[米国ニューヨーク州アーモンク - 2017年7月11日（現地時間）発]
IBM（NYSE：IBM）は本日、大手クラウド・プロバイダーとして初めて、IBMクラウド上で次世代のIntel Xeon Scalableプロセッサーを搭載したベアメタル・サーバーをグローバルに導入することを発表しました。Intel Xeon Silver 4110プロセッサーとIntel Xeon Gold 5120/6140プロセッサーを搭載したIBMクラウド上の新しいベアメタル・サーバーは、パフォーマンスを高め、ビッグデータ・ワークロードからの洞察の生成を迅速化するために役立ちます。また、これにより、IBMクラウドのグローバルな展開とセキュリティーを強化した環境が実現されます。

データは、金融サービス、製造、ヘルスケアなどの業界の企業にとって、急速に極めて重要な競争差別化要因の1つとなっています。2020年までに、すべての関連データを分析し、実践的な情報を提供できる企業では、同業者に比べて4,300億ドルに相当する生産性のメリットが達成されるとIDCは推定しています。データ量が急速に増大するにつれて、このような貴重な洞察を迅速かつ容易に生成するために、企業には高いレベルのパフォーマンスと効率性が要求されるようになります。

最新のIntel Xeon Scalableプロセッサーを搭載したIBMクラウドのベアメタル・サーバーを利用することにより、企業は、前世代のプロセッサーよりも最大63%高速に、複雑な金融シミュレーション、製造設計シミュレーション、ゲノム解析などの高性能コンピューティング・ワークロードを実行できるようになります。これにより、基幹業務データから洞察を得るためにかかる時間が短縮されます。インテルによると、新しいプロセッサー・テクノロジーによって、金融サービス・ワークロードでは最大2.3倍、製造ワークロードでは最大1.5倍、ライフ・サイエンス・ワークロードでは最大1.7倍高速に洞察を得ることが可能になります。

パフォーマンスの向上に加えて、新しいベアメタル実装オプションでは、顧客の極めて機密性の高いビッグデータ・ワークロードに対して、高度にカスタマイズ可能でセキュリティーが強化された専用環境も提供されます。顧客が自社のデータから新たな洞察を得ることを支援するために、IBMクラウドでは、コグニティブやアナリティクスからブロックチェーンやIoTに至るまで、160を超えるAPIとサービスへのシームレスなアクセスが提供されます。IBMは、データ集約型ワークロード向けのPOWERベースのオファリングと、コグニティブ・コンピューティングや高性能コンピューティング向けのGPUなど、クラウドに対して最も高速で包括的なテクノロジーを提供することに取り組んでいます。また、プライベート・クラウド環境やハイブリッド・クラウド環境を活用している企業向けに、IBMは、IBM Power SystemsやZ Systemsを含む複数のプラットフォームを利用しています。

IBMのクラウド・インフラストラクチャー・サービス担当ゼネラル・マネージャーであるジョン・コンシダイン（John Considine）は、次のように述べています。「IBMクラウドは、意思決定の改善と変革的な成長のために、企業がデータを十分に活用するために必要な基盤を提供します。IBMは、お客様が自社のデータから得られる価値を継続的に高めることができるように、最新のインフラストラクチャー・テクノロジーへのアクセスを提供することに取り組んでいます。IBMクラウドにおけるIntel Xeon Scalableプロセッサーの導入は、この取り組みにおける新たな画期的成果です。」

Intel Xeon Scalableプロセッサーを搭載したIBMクラウドのベアメタル・サーバーは、2017年第3四半期に、米国、英国、ドイツ、オーストラリアのIBMクラウド・データセンターから世界中で利用可能になります。

脚注、参考情報
[1] IDC FutureScape: Worldwide Big Data and Analytics 2016 Predictions http://www.idc.com/getdoc.jsp?containerId=259835（英語）

[2] WRF（Weather Research Forecasting）の計算速度が最大1.6倍向上。Conus 12Km, HOMME, LSTCLS-DYNA Explicit, INTES PERMAS V16, MILC, GROMACS water 1.5M_pme, VASPSi256, NAMDstmv, LAMMPS, Amber GB Nucleosome, Binomial option pricing, Black-Scholes, Monte Carlo European options. 本結果は、情報提供を目的として、Intel社の分析結果を元に試算されたものです。物理構成やシステム構成、ソフトウェアの実装によって実際の性能が変わる可能性があります。パフォーマンス計測において、各種ソフトウェアとそのワークロードはIntelマイクロプロセッサー用に最適化されたものを利用しています。SYSmarkやMobileMarkのようなパフォーマンス計測は、特定のコンピューターシステム、コンポーネント、ソフトウェア、および機能がそろった環境下で実施されています。構成された要素がひとつでも変わると結果が変わる可能性があります。お客様は、お客様が利用されようとしているシステムの構成において、どの程度のパフォーマンスとなるかを検討していただく必要があります。パフォーマンスに関する詳細情報は、以下のサイトをご参照ください。
http://www.intel.com/performance/datacenter（英語）

• INTES社のPERMASは、さまざまな物理モデルを高パフォーマンス、高品質、また高信頼性をもって処理できる有限要素解析ソルバーです。自動車業界、船舶業界、航空業界などさまざまな業界の設計で広く利用されています。本パフォーマンスは以下の構成を比較して実施されました。
  
  比較構成①
  E5-2697 v4: 2S Intel® Xeon® processor E5-2697v4, 2.3GHz, 18 cores, turbo on, HT off, NUMA on
  BIOS 338.R00
  256 GB total memory (8x 32GB w/ 2400 MT/s, DDR4 LRDIMM)
  4x Intel® SSD DC P3600 2 TB in RAID 0 (stripe size 64k)
  CentOS Linux* release 7.2, kernel 3.10.0-327.13.1.el7.x86_64
  Intel® Composer 2015.5.223
  INTES PERMAS V16.00
  
  比較構成②
  Gold 6148: Intel® Xeon® Gold 6148 processor, 2.4 GHz, 20 cores, turbo on, HT off, NUMA on
  BIOS SE5C620.86B.01.00.0412.020920172159
  384 GB total memory (12x 32GB w/ 2400 MT/s, DDR4 LRDIMM)
  3x Intel® SSD DC P3600 2 TB in RAID 0 (stripe size 64k)
  CentOS* Linux* release 7.3, kernel 3.10.0-514.10.2.el7.x86_64
  Intel® Composer 2015.7.235. 
  INTES PERMAS V16.00
• LS-Dynaは衝突解析において最も利用されている製品です。自動車業界、航空業界、建設・建築、製造やバイオエンジニアリングなどの業界において広く利用されています。本パフォーマンスは、200万要素のCar2Carのモデルで120ミリ秒のシミュレーション結果に基づきます。以下の構成を比較して実施されました。
  
  比較構成①
  E5-2697 V4: 2S Intel® Xeon® processor E5-2697 v4, 2.3GHz, 18 cores, turbo and HT on
  BIOS SE5C610.86B.01.01.0016.033120161139
  128GB total memory, 8 memory channels / 8x16GB / 2400 MT/s / DDR4
  Red Hat Enterprise Linux* 7.3 kernel 3.10.0-229.20.1.el6.x86_64.knl2
  
  比較構成②
  GOLD 6148: 2S Intel® Xeon® Gold 6148 processor, 2.4GHz, 20 cores, turbo and HT on
  BIOS version 412
  192GB total memory, 12 memory channels / 12x16GB / 2400 MT/s / DDR4
  Red Hat Enterprise Linux* 7.3 kernel 3.10.0-514.el7.x86_64
• 二項モデルにおける評価は、時々刻々と変わる金融商品の価格を評価する際に利用される離散時間モデルを利用した格子モデルです。この計算手法は、倍精度の計算速度に依存しています。
  本パフォーマンス比較は、FSI二項モデルを用いて測定されました。
  
  比較構成①
  E5-2697 v4: 2S Intel® Xeon® processor CPU E5-2697 v4, 2.3GHz, 36 cores, turbo and HT on
  BIOS 86B0271.R00
  128GB total memory, 8 slots / 16GB / 2400 MT/s / DDR4 RDIMM
  1 x 1TB SATA
  Red Hat Enterprise Linux* 7.2 kernel 3.10.0-327
  
  比較構成②
  Gold 6148: Intel® Xeon® Gold 6148 processor, 2.4GHz, 40 cores, turbo and HT on
  BIOS 86B.01.00.0412
  192GB total memory, 12 slots / 16 GB / 2666 MT/s / DDR4 RDIMM
  1 x 800GB INTEL SSD SC2BA80
  Red Hat Enterprise Linux* 7.2 kernel 3.10.0-327
• モンテカルロは、統計的サンプリング手法を用いて定量的問題の近似解を導き出す数値的方法です。金融業界では、複合的な金融商品、ポートフォリオ、投資を評価する目的でモンテカルロ・アルゴリズムが使用されています。この計算手法は、倍精度の計算速度に依存しています。本パフォーマンス比較は、FSIモンテカルロ・モデルを用いて、2017年3月にインテルによって測定されました。 
  
  比較構成①
  E5-2697 v4: 2S Intel® Xeon® processor CPU E5-2697 v4 , 2.3GHz, 36 cores, turbo and HT on
  BIOS 86B0271.R00
  128GB total memory, 8 x16GB 2400 MHz DDR4 RDIMM
  1 x 1TB SATA
  Red Hat Enterprise Linux* 7.2 kernel 3.10.0-327
  
  比較構成②
  Gold 6148: Intel® Xeon® Gold 6148 processor@ 2.4GHz, H0QS, 40 cores 150W. QMS1, turbo and HT on
  BIOS SE5C620.86B.01.00.0412.020920172159
  192GB total memory, 12 x 16 GB 2666 MHz DDR4 RDIMM
  1 x 800GB INTEL SSD SC2BA80
  Red Hat Enterprise Linux* 7.2 kernel 3.10.0-327
• ブラック-ショールズは、金融業界において、ヨーロピアン・オプションを評価する目的で一般的に使用される数学的モデルです。これは倍精度バージョンです。
  
  比較構成①
  E5-2697 v4: 2S Intel® Xeon® processor CPU E5-2697 v4, 2.3GHz, 36 cores, turbo and HT on
  BIOS 86B0271.R00
  128GB total memory, 8 x16GB 2400 MHz DDR4 RDIMM
  1 x 1TB SATA
  Red Hat Enterprise Linux* 7.2 kernel 3.10.0-327。
  
  比較構成②
  Gold 6148: Intel® Xeon® Gold 6148 processor@ 2.4GHz, H0QS, 40 cores 150W. QMS1, turbo and HT on
  BIOS SE5C620.86B.01.00.0412.020920172159
  192GB total memory, 12 x 16 GB 2666 MHz DDR4 RDIMM
  1 x 800GB INTEL SSD SC2BA80
  Red Hat Enterprise Linux* 7.2 kernel 3.10.0-327
• Amber*は、古典的な分子動力学および統計分析向けのプログラム群です。主な分子動力学プログラムとしてPMEMD（Particle Mesh Ewald Molecular Dynamics）があり、陰溶媒と陽溶媒の動力学向けの2つの異なるアルゴリズムが採用されています。ここでは、陽溶媒（PME）のパフォーマンスが示されています。Amber：2016年12月にすべてのパッチが適用されたバージョン16。ワークロード：PME Cellulose NVE（408,000原子）、PME stmv（1,000,000原子）、GB Nucleosome（25,000）、GB Rubisco（75,000）。GBワークロードでカットオフは使用されていません。-mic2_spdp –intelmpi – openmp、–DMIC2*の定義でコンパイルされています。2017年3月にテストが実施されました。
  
  比較構成①
  E5-2697 v4: Executed with 36 MPI, 2 OpenMP. 2S Intel® Xeon® processor E5-2697 v4, 2.3GHz, 36 cores, turbo and HT on
  BIOS 86B0271.R00, 8x16GB 2400MHz DDR4
  Red Hat Enterprise Linux* 7.2 kernel 3.10.0-327
  
  比較構成②
  Gold 6148: Executed with 40 MPI and 2 OpenMP. 2S Intel® Xeon® Gold 6148 processor, 2.4GHz, 40 cores, turbo on, HT on
  BIOS 86B.01.00.0412.R00, 12x16GB 2666MHz DDR
  Red Hat Enterprise Linux* 7.2 kernel 3.10.0-327
• VASPの構成：VASP（Vienna Ab initio Simulation Package）は、原子スケールの材料モデリング向けのコンピューター・プログラムであり、第一原理の電子状態計算や量子分子動力学を実施します。VASPは、材料特性の計算を高速かつ正確に行える機能を科学者に提供し、DFTやDFT-HFから乱雑位相近似（GW、ACDFT）までの幅広いMD法に対応します。ベータ版VASP（v6.0のリリース候補版）。ダウンロード（https://github.com/vasp-dev/vasp-knl）に含まれる「パッケージ」として提供される開発者ブランチ。AVX512：Intel® Compiler 17.0.1.132、Intel® MPI 2017u1、ELPA 2016.05.004。最適化フラグ：「-O3 -xCORE-AVX512」。AVX2：Intel® Compiler 17.0.1.132、Intel® MPI 2017u1、ELPA 2016.05.004。最適化フラグ：「-O3 -xCORE-AVX2」。
  
  比較構成①
  E5-2697 v4: 2S Intel® Xeon® processor E5-2697 v4 2.3 GHz, 18 Cores/Socket, 36 Cores, 72 Threads, HT on, turbo off
  BIOS 86B0271.R00
  128GB total memory, 2400 MT/s DDR4 RDIMM
  Red Hat Enterprise Linux* 7.2 kernel 3.10.0-327
  
  比較構成②
  Gold 6148: Dual Socket Intel® Xeon® processor Gold 6148 2.4 GHz, 20 Cores/Socket, 40 Cores, 80 Threads, HT on, turbo off
  BIOS 86B.01.00.0412
  192GB total memory, 2666 MT/s / DDR4 RDIMM
  Red Hat Enterprise Linux* 7.2 kernel 3.10.0-327
• NAMD：2002年にゴードン・ベル賞を受賞したNAMDは、大規模な生体分子系のハイパフォーマンス・シミュレーション向けに設計された並列分子動力学コードです。NAMDは、Charm++並列オブジェクトに基づいており、一般的なシミュレーションにおいては数百コアに対応し、最大規模のシミュレーションにおいては200,000を超えるコアに対応します。バージョン2.12（2016年12月）。ワークロード：apoa1（92,000原子）、stmv（1,000,000原子）。–DNAMD_KNL*の定義でコンパイルされています。2017年3月にテストが実施されました。
  
  比較構成①
  E5-2697 v4: 2S Intel® Xeon® processor E5-2697 v4, 2.3GHz, 36 cores, turbo and HT on
  BIOS 86B0271.R00
  8x16GB 2400MHz DDR4
  Red Hat Enterprise Linux* 7.2 kernel 3.10.0-327
  コンパイラーのオプション「-xCORE-AVX2」
  
  比較構成②
  Gold 6148: 2S Intel® Xeon® Gold 6148 processor, 2.4GHz, 40 cores, turbo on, HT on
  BIOS 86B.01.00.0412.R00
  12x16GB 2666MHz DDR
  Red Hat Enterprise Linux* 7.2 kernel 3.10.0-32
  コンパイラーのオプション「-xCORE-AVX512」
• LAMMPS：LAMMPSは古典的な分子動力学コードであり、Large-scale Atomic/Molecular Massively Parallel Simulatorの頭文字からなる名称です。LAMMPSは、より優れた治療法の開発、代替エネルギー機器の改善、新素材の開発などを目的とした原子運動のシミュレーションに使用されています。
  
  比較構成①
  E5-2697 v4: 2S Intel® Xeon® processor E5-2697 v4, 2.3GHz, 36 cores, Intel® Turbo Boost Technology and Intel® Hyperthreading Technology on
  BIOS 86B0271.R00
  8x16GB 2400MHz DDR4
  Red Hat Enterprise Linux* 7.2 kernel 3.10.0-327
  
  比較構成②
  Gold 6148: 2S Intel® Xeon® Gold 6148 processor, 2.4GHz, 40 cores, Intel® Turbo Boost Technology and Intel® Hyperthreading Technology on
  BIOS 86B.01.00.0412.R00
  12x16GB 2666MHz DDR4
  Red Hat Enterprise Linux* 7.2 kernel 3.10.0-327
• GROMACSは、古典的な分子動力学シミュレーションを行う汎用性のあるパッケージです。最新のプラットフォーム向けに十分な最適化が行われており、極めて高いパフォーマンスを実現します。GROMACS AVX2の構成：バージョン2016.3：ftp://ftp.gromacs.org/pub/gromacs/gromacs-2016.3.tar.gz。Intel® Compiler 17.0.1.132、Intel® MPI 2017u1。最適化フラグ：「-O3 -xCORE-AVX2」。Cmakeのオプション：「-DGMX_FFT_LIBRARY=mkl -DGMX_SIMD=AVX2_256」。GROMACS AVX512の構成：バージョン2016.3：ftp://ftp.gromacs.org/pub/gromacs/gromacs-2016.3.tar.gz。Intel® Compiler 17.0.1.132, Intel® MPI 2017u1。最適化フラグ：「-O3 -xCORE-AVX512」。Cmakeのオプション：「-DGMX_FFT_LIBRARY=mkl -DGMX_SIMD=AVX_512」。
  
  E5-2697 V4: GROMACS AVX2 binary, Dual Socket Intel® Xeon® processor E5-2697 v4 2.3 GHz, 18 Cores/Socket, 36 Cores, 72 Threads (HT on, Turbo on), DDR4 128GB, 2400 MHz, Red Hat 7.2。
  
  Gold 6148: GROMACS AVX512 binary, Dual Socket Intel® Xeon® processor Gold 6148 2.4 GHz, 20 Cores/Socket, 40 Cores, 80 Threads (HT on, Turbo on), DDR4 192GB, 2666 MT/s DDR4 RDIMMs, Red Hat 7.2。

当報道資料は、2017年7月11日（現地時間）にIBM Corporationが発表したプレスリリースの抄訳です。原文は下記URLを参照ください。
http://www.ibm.com/press/us/en/pressrelease/52759.wss（US）