ニュースリリース

地方自治体向けデジタルトランスフォーメーション基盤のサービス提供開始

実証実験先および取扱ソリューションを拡大
2021年03月29日

2021年3月29日
エクスポリス合同会社
学校法人東京電機大学
株式会社マクニカ
日本アイ・ビー・エム株式会社

エクスポリス合同会社(所在:東京都千代田区、CEO:西垣一馬、以下、エクスポリス)、東京電機大学(所在:東京都足立区、学長:射場本忠彦、以下、TDU)知的情報空間研究室(システムデザイン工学部 松井加奈絵准教授)、日本アイ・ビー・エム株式会社(本社:東京都中央区、代表取締役社長:山口明夫、以下、日本IBM)は、共同で実証実験を進めてきた、地域内でデータの流通を促進する「データ流通プラットフォーム」と、流通データを元に開発されたソリューションを広く自治体に共有・販売する「マーケットプレイス」を、エクスポリスからサービス提供を開始することを発表しました。2021年4月から「Anastasia」としてサービス利用自治体の募集を開始し、同年8月よりベータサービスの提供を無償で開始します。データの流通促進・ソリューションの課題解決事例の販売プラットフォームであるAnastasiaは、エクスポリスが運営するブランド名として、地域課題解決の主体者の方々へサービスを提供します。

また、 Anastasiaを活用した地域社会における課題解決の促進を目的として、新たに株式会社マクニカ(本社:横浜市港北区、代表取締役社長:原一将、以下、マクニカ)が参加し、TDU、エクスポリス、日本IBM、マクニカは、マクニカの自動運転ソリューションでセンシング技術・AIを活用してデジタル変革を支援するMacnica Mobility Data Platform(以下MMDP)とAnastasiaとのデータ連携および自治体へのソリューション導入に向けて、共同検討を本年4月から開始します。これにより、地域住民の交通手段として公共交通機関網の補完およびCO2排出量に関する地域課題を持つ自治体向けソリューションとしてAnastasia活用の価値向上を目指します。

Anastasia活用の価値向上を目指します。

エクスポリスは、長野県小谷村における実証実験結果および他自治体へのヒアリング結果を踏まえ、少ない人数で自治体運営を行う全国の 1,724 基礎自治体を対象に、デジタルトランスフォーメーション(DX)を推進するプラットフォームとして Anastasiaを希望自治体へ無償提供します。

自治体において地方人口ビジョンや施策を検討する上で、都市部では充足しているソリューションや企業の情報が、経済合理性などの理由から地方自治体に行き渡っていない、地方自治体間での共有環境がなく他自治体におけるベストプラクティスを把握できないといった課題があります。Anastasiaを活用することで、地域課題施策の策定から導入までの時間的・人的コストを削減し、基礎自治体が高額な導入コストを負担せず低コストでDXに着手し、持続可能な地域社会の実現の一助となることを目指します。

また、2021年1月より、エクスポリスおよびTDUは、埼玉県さいたま市および秩父郡横瀬町において Anastasiaを利用した実証実験を行ってきました。横瀬町の実証実験では、経済産業省と内閣官房が提供するRESASデータを活用した地域分析機能、ソリューションへのフィードバック機能、ユーザーインターフェースを検証し、横瀬町内および別自治体とのソリューション・課題解決ノウハウの共有手段としての Anastasiaの有用性を評価する予定です。横瀬町の他にも、希望する自治体において実証実験を実施していきます。

Anastasia主要機能
Anastasiaでは、農林水産、交通・モビリティ、環境・エネルギー、防災、まちづくりなど、自治体において施策検討される分野に関連するソリューションが掲載されます。Anastasiaを介し、自治体向けソリューションを提供するプレイヤー(地域公社、民間企業など)と基礎自治体のマッチング、ソリューションの売買、地域公社や民間企業に対する地域データの提供を可能とします。また、自治体は地域課題に対して独自で取り組んだ施策のノウハウの共有あるいは販売、過去採用したソリューションの評価を Anastasia上で行うことができ、同様の地域課題に悩む他自治体との情報共有基盤として活用することが可能です。
日本IBMは、設備の稼働状況やセンサーデータの遠隔監視を支援するIBM Maximo Asset Monitorを利用し、AnastasiaのIT基盤を構築します。将来的にはソリューションのコンテナ化を検討しており、IT基盤をIBM Maximo Application Suite へ拡張する予定です。

マクニカは、これまで都市部から中山間部など様々な自治体と地域課題の解決手段の一つとして、自動運転技術の社会実装検証を目的に共創活動を行ってきました。自動運転・走行において、人の目となる高精度センサーは走行環境の様々なデータを収集することが可能な技術です。モビリティ特有の高頻度且つ膨大なデータを欠損なくリアルタイムに伝送する技術やそのデータを高速に処理するコンピュータ技術も実験を通じてパートナー企業とともに検証を重ねることで、2021年1月、これまでの自動運転・走行実験を通じて培ったモビリティ特有のデータ収集技術とマクニカが展開するDX技術を結合させたMMDPを発表しました。自動運転・走行の社会実装活動に加えて、新たにモビリティを活用したセンシング技術・デジタル技術により、自治体が管理する膨大な道路や橋など、社会インフラ保全のDX化実現を目指します。また今回の提携により2021年4月からAnastasiaとMMDPのデータ連携による自治体への新たなソリューション導入に向けた共同検討を行い、実証実験を通して得られるソリューションのユースケースや効果に関しては、他の自治体への提供も視野に入れた検証を実施します。

エネルギーマネジメントシステムにおいては、脱炭素社会に向けたクリーンエネルギーの活用と大幅な消費電力の削減を行う為のシステムを提供します。これらのシステムにより、作る電力、使う電力のクリーン化、使う電力の大幅な減少を行い循環型経済の構築に貢献します。提供するシステムとしては再生可能エネルギーの発電、蓄電、大幅な省エネを実現する装置を端末/機器のハードから制御/運用するソフトウェア、保守まで含めた一気通貫のワンストップソリューションで提供します。運用例としては、再生可能エネルギーの発電と蓄電、発電量の予測、需要の予測を含めた電力の見える化を行う事でこれらの蓄電した電力を自家消費と合わせて、EVバスの運行や災害時の非常電力として活用したり、日本の電力消費の8割弱を占める照明や冷暖房の消費電力を大幅に削減する為に、高効率な器具や制御システムを提供する事で費用対効果の高い省エネ提案を実施します。

本件に関する報道関係者からのお問い合わせ先
Anastasiaを介した地域課題の解決プロセスにご関心のある自治体、また基礎自治体に対するソリューション検証・提供にご関心のある民間企業および自治体を広く募集しています。その他お問い合わせは以下へご連絡ください。

エクスポリス合同会社 info@expolis.net

マクニカのモビリティソリューションおよびエネルギーマネジメントシステムに関するお問い合わせは以下へご連絡ください。

株式会社マクニカ macpr@macnica.co.jp

小谷村における実証実験の効果
これまでに進めてきた、小谷村における実証実験の成果の詳細は次の通りです。
2020年4月から9月まで行ってきた長野県小谷村における実証実験では、水田の水位や鳥獣害の罠に設置したセンサーデータを流通プラットフォームの「DVP」へ連携させ、それらデータの可視化と、IBMのグループ企業であるThe Weather Company(TWC)の天候データを組み合わせて稲熱病の予測を可能にするソリューションを開発し、地域課題流通マーケットプレイス「DMP」への掲載を行いました。実証実験の効果としては、棚田における見回り時間について1日30分の短縮化や、鳥獣害用罠の見回り時間については1日60分短縮する成果があり、専業農家よりも時間的制約の多い兼業農家にとって省力化を図れた点や、予測困難な事象に対して「次の一手」の対策を確実に実施できるようになり収穫量の向上に貢献した点が評価されています。

棚田における省力化

  • 見回り時間の短縮化。水回りの管理が必要な時期に1日30分ほどの時間削減効果を達成。台風時等の水管理における危険の回避も可能とした。
  • IBM Weatherデータの活用により稲熱病など気候変動に伴う現象の発生を、約80%予測。予測困難だった現象への対策を可能とした。

鳥獣害検知における省力化

  • 罠の見回り時間の削減。約20名で運用している猟友会において、毎朝1時間の見回りの短縮効果を達成。

以上

ご参考:
ニュースリリース「地方創生の推進に向け、地域の取り組みを連携させるIT基盤の実証実験を開始
(2020年4月9日発表)

Maximo Application Suite - リモート資産監視

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