デジタル変革を推進する金融サービス向け「オープン・ソーシング戦略フレームワーク」を発表
業界共通サービスをIBMの金融サービス向けクラウドで提供

2020年6月16日

日本アイ・ビー・エム株式会社(以下、日本IBM)は、デジタル変革に向けた経営レベルの課題解決を金融業界のお客様と共に推進するための包括的な枠組み「オープン・ソーシング戦略フレームワーク」と、その中核ソリューションとして「金融サービス向けデジタルサービス ・プラットフォーム (IBM Digital Services Platform for Financial Services。以下、DSP)」を発表します。

「オープン・ソーシング戦略フレームワーク」は、デジタル変革戦略の迅速な立案と実行を支えるために、サービス提供のスピード向上、開発コストの削減、システム品質の向上を重視して構造改革を推進します。さらに、新しい働き方の実践や技術者の育成や確保といった課題解決も視野に入れ、ビジネスモデル変革に対して包括的に取り組むことができます。

「DSP」は、認証、諸届、口座照会、振替、資金移動等の業界共通サービスを金融サービス向けクラウド上でオープンかつ安定的に提供するソリューションとして、本日より提供を開始します。「DSP」を活用した先行事例では、開発コストが40%削減し、サービスの提供スピードが30%向上する効果を確認しています。また、今後日本IBMは、「DSP」をユーザー企業やソリューション企業にも開放することで、自由な競争のなかで金融アプリケーションの相互利用を促していきます。

「オープン・ソーシング戦略フレームワーク」および「DSP」は、2018年8月に発表した「デジタル時代の次世代アーキテクチャー」をクラウドネイティブ技術、Red Hat OpenShift、マイクロサービス技術、アジャイルをはじめとする新技術や新手法で具体化していくものです。

金融業界は、新型コロナウィルス感染症拡大による影響が実体経済へと波及する中、金融サービスを通じて社会に安心と安全を確保し続けていく社会的使命を担っています。また、安定的な金融インフラを維持し、あらゆる状況に迅速、適切、柔軟な対応を行うために、社会レベルのデジタル変革を主導する中核的な役割が期待されています。これらの実現に向け、金融サービス業はこれまでの運営そのものを変え、抜本的な生産性改善と異業種との結合による新しい金融ニーズの創出へとビジネスモデルの変革を進めています。日本IBMはこれまでの長期パートナーシップに基づく金融業界でのITサービスの実績と信頼を軸に、経営とITの両面からお客様と共にこの変革に取り組みます。

IBM Cloud Pak for Data

「オープン・ソーシング戦略フレームワーク」および「DSP」の詳細は次の通りです。

「オープン・ソーシング戦略フレームワーク」は、フロントサービス、デジタルサービス、ビジネスサービス、金融サービス向けパブリッククラウド、新しい働き方の実践と人材育成・コミュニティという5つのタスクで構成されています。また、オープン・ソーシング戦略を推進するためのソリューションは、オープンアーキテクチャー、オープンスタンダード、オープンソースを採用した「オープン・プラットフォーム」として提供されます。これにより、ベンダーロックインや特定企業との独占パートナーシップを回避し、異業種、同業種(銀行同士)、FinTech企業、ソリューションパートナー、地域のITインテグレーター等、それぞれの個性ある取り組みをお互いに利活用できるエコシステムを形成します。

「DSP」は、「オープン・ソーシング戦略フレームワーク」を推進するための第一弾であり、業界共通サービスを金融サービス向けクラウドでオープンかつ安定的に提供するソリューションです。「DSP」は、業務マイクロサービス、基幹系連携機能、DSP基盤の3つで構成されます。業務マイクロサービスは、認証、諸届、口座照会、振替、資金移動といったサービスを実行するための共通サービス部品で、2020年5月現在で81種類のAPIが利用可能であり、2020年内に147種類、2021年3月までに181種類に増やしていく予定です。これらの業務マイクロサービスは、基幹系連携機能を利用することにより、基幹系システムを意識せずにプラグインの方法で新たな業務を迅速かつ柔軟に開発できるようになります。また、「DSP」はRed Hat OpenShift上で開発しているため、「一度作ればどこでも実行できる (Build once and run anywhere)」を実現し、オンプレミスやパブリッククラウドというあらゆるシステム基盤で稼働できます。さらに今後日本IBMは、「DSP」をユーザー企業やソリューション企業にも開放することで、自由な競争のなかで金融アプリケーションの相互利用を促していきます。

日本IBMは、この「DSP」を発展させ、IBMのパブリッククラウド「IBM Cloud」を利用したセキュアな高可用性クラウド基盤上のマネージドサービスを2021年3月より提供します(「DSP基盤」)。DSP基盤は、大手銀行向けにIBM Cloudを提供してきた経験やFISCの安全対策基準に代表される金融規制対応に関する知見に基づき、ネットワーク、通信・データの機密性、運用等でセキュリティー対策を行ったものです。環境提供・基盤運用に関しては、マルチテナントの方式を推奨しますが、お客様の要望に応じて、オンプレミスやマルチクラウド上で専用環境を構築する等、銀行独自または共同化の形式で基盤運用を行うこともできます。今後、日本IBMは、共同化システム利用行に対して「DSP」の利用を拡げ、共同化システムの共同化を推進することで、さらに競争力のあるシステムへの革新を図ります。

日本IBMは、長期にわたるパートナーシップに基づき、お客様と共に改善を繰り返し、安心、安定、安全な銀行システム運営に貢献してきました。この銀行品質をエコシステムで実現するため、これまでの経験と実績を、グローバルで培った知見やAIをはじめとする新技術や新手法と結合させ、ハイブリッドクラウド環境でのシステム設計・運用を発展させていきます。

オープン・ソーシング戦略フレームワークの5つのタスクの取り組みは順次発表していきます。

以上

ご参考資料
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