ニュースリリース

IBMとバスク州政府、スペインのIBM-Euskadi Quantum Computational Centerに欧州初のIBM Quantum System Twoを設置する計画を発表

IBM Quantum System Twoは、ユーティリティー・スケールの156量子ビットのIBM Quantum Heronプロセッサーを搭載予定
IBM-Euskadi Quantum Computational CenterへのIBM Quantum System Twoの設置は、2025年末までに完了予定
IBM-Euskadi Quantum Computational Centerのメンバーは、IBMの最も高性能なアーキテクチャーを使用して、物理学、情報科学、材料科学における発見とソリューションを推進する意向
2025年03月19日

【米国ニューヨーク州アーモンク - 2025年3月13日(現地時間)発】

バスク州政府とIBMは、本日、スペイン・サンセバスチャン(スペイン・ギプスコア県)のイケルバスク財団のメイン・キャンパスにあるIBM-Euskadi Quantum Computational Centerに、ヨーロッパで初となるIBM Quantum System Twoを設置する計画を発表しました。これは、バスク地方を主要なテクノロジー・ハブとしてさらに確立するためのBasQイニシアチブの一環として2023年に開始された組織間のパートナーシップに基づくものです。当初の発表以降、両当事者は、IBM Quantum System Oneを導入するという初期計画を更新し、IBMの最も先進的なモジュール型量子コンピューターであるIBM Quantum System Twoを導入することに合意しました。IBM Quantum System Two は、2025年末までに設置を完了する予定です。

 

IBMが管理するBasQのIBM Quantum System Twoは、これまでのIBM Quantumプロセッサーの中で最も高性能なIBM Quantum Heronプロセッサーを搭載し、将来的には複数のプロセッサーに拡張できるように設計されています。IBM Heronプロセッサーは  Qiskitソフトウェアを活用して、最大5,000回の2量子ビットゲート操作で特定クラスの量子回路を正確に実行できるようになるなど、従来のブルートフォース・シミュレーション(古典的な総当たりシミュレーション)手法の能力を超えたユーティリティー・スケールのアルゴリズムを実行できます。

 

スペインの学術界、研究所、産業界の量子イノベーター向けのIBM Quantum System Twoの設置は、ヨーロッパの量子エコシステム拡大に向けたIBMの継続的な取り組みの一環です。IBM-Euskadi Quantum Computational Centerのメンバーは、これらの能力とリソースにアクセスして、量子人材の育成、経済発展の促進、新しい有用なアルゴリズムの開発を支援し、バスク州政府の量子技術に関するIKUR 2030ビジョンの達成を支援します。アルゴリズム開発におけるこれらの取り組みは、新素材のモデリングに関する研究や、イニシアチブのより広範なサステナビリティーへの取り組みの一環として量子コンピューティングをどのように使用できるかの研究など、IKUR 2030の目標達成に直接適用されます。

 

バスク州政府のイマノル・プラダレス大統領は、次のように述べています。「この科学インフラストラクチャーにより、バスク州は量子コンピューティングの世界的な中心地として位置付けられます。この技術は、デジタル変革の進展を支援するものであり、この変革を促進することになる科学、技術、イノベーションのエコシステムを強化する最先端の科学インフラストラクチャーを提供します。IBM Quantum System Twoは、Basque Network for Science, Technology and Innovationがバスク州で最先端の知識を生み出し、大学で高度に専門化された高等教育プログラムを実施し、バスク州の公共部門と産業界の双方が今後数年間の量子コンピューティングの影響に備えるための重要なツールとなります。量子コンピューターの登場は、バスク州の経済的、社会的発展にとって絶好の機会であり、この技術の開発と影響において他の地域や国、関係者と協力することを可能にします」

 

IBMフェロー 兼 IBM Quantum バイス・プレジデントのジェイ・ガンベッタ(Jay Gambetta)は、次のように述べています。「IBM-Euskadi Quantum Computational Centerが専有するIBM Quantum System Twoは、スペインの研究者、開発者、業界専門家からなる量子コミュニティーに、IBMの最も高性能かつ最先端の量子技術へのアクセスを提供します。これには、今後2年間で量子エコシステム全体として量子優位性を達成することを支援するアルゴリズムを開発するためのツールも含まれます」

 

IBM-Euskadi Quantum Computational Centerについて

IBM-Euskadi Quantum Computational Centerは、バスク州政府と連邦政府(アラバ県、ビスカヤ県、ギプスコア県)全体で先端技術の使用を促進し、国際的な研究協力を拡大し、世界クラスの基礎科学研究を実施し、地域の量子を学習した人材を増やすことで、研究機関をさらに向上させることを目的として、2023年に発表されました。同センターは、バスク州政府とそのパートナーの研究者に計算インフラストラクチャーを提供し、研究者がこれらの目標を達成できるよう支援します。

IBMとバスク州政府は、バスク地方およびスペイン全土で世界クラスの人材を育成し、確立することを目的とした人材プログラムの開発でも協力しています。IBM-Euskadi Quantum Computational Centerプログラムは、没入型の統合学習プログラムの開発を通じて、社内外の認識向上、教育、スキル構築を推進しています。

 

イケルバスクについて

2007年、バスク州政府は、世界中の研究者の誘致、回復、維持を通じてバスクの科学システムを強化することを目的に、イケルバスクを設立しました。バスク科学財団は、35カ国のあらゆる知識分野から、373人の研究者が参加する統合組織で、現在25のパートナー機関で活動しています。

 

当報道資料は、2025年3月13日(現地時間)にIBM Corporationが発表したプレスリリースの抄訳をもとにしています。原文はこちらを参照ください。

 

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