ニュースリリース
データ保護の新しい時代を牽引するメインフレーム新製品
日本IBMは本日、メインフレームのブランド名を「IBM® Z」に変更し、その最新製品である「IBM z14」を発表しました。新製品は1日あたり120億件を超える暗号化トランザクションを処理する能力を備え、アプリケーション、クラウド・サービス、データベースにおける全てのデータを常に暗号化できるようになったことが最大の特長です。
2022年までにサイバー犯罪は世界経済に8兆ドルもの影響を及ぼすと言われています[1]。2013年以降、消失または漏洩したデータ・レコードは90億件を超え、さらにそのうち暗号化されていたのは4%に過ぎず[2]、データ・セキュリティーの対策は企業にとって喫緊の課題となっています。今回の新製品では、企業のセキュリティー責任者やデータ・セキュリティーの専門家、さらに150社を超える世界中のお客様からのフィードバックを反映し、データ保護の能力を大幅に拡張しました。IBM Zはデジタル体験における信頼の根幹を支えるとともに、3つの領域でお客様のビジネス成長を支援します。
また、本日の発表に合わせて、柔軟で簡素化された新しいソフトウェア価格設定を提供するContainer Pricing for IBM Zの導入を発表しました。新しいz/OSアプリケーションや開発・テスト用のワークロードに対して競争力の高い料金を提供するほか、支払いソリューション向けには処理に使用された容量ではなく実際に処理された「支払い数ごと」の料金オプションを設定するなど、予測がしやすく透明性の高い料金体系などが含まれます。これらは2017年末までにz/OS V2.2およびz/OS V2.3で利用可能となる予定です。
IBM Zの価値について、日本IBMの事業責任者、若手社員、そして学生がコメントする動画をご覧ください:
z14の画像はこちらからダウンロード可能です:
https://www.ibm.com/press/us/en/photo/52806.wss
IBM Zの製品ポートフォリオについては、http://www-03.ibm.com/systems/jp/z/index.html、Facebook(https://www.facebook.com/IBMzSystemsJP/)、またはブログ(http://mainframe50jp.tumblr.com/)をご覧ください。
1. 出典:The Future of Cybercrime & Security: Enterprise Threats & Mitigation 2017-2022,” Juniper Research, 2017 (https://www.juniperresearch.com/press/press-releases/cybercrime-to-cost-global-business-over-$8-trn(英語))
2. 出典:Breach Level Index(http://breachlevelindex.com/(英語))
3. 出典:「Pervasive Encryption: A New Paradigm for Protection」K. R. E. Lind(Solitaire Interglobal Ltd.のチーフ・システム・エンジニア)、2017年6月30日
4. 10倍も低い読み取りレイテンシ予測は、I/O割り込みおよびディスパッチングの結果をもたらしたDS8886およびz13の測定を伴うz14およびzHyperLinkの結果に基づいています。この応答時間の予測は、zHPFを使用して類似の構成を備えるzHyperLink Expressと対比したIBM社内の測定および予測に基づいています。この測定および予測は、75%以上のワークロード応答時間が読み取りDASD I/Oに関連し、ストレージ・システムのランダム読み取りキャッシュ・ヒット率が80%を超えることを前提としています。両シナリオの実行環境は、10のCPを備えるz14でした。zHPFテストは、DS8886に接続されたFICON Express 16S+を使用しました。zHyperLinkテストも、DS8886を使用して行われました。ユーザーが経験する実際のパフォーマンスは異なる可能性があります。
5. クリア・キー暗号化のAES_128_GCM暗号を使用してz14 Linux on zでWebSphere Libertyを実行しているお客様は、IBM Java 8 SR5を使用することで、x86と比較して、コアあたりのスループットを最大2.6倍向上させることができます。パフォーマンス結果は、SSLクリア・キーとTLS_ECDHE_ECDSA_WITH_AES_128_GCM_SHA256暗号を使用してWebSphere Liberty 8.5.5.9でDayTrader 3を実行したIBMの社内テストに基づいています。Liberty DayTrader 3による測定は、合計8つのハードウェア・スレッドに対するSMTで構成された4つのIFLを搭載した、SLES 12 SP1を実行するIBM z14上の独立した専用LPARで行われました。Libertyは、IBM 64-bit SDK for z/OS、Java Technology Editionバージョン8サービス・リフレッシュ5(Java 8 SR5)を使用しました。テスト対象のLiberty LPARでは他のワークロードは実行されていませんでした。パフォーマンス結果を検証するために、Liberty LPARのハードウェア計測データの収集と分析が行われました。このz14システムには、他にも2つのLPARがあり、1つはアプリケーション・データを保持するためのIBM Java 8 SR5 IBM DB2 11 for z/OSIBM DB2 11 for z/OSに使用され、もう1つではSLES 12 SP1とDayTrader 3に対して負荷をかけるJMeter 2.9が実行されていました。z14 HiperSocketsがすべてのネットワーク・トラフィックで使用されていました。技術的に同等なため、z14の結果はLinuxONE Emperor IIシステムにも当てはまります。比較対象のLibertyのx86 DayTrader 3の測定は、IntelXeon CPU E5-2690 v4(動作周波数2.60GHz)、4つのコア/8つのハードウェア・スレッド、97GBのメモリー、RHEL 7.2を搭載し、ハイパー・スレッディングとHugePagesが有効になっている、独立したWebSphere Liberty 8.5.5.9サーバーで行われました。Libertyは、OpenJDK 8_131を使用していました。第2のx86システムは、アプリケーション・データを保持するためにDB2 V10.1を実行していました。この第2のx86システムは、Intel XeonCPU E7- 2830(動作周波数2.13GHz)、8つの物理コアと8つの論理コア、16GBのメモリー、RHEL 5.7を搭載し、ハイパー・スレッディングが無効になっていました。第3のx86システムは、DayTrader 3に負荷をかけるJMeter-2.12を実行していました。この第3のx86システムは、IntelXeon CPU E5-2650 v2(動作周波数2.60GHz)、16個の物理コアと32個の論理コア、197GBのメモリー、RHEL 7 GA x86-64を搭載し、ハイパー・スレッディングが有効になっていました。ネットワーク・トラフィックは、すべて10GBネットワーク経由でした。
6. 暗号化を使用せずにz14 Linux on zでWebSphere Libertyを実行しているお客様は、IBM Java 8 SR5を使用することで、x86と比較して、コアあたりのスループットを最大1.6倍向上させることができます。パフォーマンス結果は、SSLクリア・キーとTLS_ECDHE_ECDSA_WITH_AES_128_GCM_SHA256暗号を使用してWebSphere Liberty 8.5.5.9でDayTrader 3を実行したIBMの社内テストに基づいています。Liberty DayTrader 3による測定は、合計8つのハードウェア・スレッドに対するSMTで構成された4つのIFLを搭載した、SLES 12 SP1を実行するIBM z14上の独立した専用LPARで行われました。Libertyは、IBM 64-bit SDK for z/OS、Java Technology Edition バージョン8サービス・リフレッシュ5(Java 8 SR5)を使用しました。テスト対象のLiberty LPARでは、他のワークロードは実行されていませんでした。パフォーマンス結果を検証するために、Liberty LPARのハードウェア計測データの収集と分析が行われました。このz14システムには他にも2つのLPARがあり、1つはアプリケーション・データの保持のためのIBM Java 8 SR5 IBM DB2 11 for z/OSに使用され、もう1つはSLES 12 SP1とDayTrader 3に対して負荷をかけるJMeter 2.9を実行されていました。z14 hiperSocketsは、すべてのネットワーク・トラフィックに使用されました。技術的に同等なため、z14の結果はLinuxONE Emperor IIシステムに対しても有効です。Liberty上にある比較対象のx86 DayTrader 3測定は、Intel XeonCPU E5-2690 v4(2.60GHz)、ハイパー・スレッディング有効、4コア/8ハードウェア・スレッド、メモリー容量97GB、RHEL 7.2、HugePage有効の独立したWebSphere Liberty 8.5.5.9サーバーで行われました。LibertyはOpenJDK 8_131を使用しました。2つ目のx86システムは、アプリケーション・データの存続に使用されるDB2 V10.1を実行しました。この2つ目のx86システムは、Intel Xeon CPU E7- 2830(2.13GHz)、ハイパー・スレッディングなし、CPU:8つの物理コアおよび8つの論理コア、メモリー容量16GB、RHEL 5.7でした。3つ目のx86システムは、DayTrader 3に負荷をかけるJMeter-2.12を実行しました。この3つ目のx86システムは、IntelXeon CPU E5-2650 v2(2.60GHz)、ハイパー・スレッディング有効、CPU:16の物理コアおよび32の論理コア、メモリー容量197GB、RHEL 7 GA x86_64でした。すべてのネットワーク・トラフィックは、10GBネットワーク経由でした。
- 妥協なきセキュリティー
z14は初めて、システムに関わる全てのデータをOSレベルでハードウェア暗号化の機能を使用して一度に暗号化できるようになりました。現行の暗号化ソリューションはCPU負荷が高くシステムの処理性能や応答時間に影響を与え、また暗号化するフィールドの選定や管理に多くの工数がかかっていました。今回、暗号化アルゴリズム専用の回路を4倍にすることで暗号化処理性能を前モデルであるIBM z13比で最大7倍に増強した結果、クラウド規模のバルク暗号化が可能となりました。これは特定のデータ領域に限定した暗号化処理を行う現在のx86システムと比較すると18倍高速で、コストは5%です[3]。
また、ハッカーの標的となりやすい暗号化キーを保護するためのハードウェアを搭載しています。このハードウェアは、侵入の徴候があるとキーを無効化させ、その後、安全に復活させることができます。z14のキー管理システムは連邦情報処理標準(FIPS)レベル4標準に準拠しており、システムの外にあるクラウドのストレージ・システムやサーバー、その他のデバイスやアプリケーション全体を保護します。 - 機械学習による新たな価値の創造
z14は前モデルの z13比で約3倍となる32TBのメモリーが最大で搭載可能となり、分析処理の応答時間の短縮およびスループットの増大を実現しています。またzHyperLinkを利用することでストレージ・エリア・ネットワーク応答時間をz13に比べて10分の1に短縮し、アプリケーションの応答時間を半減します[4]。これらのマシン性能向上に加えて、本年2月に発表されたIBM Machine Learning for z/OSを用いた機械学習により、業務分析モデルの作成、学習、展開を自動化することが可能になり、リアルタイム分析の効率性が大幅に向上します。メインフレームに蓄積された日々のトランザクションで生じる膨大な機密データを外部システムに移動させず、z14の内部でリアルタイムにデータとモデルを継続して分析、予測、最適化し、洞察を得るまでの時間を短縮します。 - クラウド連携による俊敏なサービス提供
z14では、クラウド・サービスとの連携がよりスムーズになります。クラウド開発者はIBM z/OS Connectを使用してAPI経由でIBM Z上にある重要なビジネス・アプリケーションやデータと連携するサービスを開発しています。z14では、APIを使用してデータやアプリケーションにアクセスする際の暗号化処理を、x86を基盤にした代替テクノロジーより3倍近い速さで実行することが可能です。 [5]。また、x86システムよりも50%高速にJavaワークロードを実行可能となっており [6] 、z14を中核としたハイブリッド・クラウド環境を利用するお客様は、重要な資産を守りながら新しいサービスの展開を加速できます。また、IBM Zはブロックチェーンのクラウド基盤として採用されており、IBMブロックチェーン・グローバル・データ・センター全体の暗号化エンジンの役割を果たしています。
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