IBMスタディ「新型コロナウィルス感染症はビジネスの未来をいかに変えるか」を発表
世界の経営層の多くは新型コロナウイルス感染症のパンデミックの影響を受けてデジタルトランスフォーメーションを急速に加速させている、今後の前進の鍵は人と才能
調査対象となったリーダーたちは、スキル不足と従業員の疲弊が前進を妨げる最大の障害としている
こうしたギャップへの取り組みにおいて、経営層と従業員による企業の評価には著しいズレがある

2020年11月6日

[米国ニューヨーク州アーモンク - 2020年9月30日(現地時間)発]世界の経営層を対象にした新たなIBMスタディ「新型コロナウィルス感染症はビジネスの未来をいかに変えるか」では、回答した組織の60%が、新型コロナウイルス感染症のパンデミックによりデジタルトランスフォーメーションを加速させていることが明らかになりました。テクノロジーの未熟さや変化に対する従業員の反発といった従来認識されていた障害は消失し、実際に調査対象となった経営層の66%が、以前抵抗とされていたことへの取り組みは完了したと述べています。

「新型コロナウィルス感染症はビジネスの未来をいかに変えるか」(COVID-19 and the Future of Businessの日本語訳)はこちら (PDF, 302KB)

参加企業は、自社の持続的変革の推進において人材が果たす重要な役割がより明確になってきたとしています。調査対象となったリーダーたちは、組織の複雑さ、スキル不足、および従業員の疲弊を、現在と今後2年間の双方における克服すべき最大の障害として挙げました。今回の調査により、こうしたギャップへの取り組みにおいて、優秀なリーダーと従業員の自社の現状に対する考え方に著しいズレがあることが分かりました。調査対象となった経営層の74%が、自分たちは自社の従業員が新しい働き方に必要とされるスキルを習得する支援をしていると考えているのに対し、調査対象となった従業員の中でこれに同意しているのはわずか38%にすぎません。また調査対象となった経営層の80%が、自分たちは自社の全従業員の心身の健康をサポートしていると回答したのに対して、調査対象となった従業員の中でそうしたサポートを実感していると回答したのはわずか46%にとどまっています。

20カ国22業界の3,800人を超える経営層からの意見や情報が盛り込まれた、IBM Institute for Business Value(IBV)の調査「新型コロナウィルス感染症はビジネスの未来をいかに変えるか」では、調査対象となった経営層たちは、パンデミックによるイニシアティブの急増に直面し、何を重点に置くか苦労しているものの、前進するために取り組むべき重要な分野である、全従業員のスキルや柔軟性といった社内向けかつ業務を遂行する能力を優先する計画であることが明らかになりました。

「多くの組織では、パンデミックによってデジタルトランスフォーメーションに対するかつての障害が取り除かれ、リーダーは自社の業務運営の基幹的側面に対して、次第にテクノロジーに頼るようになってきています」と、IBM Servicesのシニア・バイス・プレジデントであるマーク・フォスター(Mark Foster)は述べています。「しかし将来に目を向けると、リーダーは、自社の従業員はもとより、ワークフローとそれを可能にするテクノロジー・インフラストラクチャーに対しても、より一層フォーカスしていく必要があります。混乱のさなかに従業員の自信、有効性、および幸福を推進するための、共感的なリーダーシップの力を過小評価してはなりません」

本調査により、調査対象となった新たなリーダーたちが存続と繁栄のために進めている3つの先行的ステップが明らかになっています。

業務運営の拡張性および柔軟性の向上
新型コロナウィルス感染症のパンデミックによる現在進行中の混乱により、変化に適応できる構造が企業にとっていかに重要となり得るかが示されています。多くの経営層が、需要変動、リモートワークを行う従業員をサポートするための新たな課題、およびコスト削減要件に直面しています。

さらには、今回の調査により、組織の大半がそれぞれの組織戦略の永続的な変更を進めていることも明らかになっています。例えば、調査対象となった経営層の94%が、2022年までにプラットフォーム・ベースのビジネス・モデルへの参画を予定しており、多くはエコシステムやパートナー・ネットワークへの参加を増加させるつもりであると報告しています。

こうした新たな戦略を実行するには、より拡張性および柔軟性の高いITインフラストラクチャーが必要になる場合があります。経営層はすでにこれを予測しており、本調査の回答者が今後2年の間にクラウド・テクノロジーの優先順位付けを20%増大させる予定であることが示されました。さらに、調査対象となった経営層は、今後2年間で自社のビジネス機能の多くをクラウドへと移行させる予定であり、カスタマー・エンゲージメントとマーケティングが、クラウド化される機能の上位2つとなっています。

AIやオートメーションなどの急成長中の技術を適用してワークフローをインテリジェント化する
新型コロナウイルス感染症のパンデミックにより、多くの企業で中核となる事業の中心にある重要なワークフローとプロセスが破壊されました。回答のあったグローバル企業幹部の取締役会では、ワークフローのインテリジェント化や即応性と安全性の向上を後押しするAIのような技術の重要性が高まっています。今後2年について次のことが分かりました。

  • AI技術の優先度が20%上昇する見込み
  • 調査対象となった幹部の60%がプロセス・オートメーションを加速させたと回答し、また多数がすべてのビジネス機能でオートメーションの適用を進める予定だと回答
  • 調査対象となった幹部の76%がサイバーセキュリティーの優先度を上げる予定だと回答(現状のテクノロジーの2倍)

クラウド、AI、オートメーションなどの急成長中の技術に対する投資が拡大する中で、この技術を利用する社員にリーダーは目を向けるべきであるとIBMは考えます。デジタルツールは、社員のエクスペリエンスを向上させ、社員のイノベーションと生産性向上を支援するものとして設計されるべきです。

新たな方法で従業員を導き、関心を深め、支援する
今回の調査は、新型コロナウイルス感染症のパンデミックでは、従業員の新たな側面に焦点を当てるのが重要だとしています。従業員は以前とは異なる環境で働いているため、個人的に抱えるストレスや不安が高くなっています。

現在進めているIBVの消費者調査では、このパンデミックにおいて、雇用者に対する従業員の期待は変化したということが分かりました。従業員は雇用者に対して、新しい働き方に必要なスキルだけでなく、心身の健康に関しても積極的に支援してほしいと期待するようになりました。

このギャップを埋めるため、IBMは幹部に対して、より一層、従業員に関心を向けて、彼らの包括的な幸福を第一に考えることを提案します。パーソナル・アカウンタビリティを高め、デザイン・シンキングやアジャイル原則、DevOpsのツールと技術を適用した自律型チームでの労働を支援し、共感性の高いリーダーになることが重要です。また組織においても、包括的かつ複数な手段によるスキル開発モデルを採用し、新しい生活様式の中で業務を遂行するのに必要な行動や技術スキルを従業員が習得し、継続的に学習するという文化を育てていくための支援を検討すべきです。

IBM Institute for Business Valueについて
IBM Institute for Business Value(IBV)は、技術とビジネスが交差するというIBMの立場から得られる知見と、産業界の思想家や一流の研究者、その分野の専門家からの見解を組み合わせ、グローバルな調査とパフォーマンス・データを使用して信頼できるビジネス・インサイトを提供します。IBV thought leadership portfolioでは、調査結果を掘り下げ、ベンチマークとパフォーマンス比較、データの視覚化を実施し、地域や業界、技術を横断するビジネス上の意思決定をサポートします。IBVのTwitterは@IBMIBVからフォローいただけます。www.ibm.com/ibv (英語)から申し込んでいただくと、最新情報をメールで受け取ることができます。

IBM Institute for Business Value(日本語Webサイト)

当報道資料は、2020年9月30日(現地時間)にIBM Corporationが発表したプレスリリースの抄訳です。原文は下記URLを参照ください。
https://newsroom.ibm.com/2020-09-30-IBM-Study-Majority-of-Global-C-Suite-Executives-are-Rapidly-Accelerating-Digital-Transformation-due-to-COVID-19-Pandemic-but-People-and-Talent-are-Key-to-Future-Progress (英語)

以上

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