ニュースリリース
ブロックチェーン・ベースの国際貿易プラットフォーム「TradeLens」の拡大が継続大手海運企業Hapag-LloydとOcean Network Expressが新たに参加
TOKYO - 05 7 2019:
2019年7月5日
[デンマーク、コペンハーゲンおよび米国ニューヨーク州アーモンク - 2019年7月2日(現地時間)発] 国際貿易サプライ・チェーンにおけるTradeLensの急速な普及が進んでいます。この度、Hapag-LloydとOcean Network Express(以下ONE、本社:シンガポール)は、A.P. Moller - Maersk(MAERSKb.CO)とIBM(NYSE:IBM)が共同で開発したブロックチェーン・ベースの国際貿易プラットフォームTradeLensへの参入を発表しました。
世界第5位と第6位の規模を誇る海運企業Hapag-LloydとONEの参加は、TradeLensへの参加を先ごろ発表したCMA CGMやMSC Mediterranean Shipping Companyに続くものです。これら各社の参加を受け、このプラットフォームの対象範囲は世界の海上コンテナ貨物の半数以上に及ぶことになります。
Hapag-LloydのIT部門担当マネージング・ディレクターであるマーティン・グナス(Martin Gnass)氏は、次のように述べています。「デジタルによる連携の拡大なくして、コンテナ輸送業界の発展はあり得ません。TradeLensは、業界に強く求められていた変革の初動を大きく後押ししました。今回のパートナーシップ・モデルは、そのような変革の一例です。このプラットフォームには、世界の海運企業上位6社のうち5社だけでなく、その他、エコシステムに関係する多くの企業も参加しています。こうした状況を背景に、私たちは共同で変革を加速させ、サプライ・チェーン全体の信頼性、透明性、連携性を高めて、国際貿易の促進に貢献できるようになりました。」
今回の国際海運企業2社の参加に伴い、TradeLensの利用者は船腹を共有する3大グローバル・アライアンスのうち、いずれに加盟している大手海運会社にもプラットフォーム上でアクセスできるようになるため、TradeLensの世界的普及はさらに進むと考えられます。アジアではすでに大きな存在感を示しているONEは、TradeLensとの連携を通じて自社のサービス提供範囲をさらに強化・拡大し、極めて重要なアジア市場の厳しい要求に対応しようとしています。
Ocean Network Expressのコーポレート&イノベーション部門のマネージング・ディレクターである山鹿徳昌氏は、次のように述べています。「オープンスタンダードとオープンガバナンスに基づくこのような革新的アプローチは、業界全体の利益になるばかりでなく、国際海運業を通じて世界年間1億2,000万TEU(英語, 9.0MB, PDF)以上のコンテナを国際輸送する顧客にもメリットをもたらすはずです。海運業界のサプライ・チェーン全体でさらなるイノベーションを推進できるチャンスは非常に大きく、当社のリーダーシップと知見をプラットフォームの継続的な進化に役立てることができる機会が得られ、大変嬉しく思っています。」
TradeLensは、世界のサプライ・チェーン・エコシステムの改革を促進するために立ち上げられました。商品の輸送や取引を行うプロセスの多くは経費がかさみますが、その一因は手作業や紙をベースにしたシステムにあります。これらのピアツーピアの(多くの場合、信頼性の低い)情報交換に置き換わるこのプラットフォームを利用することで、参加者は海運業界のサプライ・チェーン・エコシステム全体でデジタル的につながり、情報を共有し、連携することが可能になります。
A.P. Moller - Maerskの最高商務責任者であるヴィンセント・クラーク(Vincent Clerc)氏は、次のように指摘します。「TradeLensに大手海運企業が新たに加わることで、グローバル・サプライ・チェーンの顧客によるデジタル化のメリットの拡大や検討が促されるほか、グローバル・サプライ・チェーン全体で増え続けているTradeLensエコシステムの参加者にとって新たなチャンスが生まれるでしょう。中立的な業界プラットフォームであるTradeLensによって、サプライ・チェーンの可視性が向上し、文書の作成が簡素化され、プラットフォーム上に新商品を投入する新たな可能性が開けます。これらの特性が、エンドツーエンドのコンテナ・ロジスティクス企業へと転身し、顧客に提供する体験とサービスを向上させることを目指すMaerskの変革に、新たなチャンスをもたらしてくれます。」
TradeLensのメンバーは、データを包括的に把握して、世界中での貨物の移動に合わせて連携することができ、透明性が高くセキュアな、不変のトランザクション記録を残すことが可能になります。
こうしたブロックチェーン技術の特性は、多様なパートナーで形成される大規模ネットワークに最適です。ブロックチェーンによって、ネットワークで行われるあらゆるトランザクションについて不変の共有記録が作成され、許可された参加者がセキュリティーで保護されたデータにリアルタイムでアクセスできるようになるためです。
IBM Global Industries, Clients, Platforms & Blockchain担当シニア・バイスプレジデントのブリジット・ヴァン・クラリンゲン(Bridget van Kralingen)は、次のように述べています。「企業向けブロックチェーンが、これまで解決できなかった問題を解決しています。
TradeLensのようなブロックチェーン・ソリューションは、より高い信頼性と簡潔性、そしてより優れた来歴の把握能力によって、お客様とそのエコシステムのビジネス・プロセス全体に確かな価値をもたらしています。国際貿易でのさらなる大幅な効率化が可能になった今、我々は食品産業や鉱業、貿易金融業、銀行業をはじめとした、ブロックチェーンの価値がこれまでになく顕著となっているさまざまな業界でも、同様の効果を目にしています。」
Hapag-LloydとONEは、それぞれにブロックチェーン・ノードを運用し、合意形成に寄与してトランザクションの認証とデータのホスティングを行い、ネットワークのトラストアンカー(バリデーター)として機能する重要な役割を担うことになります。両社は、サプライ・チェーン全体のメンバーが参加して中立性とオープン性の基準について助言を行う、TradeLensの諮問委員会の代表メンバーとなる予定です。
Hapag-Lloydは、最新のコンテナ船235隻を有し、170万TEUの総輸送能力を誇る、世界有数の定期海運会社であり、世界128カ国に約12,800人の従業員と398のオフィスを擁しています。Hapag-Lloydのコンテナ収容量は約260万TEUに上り、最新型かつ最大級のリーファーコンテナ船隊が、その一部を成しています。世界で121種の定期船サービスを展開することにより、全大陸の600を超える港湾間を迅速かつ確実につないでいます。Hapag-Lloydは大西洋、中東、ラテン・アメリカ、米国で貿易を行う主要な企業の1つです。
Ocean Network Express(ONE)について
Ocean Network Express(ONE)は2017年7月7日に、川崎汽船(“K” LINE)、商船三井(MOL)、日本郵船(NYK)の3社で定期コンテナ船事業を統合し設立されました。シンガポールの本社を中心とし、さらに地域の統括拠点を香港、シンガポール、英国、米国、ブラジルにそれぞれ設立しています。ONEは、約155万TEUの船隊規模を誇る世界第6位のコンテナ海運企業です。210隻を超える船隊を運航し、120種を超えるサービスからなる迅速かつ安定的な国際ネットワークを世界120カ国以上に提供しています。ONEは、国際海運会社によるコンソーシアム「ザ・アライアンス」(THE Alliance、THEA)のメンバーです。
詳しくは、www.one-line.comをご覧ください。
TradeLensについて
TradeLensは、MaerskとIBMが共同開発したプラットフォームです。TradeLensのオープンで中立的な業界プラットフォームは、ブロックチェーン技術に基づいており、世界の海運業界の大手企業によって支えられています。このプラットフォームは、グローバル・サプライ・チェーン全体の連携性と信頼性の向上を促すために、効率的で透明性の高い、安全な情報交換を推進しています。www.tradelens.com(US)
当報道資料は、2019年7月2日(現地時間)にIBM Corporationが発表したプレスリリースの抄訳です。原文は下記URLを参照ください。
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