TOKYO - 24 2 2017:
2017年2月24日

株式会社三井住友銀行（頭取：國部 毅、以下「SMBC」）と日本アイ・ビー・エム株式会社（代表取締役社長執行役員：ポール 与那嶺、以下「日本IBM」）は、貿易分野におけるブロックチェーン技術※1の適用可能性に関する実証実験を本年2月より開始することで合意しました。

海外との貿易取引には、商習慣や取引関係等、国内での取引との違いが存在します。SMBCでは、これまで培ってきた貿易金融の知見と、ブロックチェーン技術を活かして、輸出入に必要な貿易関連の書類の電子化と迅速かつ安全な交換、並びに、輸出者、輸入者、フォワーダー、船会社、港湾関係者間での情報連携など、業務プロセスへの適用可能性と影響を検証します。

本検証においては、デモ・アプリケーションを開発し、貿易関係者からのフィードバックに基づく機能追加を予定しています。アプリケーション上では、貿易に関する諸手続きを電子化することで各関係者における貿易事務上の確認作業を簡素化します。また、追加機能例として、取引に付随するデータをIoTにより取得し、物流ステータスの見える化やリアルタイムのデータ分析による商流高精度解析ツールの提供、コグニティブ・コンピューティング※2を利用した障害予測ならびに業務効率化等、先進スタートアップの技術を利用可能なマーケットプレース基盤に加え、輸出入業者間のニーズに応じた決済タイミングを実現できる仕組みを検討しております。アプリケーションを貿易関係者に操作・体験いただくことで、貿易実務上の利用ニーズの把握に活かしてまいります。

SMBCでは、先進動向の調査等を通じてお客さまの様々なニーズにお応えするよう努めております。今回の実証実験は、SMBCの新技術調査等を行うシリコンバレー駐在と日本IBMおよびIBMのグローバルチームとの連携プロジェクトの一環として進めてまいりました。今後もお客さまの多様化するニーズに幅広くお応えするべく、より一層の商品・サービスの向上に取り組んでまいります。

IBMは、Linux Foundationの「ハイパーレジャー・プロジェクト」に参画し、世界各国でブロックチェーン技術の実用に向けた取り組みを実施しています。今回の実証実験で日本IBMは、SMBCが推進する貿易分野への同技術の適用を支援するため、業務プロセスフローの作成やIBMクラウドを活用してデモ・アプリケーションの開発を支援します。

※1: ブロックチェーン技術は、分散台帳・処理により中央機関を必要としないことで、低コストにシステムが構築・運用できることが期待されています。また、各参加者間で迅速かつ安全に電子データを共有することができるという特徴により、関係者が多く、かつ、確実な書類のやり取りが求められる貿易取引との親和性が高いことから、ビジネスチャンスと捉えたベンチャー企業が多数誕生しています。また、世界各地で当領域を検討するコンソーシアムが組成され、世界中の様々な政府機関や金融機関等で実証検証が行われています。

※2: コグニティブ・コンピューティングとは、大量のデータから洞察を導き出し、意思決定を支援する情報システムです。