立ち上げました。これにより、世界中の大学生が教室で学んだこと、人生経験や想像力を、持続可能かつ公平で革新的な方法で気候変動と新型コロナウイルスへの取り組みに応用できるようになりました。ファイナリストに選出されたソリューションは非常に優れており、10月13日に優勝チームを発表することを楽しみにしています。」

拡大するエコシステム

Call for Codeの成長と成功は、ソリューションが堅牢で、効率的かつ革新的で、そして使いやすいものであることを保証できるよう、IBMとDavid Clark Causeが技術開発コミュニティーと人道的組織を結び付けて生まれた独自のエコシステムの産物です。このコミュニティーには、国連人権事務所、Linux Foundation、国連災害リスク削減局、クリントン財団、クリントン・グローバル・イニシアチブ大学、Cloud Native Computing Foundation、Verizon、Persistent Systems、Arrow Electronics、HERE Technologies、Ingram Micro、IntelePeer, Consumer Technology Association Foundation、世界銀行、Caribbean Girls Hack、Kode With Klossy、World Institute on Disabilityなどが含まれています。

国連人権高等弁務官事務所の広報渉外責任者のローラン・ソヴール氏(Laurent Sauveur)は、次のように述べています。「私たちは未曽有の危機に直面しています。新型コロナウイルスの大流行は、人命と生活を差し迫った危険にさらしていますが、気候変動は人類にとって存在する脅威です。Call for Codeのような世界的な関与を促すような取組みによって、世界中のデベロッパーや問題解決者がスキルを活用して、迅速に展開しながらも長期的な影響を与えることができる、包括的で効果的な対応ソリューションを生み出す可能性を切り拓いています。」

Call for Codeグローバル・チャレンジの優勝チームおよび大学版の優勝チームは、10月13日に開催されるデジタル・イベント「2020 Call for Code Awards:A Global Celebration of Tech for Good」で発表されます。

Call for Codeグローバル・チャレンジについて

デベロッパーは、これまで人々の生活における変革を推進してきました。デベロッパーは「課題」を「可能性」と捉えて解決策を考える人々です。そこで、David Clark Causeは2018年にCall for Codeを立ち上げ、創設パートナーであるIBMおよびそのパートナーである国連とともに開始しました。5年間で3,000万ドルが投資されたこのグローバルな取り組みは、コードを通じて世界中にポジティブで長期的な変化をもたらすことができるよう、開発者が最新のテクノロジーを習得し活用することを促進するものです。Call for Codeの優勝ソリューションは、さらに開発と継続的な改良がなされ、ポジティブな変化を生み出す持続可能なオープンソース・プロジェクトとして展開されます。

以上

当報道資料は、2020年9月28日(現地時間)にIBM Corporationが発表したプレスリリースの抄訳です。原文は下記URLを参照ください。

https://newsroom.ibm.com/2020-09-28-2020-Call-for-Code-Global-Challenge-Finalists-Selected-for-Innovative-Solutions-to-Take-on-COVID-19-and-Climate-Change (英語)

 

Call for Codeの情報(日本語)は、IBM Developer日本版(https://developer.ibm.com/jp/callforcode/)をご参照ください。

IBM、ibm.com、IBM Cloud、IBM Watson、Cloudantは、世界の多くの国で登録されたInternational Business Machines Corporationの商標です。他の製品名およびサービス名等は、それぞれIBMまたは各社の商標である場合があります。 現時点での IBM の商標リストについては、https://www.ibm.com/legal/copytrade.shtml(US)をご覧ください。
Red HatおよびOpenShiftは、Red Hat, Inc.または米国およびその他の国にある子会社の商標または登録商標です。
Linuxは、Linus Torvaldsの米国およびその他の国における登録商標です。

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