ニュースリリース

IBM調査: AIは2030年に向けて、継続的な事業成長をけん引する存在として台頭

調査対象の経営層は、2030年までにAI支出は業務効率化からイノベーションへと重心をシフトすると予測
AIによる生産性向上は42%に達すると見込まれ、成長に向けた再投資を後押し
67%の経営層は、「現在の成長を妨げている資源やスキルの制約を、AIが解消する」と予想
2026年03月12日

日本IBMは、IBM のシンクタンク組織であるIBM Institute for Business Value (IBV) による新レポート「エンタープライズ2030 – AIと拓く、5つの勝ち筋」の日本版を公開しました。

調査によると、調査対象となった経営層のおよそ8割 (世界79%、日本82%)が、「AIは2030年までに自社の収益に大きく貢献する」と予想していることが明らかになりました。これは現時点での40% からの大幅な増加です。一方で、「収益源が何になるか」を明確に描けている経営層は4分の1程度(世界24%、日本17%)にとどまっています。

このような不確実性にもかかわらず、AIへの投資は加速しています。回答者は、現在から2030年にかけてAI投資は増加する(世界150%, 日本137%)と予測しています。同時に、調査対象の経営層の約7割(世界68%, 日本72%)が、中核業務と十分に結びつかないまま進められることで、AIの取り組みが失敗に終わることを懸念しています。

 

IBM Consultingのシニア・バイスプレジデントであるモハマド・アリ(Mohamad Ali)は、次のように述べています。「AIはビジネスモデルを強化するだけではありません。2030年にはAIそのものがビジネスモデルになるでしょう。到達点が見えていない状況で勝ち続けることができるCEOは、やみくもに競争優位を追い求めません。競争優位を仕組みとして作り込むのです。そうした企業は強力なAI資産を保有し、競合よりも迅速に行動し、イノベーションを素早く市場に投入し、テクノロジーと自動化を通じて、測定可能で実質的なビジネス成果を創出していきます」

 

2,000人の経営層の知見に基づく本グローバル調査は、2030年に向けてAIが企業成長の強力な推進力として台頭していることを示しています。調査結果は、多くの経営層が期待と成果の間にギャップを抱える中でも、将来の成功はより大胆な戦略的投資判断にかかっていることを示唆しています。主な調査結果は以下のとおりです。

 

経営層は、AIによる生産性向上のさらに先の将来の価値創出を見据えている

  • 現在、AI支出のおよそ半分 (世界47%, 日本46%)は業務効率化に向けられています。しかし経営層は、2030年までにはAI支出の3分の2近く(世界62%, 日本63%)がイノベーションに充てられると予測
  • 経営層のおよそ3分の2近く(世界64%, 日本66%)は、「これからの競争優位性は、資源の最適化ではなく、イノベーションから生まれる」と回答
  • 経営層の70%(世界、日本とも同じ)は、AIによって得られた価値を組織全体の投資と成長に充てる方針を示している
  • 回答者は、2030年までにAIが生産性を4割以上(世界42%, 日本41%)向上させると見込んでおり、さらに回答者のおよそ3分の2(世界67%, 日本62%)が、2030年までには、AIによる生産性向上の効果の大半を取り込み終えていると予測

 

組織の競争優位は、テクノロジーへの適切な投資判断に左右される

  • 調査対象の経営層の半数以上(世界57%, 日本56%)は、自社の競争優位性は主に、2030年にかけてのAIモデルの高度化から生まれると回答する一方、2030年までに自社にどのAIモデルが必要となるのかを具体的に描けていると自信を持つ経営層は、3割以下(世界28%, 日本22%)にとどまる
  • 経営層のおよそ8割(世界82%, 日本83%)は、2030年までに自社のAI機能はマルチモデルになると予測。また、72%(世界、日本で同じ)は、2030年までに自社では、小規模言語モデル(SLM)が大規模言語モデル(LLM)よりも重要になるとみている
  • 小型でカスタム化されたモデルや基盤モデルを含む複数のAIモデルを活用し、複数の業務プロセスにわたってAIを展開している組織は、2030年までに24%高い生産性向上と55%高い営業利益率を見込んでいる
  • 経営層のおよそ6割(世界59%, 日本58%)は、「2030年までに、量子を補完的に活用するAIが自社の業界を変革する」と考える一方、それまでに「自社が何らかの形で量子コンピューティングを活用している」と予想する経営層は3割以下(世界27%, 日本25%)にとどまる。このギャップは、今行動を起こす準備ができている組織にとって大きなチャンスになることを示している

 

AIはリーダーシップの在り方と人材のスキルを再定義する

  • 調査対象の経営層は、2030年までに企業の役員会の25%(世界、日本とも同じ)が、AIをアドバイザーもしくは共同意思決定者として迎えるようになると予想。また、7割以上(世界74%, 日本72%)が、2030年までにAIが全社にわたるリーダーシップの役割を再定義するだろうと回答しており、さらに経営層の約7割(世界68%, 日本75%)がAIによって全く新しいリーダー職が生まれると考えている
  • 一方で、67%(世界、日本で同じ)は職務の寿命が短くなりつつあると答えており、6割弱(世界57%, 日本58%)の経営層が、現在の従業員スキルの大半が2030年までに陳腐化すると予想
  • また、3分の2(世界67%, 日本72%)の経営層は、2030年にはスキルよりもマインドセットの方が重視されるということに同意
  • AIファーストの組織では、AIからより大きな価値を引き出すために「全く新しい職務を生み出している」割合が世界で48%高いのに対し、日本では65%高い。また、「組織構造を見直している」割合は世界で46%、日本で48%高いことが分析から示唆。

 

本レポートでは、日本社会が抱える人口減少や働き方の制約といった課題の中で、フライホイール型アプローチ、データの独自性の確立、人的投資、量子活用といった手段を通して、現在の日本の経営層に問われる「大きな賭け」の意思決定の方法について具体的に解説しています。

日本語版考察著者である日本IBM 常務執行役員 コンサルティング事業本部成長戦略統括事業部長の川上結子は、以下のように述べています。「2030年は遠くありません。AI変革を次世代に委ねるのか、それとも「自分の代でやる」と決めるのか。その選択は理念だけではなく、投資配分、人材配置、評価制度といった経営の具体に表れます」

 

レポートの全文は以下をご参照ください。

https://www.ibm.com/thought-leadership/institute-business-value/jp-ja/report/enterprise-2030

 

調査方法
IBM IBVは、オックスフォード・エコノミクス(Oxford Economics)社の協力を得て、2025年から2030年にかけての自社の進化をどう予測するかについて、2,007人の経営幹部からインサイトを収集しました。本調査は、2025年第3四半期および第4四半期に、33の地域、20以上の業界にわたって実施されたものです。AIファーストなオペレーション、高度なAIモデルの製品・サービスへの組み込み、労働力のトランスフォーメーション、量子コンピューティングなどの新興テクノロジーへの準備態勢といった戦略的優先事項を調査しています。

 

IBM Institute for Business Valueについて

IBM Institute for Business Value(IBV)は、IBM のソート・リーダーシップ・シンクタンクとして、ビジネス・リーダーの意思決定を支援するため、世界の調査とパフォーマンス・データ、業界の専門家や学者の専門知識に裏付けられた戦略的洞察を提供しています。
詳しくは以下のリンク先をご参照ください。

https://www.ibm.com/thought-leadership/institute-business-value/jp-ja

 

当報道資料は、2026年1月19日にIBM Corporationが発表したプレスリリースの抄訳をもとにしています。原文はこちらをご参照ください。

 

IBM、ibm.comは、 米国やその他の国におけるInternational Business Machines Corporationの商標または登録商標です。他の製品名およびサービス名等は、それぞれIBMまたは各社の商標である場合があります。現時点での IBM の商標リストについては、ibm.com/trademarkをご覧ください。

Release Categories

プレスリリース、各種取材のお申込みに関するお問い合わせ先(報道関係者様専用窓口)

※報道関係者様以外からのお問い合わせは受け付けておりませんのでご了承ください。

日本IBM 広報代表

電話: 03-3808-5120

e-mail: PRESSREL@jp.ibm.com

 

その他お問い合わせ窓口一覧