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IBM調査で判明、世界中の組織の79%ではいまだに女性の登用が優先事項として扱われず

企業での女性登用が優先されなければ世界の管理職のジェンダー格差が2073年まで続く可能性も
2019年03月14日

TOKYO - 14 3 2019: 
2019年3月14日

 

[米国ニューヨーク州アーモンク - 2019年3月6日(現地時間)発]
IBM Institute for Business Valueによる最新の調査では、多くの組織がいまだに女性の登用を正式なビジネス上の優先事項としておらず、世界中の職場で管理職のジェンダー格差が根強く残っていることが明らかとなり、変化を促すための指針が示されました。

「Women, Leadership, and the Priority Paradox(女性と管理職、優先事項をめぐるパラドックス)」と題するこのグローバルな調査は、IBMのInstitute for Business Value(IBV)とOxford Economicsが共同で、管理職でいまだに大きなジェンダー格差が見られる理由と、ジェンダー平等に向けた動きを促進するためにできることについて理解を深めることを目的とし、世界中のさまざまな業界の組織から参加した2,300人のエグゼクティブと担当者(男女同数)を対象に実施されました。この定性調査のほかにも、IBVは世界の6つの地域でエグゼクティブや担当者に対して1対1のインタビューを重ねてきました。

この調査では、対象となった組織の上級管理職に占める女性の割合がわずか18%であることが浮き彫りとなり、その主な要因として次の3点がわかりました。

  • 多くの組織がそのビジネス価値を認めていない:回答者の79%が、ジェンダー平等と経済的成功や競争優位性の向上との相関関係を示す十分な証拠があるにもかかわらず、「組織内で管理職のジェンダー平等を促進する取り組みがいまだに正式な優先事項とされていない」と答えています。
  • 男性が職場におけるジェンダー・バイアスの程度を過小評価している:男性エグゼクティブの65%が、同等の役職に就いている女性の数が少ない現状も顧みず、「たとえ自分が女性だったとしてもおそらく幹部に登用されていたはずだ」と答えています。
  • この問題に対して危機感や当事者意識を示している組織が少ない:多くの組織では、統制のとれた業務執行により業績向上にむけ取り組みを進めていますが、ことダイバーシティーの問題となると「善意」に頼りすぎていて、放任的な態度をとっています。

デジタル・セールス担当シニア・バイス・プレジデント兼最高マーケティング責任者のミッシェル・ペルーソ(Michelle Peluso)は、次のように述べています。「この1年でダイバーシティーに対する世界の注目が高まり、インクルーシブな(多様性を尊重した)チームによりもたらされるビジネス上の利点についても十分に実証されています。今こそビジネス上のその他の最優先課題と同様に、インクルージョン(多様性を尊重した環境)を関心事項から必須事項へと移行させるチャンスです。」

こうした障害があるにもかかわらず、管理職でのジェンダー平等の実現に向け、熱心に取り組んでいる(レポートでは「ファースト・ムーバー(先行者)」と呼ばれている)一連の組織が存在します。サンプル全体のうち12%を占めるこれらの組織は、次のようなよりインクルーシブな環境を醸成する共通の特徴と価値観を持ち、その流れを生み出す方法について他の組織の参考になるロードマップを示しています。

  • ジェンダー・インクルージョンに真剣に取り組んでいる:全てのファースト・ムーバーはいずれの組織も管理職への女性の登用を正式なビジネス上の優先事項としているのに対し、その他の組織のうち同様の取り組みを行っているのはわずか9%でした。
  • 動機として財務改善の可能性を挙げている:全てのファースト・ムーバーはいずれの組織もジェンダー・インクルーシブな組織のほうが経済的に成功するという考えを認めているのに対し、その他の組織でこの考えを認めているのはわずか38%でした。
  • 行動をとることへの責任を認識し、受け入れている:全てのファースト・ムーバーはいずれの組織も企業が職場でのジェンダー平等の実現に向け変化を起こし続ける必要があることを認めています。当社の調査ではその他の組織も大半がこれに同意していますが、行動を取ることへの熱意はファースト・ムーバーのほうが29%高いという結果が出ています。

「ファースト・ムーバーから学んだことは、測定可能な目標を設定し、全社規模でインクルージョンの実現に向けた体系的なアプローチを定めることの重要性です。これには、女性の採用から報酬、育成、定着、昇進までのすべてが含まれます。そして、私たちにはこれらの目標を達成する義務があります」とミッシェル・ペルーソは語っています。

またこの調査から、職場でジェンダー平等を促進する文化を生み出すための重要なステップに関する指針も見えてきます。変化の推進を目指す組織では、組織のあらゆるレベルで業績の目標とインセンティブに直接影響を及ぼす具体的な取り組みを進める必要があります。調査によって示された変化へのロードマップには、次のような必須事項が含まれます。

  • 管理職におけるジェンダー平等をビジネス上の優先事項とする:その他すべての正式なビジネス上の優先事項と同様に、女性の登用を、重要業績評価指標(KPI)、予算、リソースの割り当てとともに組織の正式な事業計画に組み込むことにより、その取り組みを正当化します。また、変化を指揮する上級管理者を1人以上選任します。
  • インクルージョン文化を創出する:ファースト・ムーバーの大多数がそうしているように、組織の戦略的ミッション・ステートメントにジェンダー平等を加え、より柔軟な労働形態と正式な支援活動をサポートするための計画を立てます。
  • 経営幹部がジェンダー平等の実現に対する責任を持つ:経営幹部とは、管理職への女性の登用をビジネス上重要な戦略的優先事項とする権限を実際に持つ上級管理者のことです。さらに、これは、取締役会がビジネスの成長に対して、受託者責任の一環である役割を果たせる場ともなります。

当報道資料は、2019年3月7日(現地時間)にIBM Corporationが発表したプレスリリースの抄訳です。原文は下記URLを参照ください。
https://newsroom.ibm.com/2019-03-07-IBM-Study-Reveals-Advancing-Women-is-Still-Not-a-Priority-for-79-percent-of-Global-Organizations (US)

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