ニュースリリース
IBMの量子コンピューターを使ったハッカソン「IBM Quantum Challenge」を開催
2020年5月7日
文:ジェイ・ガンベッタ (Jay Gambetta(英語))
2016年5月4日、IBM Researchは、IBM®︎ Quantum Experienceを使用してクラウド上でプログラム可能な、初の量子コンピューターを発表しました。私たちは、大学の研究室にアクセスできない人たちを含め、誰もが量子コンピューターを体験できるようにしたいと考えていました。
今日、IBMは量子システムを18機所有しており、IBMのお客様やコミュニティが利用できます。100社を超えるIBM Q Network(英語)クライアント・パートナーを含む20万人以上のユーザーが参加し、量子情報科学の基礎研究、さまざまな産業における量子コンピューティングの応用開発、将来の量子分野に関わる人材の教育を行ってきました。さらに、IBMのハードウェアを使用して1750億個の量子回路が実行され、世界中の研究者によって200以上の論文が発表されています。
量子ハードウェアの開発に加えて、IBMは強力なオープンソースの量子ソフトウェアの開発を推進してきました。主にPythonが使われるQiskit(IBM外のWebサイトへ)は、いくつかの斬新な機能(IBM外のWebサイトへ)を備えた人気の高い量子コンピューティング・ソフトウェア開発キットへと成長しました。これらはひとえに、Qiskit利用者の貢献によるところが大きいと考えています。
世界最大かつ最も多様な量子コンピューティング・コミュニティを構築するという、エキサイティングな旅に参加してくださった皆様に感謝します。
IBM Quantum Challenge
IBM Quantum Experienceの4周年を迎えるにあたり、私たちは皆さんにハッカソンを通じて4つの課題にチャレンジしていただくことで、IBM Quantumをご体験いただきたいと考えています。すでにコミュニティのメンバーであっても、この課題が初めての量子実験であっても、これらの4つの課題を解決することで、量子回路への理解が深まると思います。ご自身のスキルを試しながら、楽しい時間を過ごしていただければ幸いです。
IBM Quantum Challengeは、5月4日午前9時(米国東部時間)に開始し、5月8日の午前8時59分59秒(米国東部時間)に終了します。参加する場合は、以下リンク先にアクセスください。
https://quantum-computing.ibm.com/challenges(英語)
IBM Quantum Challengeはどなたでも参加可能です。参加者には、IBMよりデジタルバッジを授与するとともに、Python Software Foundationへの追加スポンサーシップの提供を予定しています。
量子教育への継続的投資
私たちは不正確な例え話に頼らずに、量子コンピューティングを説明することを常にチームの目標にしてきました。その目標に向け、量子コンピューターへのアクセスを開放することから始まり、誰もが量子コンピューターをプログラミングできるようにするためのツールを作るなど、教育への投資を継続的に行ってきました。特筆すべきは、私たちはこの分野で初のインタラクティブなオープンソースの教科書を作成したことです。
開発者が量子コンピューターをプログラムするとき、実際に行っていることは量子回路を構築し、実行することです。量子回路の学習をサポートするために、私たちは以下のことをご提案します。
- Qiskitの教科書(IBM外のWebサイトへ)の中の現時点で理解されている量子回路を定義した章を読んでください。量子コンピューティングの原理を深堀りし、量子アルゴリズムを独自に実装する方法を学んでみてください。
- 新しく始まった「Circuit Sessions(回路セッション)」というライブ講座や、「Coding with Qiskit(Qiskitでコーディング)」をご覧になり、量子コンピューターのプログラミングを始めてみませんか?QiskitのYouTubeチャンネルを登録して、この2シリーズやその他の講座をご覧ください。
量子の未来は、オープンソース・ソフトウェアと、実際の量子ハードウェアへのアクセスが鍵を握ります。私たちと一緒に未来を築いていきましょう。
以上
当報道資料は、2020年4月27日(現地時間)にIBM Corporationが発表したブログの抄訳です。原文は下記URLを参照ください。
https://www.ibm.com/blogs/research/2020/04/ibm-quantum-challenge/ (英語)
IBM、ibm.com、IBM QならびQiskitは、世界の多くの国で登録されたInternational Business Machines Corporationの商標です。他の製品名およびサービス名等は、それぞれIBMまたは各社の商標である場合があります。現時点での IBM の商標リストについては、http://www.ibm.com/legal/copytrade.shtml(US)をご覧ください。
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