ニュースリリース
IBM、世界初のマルチクラウド管理テクノロジーを発表
TOKYO - 17 10 2018:
2018年10月17日
[米国ニューヨーク州アーモンク - 2018年10月15日(現地時間)発] -- IBM(NYSE: IBM)は本日、異なるクラウド・コンピューティング・インフラストラクチャー間でのアプリの管理、移行、および統合をより容易にする新しいオープン・テクノロジーを発表しました。IBMのMulticloud Manager (US) は、パブリックおよびプライベート・クラウド機能を既存のオンプレミス・システムと徐々に統合していく企業のために運用コンソールを提供します。
IBMビジネス・バリュー・インスティテュート(IBM Business Value Institute)の新しい報告(US) によると、今日では調査に回答したほぼすべての企業が何らかのクラウド・コンピューティングを使用しており、85%が複数のクラウド環境を使用しています。しかし、Ovumの調査によれば、クラウドの急速な普及は目覚ましいものの、80%の基幹ワークロードや機密データは、パフォーマンスや規制要件の問題が影響して、依然としてオンプレミス・システムで実行されています。
IBMはこれに対処するために、ビジネス・プロセスに対する可視性、ガバナンス、およびセキュリティーを強化して、調和された「マルチクラウド」システムの構築をより容易に支援する新しいテクノロジーを発表します。本ソリューションはIBM Cloud上で最適化されていますが、Amazon、Red Hat、Microsoftといったさまざまなプロバイダーが提供するクラウド上のワークロードを管理・統合するためのビジネスの能力を拡張します。
IBM Hybrid Cloud担当SVP、アーヴィン・クリシュナ(Arvind Krishna)は次のように述べています。「IBM Multicloud Managerは、複数クラウド上でのデータとアプリの管理に対するオープン・ソース・アプローチを提供します。このアプローチにより、企業はクラウドへの数多くの投資をスケーリングし、クラウドのビジネス価値を完全に享受することができます。そして、コンピューティング・パワーのレンタルという生産的な経済性に留まらず、クラウドをフルに活用し、新しいビジネス・プロセスを考案して、新しい市場に参入することが可能になります。」
新世代のクラウド・テクノロジー
IBMの新しいMulticloud Manager (YouTube, 2分28秒, 英語) は、Kubernetesコンテナー・オーケストレーション・テクノロジーをベースとするIBM Cloud Privateプラットフォーム上で動作します。コンテナー内にアプリを「ラッピング」するためのオープン・ソース・アプローチにより、オンプレミス・システムからパブリック・クラウドまで、さまざまなクラウド環境にまたがるアプリの管理をより簡単に低コストで行うことができます。IBMは先週、数百ものグローバル組織がIBM Cloud Privateを頼みとして組織を変革していることを発表しました。
IBMは今回Multicloud Managerによってこれらの機能を拡張して、異なるプロバイダーのオファリングを含むさまざまなクラウドを相互接続し、一段と優れた一貫性、自動化、予測可能性を持つ統合システムを形成します。新しいソリューションの中心は、この種のソリューションとしては初めてのダッシュボード・インターフェースです。これにより数千のKubernetesアプリケーションの管理と大量のデータへの対応を、それらが組織内のどこにあるかに関係なく、効果的に実行できます。
ビジネスに大きなメリットを提供
新しいソリューションは大変革をもたらして世界中のビジネスをモダナイズすると予想されます。たとえば、レンタカー会社がAIサービスのためにクラウドを使用し、予約システムには別のクラウドを使用し、財務プロセスは世界各地のオフィスにあるオンプレミス・コンピューターで運用しているような場合、IBM Multicloud Managerであればその会社が運用する複数のコンピューティング・インフラストラクチャーを統制することができるため、その結果、同社の顧客は同社のモバイル・アプリを使用して瞬時のうちにレンタカーを予約することができるようになります。
IBMの新しいMulticloud Managerは、次のような先進的な機能とメリットをもたらします。
- 複数クラウド間での可視性が改善 – 運用チームと開発チームは、異なるクラウドやクラスターに存在するKubernetesのアプリケーションとコンポーネントを、単一のコンソール画面で確認することができます。
- ガバナンスとセキュリティーが向上 – 統合コンプライアンス/ルール・エンジンを使用することで、企業のKubernetesアプリケーションは企業のコンプライアンス・ポリシーとセキュリティー標準を常に確実に遵守します。
- 一貫したアプリケーション管理 – ユーザーは柔軟性を高めて、ITとアプリの運用管理を簡素化することができます。また、ボタンをクリックすることでKubernetes環境のオーケストレーションと管理を行うことができます。
IBM Multicloud Managerの提供は2018年10月から開始します。
アナリストの言葉
IDCのプログラム担当バイス・プレジデント、スティーブン・エリオット(Stephen Elliot)氏は次のように語っています。「すべてをパブリック・クラウドに移行するという初期のアイデアは実現しませんでした。その代わりに、クラウド市場は、多数のクラウド・プラットフォームとベンダーを利用しながらオンプレミス・システムの維持を希望する顧客のニーズに合わせて発展しました。このアプローチの課題は『統合』です。多くのIT企業はマルチクラウドについて語ってきましたが、これまでのユーザー・エクスペリエンスは断片化したものでした。ITとビジネスのエグゼクティブは、リスクを軽減してクラウド・ジャーニー全体で自動化をより推進するマルチクラウド機能を求めています。」
Ovumの上級アナリスト、ロイ・イルズリー(Roy Illsley)氏は次のように述べています。「クラウド・コンピューティングはその進化における大きな転換点にあります。ビジネス・プロセスの20%はすでにクラウドに移行していますが、基幹ワークロードと機密データの80%は、パフォーマンスと規制要件の理由から、今もオンプレミスのビジネス・システム上で実行されています。しかし、2019年には、クラウドで実行されるワークロードの割合は40%を超えると見込まれており、企業顧客は今後、ビジネスとITの多様なニーズに対応できるマルチクラウド・システムに移行することが予想されます。」
「今日、企業向けのほとんどの機能は、マルチクラウド環境で運用されているのが実状ですが、非常に多くの場合、これはサイロ化された環境で行われています。IT部門は複数クラウドへの組織の進出を無視したり抑制したりするのではなく、企業のマルチクラウド基盤の促進、オーケストレート、最適化を改善する必要があります。調和されたマルチクラウド・プラットフォームを構築する企業は、今後、競争優位性の強化とコスト削減を実現することができます。」
IBM Institute of Business Value report: Assembling Your Cloud Orchestra (US)
IBM Cloudについて
過去12カ月にクラウド収益が185億ドルに達したIBMは、企業向けクラウドのグローバル・リーダーであり、企業と社会の進化するニーズを満たすために設計されたプラットフォームを備えています。生産性とコスト削減だけにとどまらず、IBM Cloudは、今日の企業の真の差別化を推進しているAIとデータの需要に対応しています。IBMのプライベート、パブリック、およびハイブリッド・オファリングは、多くの業界でのイノベーションをサポートするために、グローバル規模のビジネス・ニーズを満たします。
当報道資料は、2018年10月15日(現地時間)にIBM Corporationが発表したプレスリリースの抄訳です。原文は下記URLを参照ください。
https://newsroom.ibm.com/2018-10-15-IBM-Unveils-Worlds-First-Multicloud-Management-Technology (US)
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