ニュースリリース

金融サービス業界向けの安全なエコシステム構築をパートナーが支援
IBMの金融サービス向けパブリック・クラウドでISVを利用する次の一手

2020年05月 7日

202057

文:

キャメロン・クレイトン(Cameron Clayton, GM Cloud Ecosystem and Weather IBM Cognitive Applications)

ヒラリー・ハンター(Hillery Hunter, VP & CTO IBM Cloud; IBM Fellow IBM Cloud and Cognitive Software)

銀行のお客様は、法人顧客か個人顧客かを問わず、利用する金融サービス・プロバイダーに対し、最新の利便性とセキュリティーの提供を期待しています。実際に、銀行はお客様に対応するアプリケーション構築における先駆者でした。しかしつい最近まで、データ・セキュリティー、プライバシーおよびネットワーク・レジリエンシーを確保し、規制機関からの厳格なコンプライアンス要求に応える必要性があり、それが金融サービス・プロバイダーによるさらなるデジタル革新の妨げとなっていました。

このため、昨年の後半、IBMは業界初の金融サービス向けパブリック・クラウドを発表しました。これはバンク・オブ・アメリカと共同で構築したもので、金融サービス業界に特有のコンプライアンス要件に対応しつつ、同行の顧客からの要求やプライバシーと安全性に対する期待に応えた主要なアプリケーションとワークロードを、クラウド上で稼働させます。

しかし、金融機関と取引し、規模の大小を問わずあらゆる銀行にサービスを提供する、独立系ソフトウェアベンダー(ISV)およびSoftware-as-a-Service(SaaS)パートナーについてはどうでしょうか。こうしたパートナーがセキュリティーとコンプライアンスへの対応を確実にすることは、銀行にとって、忍耐が必要で、時間と手間がかかり、多大な労力を要するプロセスとなることがあります。これは、イノベーションやより広範な業界コラボレーションの阻害要因となっています。金融サービス向けパブリック・クラウド・プログラムにおいては、各ISVが金融サービス向けパブリック・クラウドを通じて製品を提供できるように、IBMは規範的な実装および証明プロセスによる指針を提供しています。これによってISVは、ISVと参加銀行間の契約や証明プロセスを迅速化し、簡素化することができます。

このたびIBMは、当金融サービス向けパブリック・クラウドのための製品を提供する、最初の独立系ソフトウェアベンダー(ISV)とSoftware-as-a-Service(SaaS)パートナーを発表いたします。Assima、C3ai、Finacle、Intellect DesignおよびThought Machineが、このプラットフォームを通した製品の提供に合意した最初のISVとなります。これによって、信頼できるベンダーと確実に協働するための効率的な方法を参加銀行に提供できるようになります。これらのISVはそれぞれ、IBMパプリック・クラウド・エコシステムの一つとして、IBMがサポートし、金融サービス向けパブリック・クラウドの要件に合わせて設計されたオンボーディング・プロセスに参加することとなります。

またIBMは、金融サービス向けパブリック・クラウドの一般的な利用可能性の向上につながる、いくつかの技術も開発しました。IBMは、データ保護を重視しつつ、業界をリードするHyper Protect Crypto ServicesとKeep Your Own Key(KYOK)機能を拡張しました。今後、Hyper Protect Crypto Servicesは、暗号鍵の管理者が、送信中の自社データの安全性を保つために使用できる、スマート・カードをサポートします。さらに、当サービスは、Keep Your Own Key機能を利用して、アプリケーションでより大量のデータの暗号化と復号を行えるようにする、アプリケーション・レベルの暗号化のサポートも開始します。

金融サービスにおけるリスク管理と企業コンプライアンスの遵守の重要性を考慮し、IBMは金融機関やISVにおけるセキュリティーとコンプライアンス体制の定義と監視も支援します。これには、プロモントリーの専門知識によって規制要件を解釈することから、IBM Cloudにおいて、自動化と統合されたDevSecOpsプロセスによってこれらの統制を管理することまでが含まれます。IBMは、金融サービス向けパブリック・クラウドのユーザーが、クラウド上でセキュリティーとコンプライアンス管理をより効果的に実行できるようにするための参照アーキテクチャーを提供します。

金融サービス向けパブリック・クラウドは、2020年下期から提供を開始する予定です。IBMは、銀行が機密性の高い業務をパブリック・クラウドに移管し、信頼できるISVによって提供される先進的かつクラウドネイティブなテクノロジーを活用できるようにすることによって、金融サービス向けパブリック・クラウドが業界にとっての飛躍的な進歩を遂げるものと確信しています。

当報道資料は、2020年5月5日(現地時間)にIBM Corporationが発表したブログの抄訳です。原文は下記URLを参照ください。

https://www.ibm.com/cloud/blog/isv-and-saas-partners-for-ibm-financial-services-ready-public-cloud (英語)

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