［米国ネバダ州ラスベガス 2019年1月8日- CES 2019 （現地時間）発］

IBMとその子会社The Weather Companyは、世界で最も正確な気象予報を提供するパワフルな新気象予報システムを発表しました。新しいIBMグローバル高解像度大気予報システム（GRAF）は毎時更新される商用気象システムで、雷雨のような局地的な事象を世界規模で予測することができます。既存モデルと比較して、世界中の大部分の予報解像度は約200％改善されます（12キロメートル四方から3キロメートル四方へ）。同システムは、今年後半に利用可能になる予定です。

GRAFは、先進的なIBM POWER9プロセッサー搭載のスーパーコンピューター上で稼働し、世界中の何百万ものセンサーからのクラウド・ソース化されたデータ、および飛行中の航空機のデータを使用して、世界各地の局所的な気象を正確に可視化します。IBM会長兼最高経営責任者（CEO）ジニー・ロメッティが、ラスベガスで開催されているCES 2019においてGRAFを発表しました。

Watson Media and Weather for IBMゼネラルマネジャーであるキャメロン・クレイトンは、「気象は人々の日々の行動に影響を与え、間違いなく業績の最も重要な外的要因です。極端気象の発生がより一般的になりつつありますが、私たちの新気象システムによって、世界中のすべての人や組織がより精細で正確な気象予報へアクセスできるようになるでしょう」 と述べています。

今日、米国、日本、および主に西ヨーロッパをはじめとする限られた地域以外の国々では、様々な気象現象を捉えるには広すぎる12〜15キロメートル四方での気象予測モデルの為、正確な予報が行えていません。また、主要な気象モデルはそれほど頻繁には更新されておらず、多くは6〜12時間毎の更新です。これとは対照的に、GRAFは3キロメートル四方の高解像度で毎時更新し、その日の信頼できる予報を提供します。

新システムは、航空機からのセンサーデータの読み取りなど、これまで利用していなかったデータを加え、特殊な気象機器を持たない世界の多くの地域の課題を解決します。また、世界的な気象予報の改善に貢献する機会を人々にもたらします。つまり、人々が情報共有に合意すれば、スマートフォンの中にある気圧センサーの測定値を利用することができるようになります。The Weather Companyは、今後、関連するオペレーティング・システムの利用規約に準拠していることを確認します。さらに、アマチュア気象愛好家によって運営されている何十万もの気象観測機器も、気象モデルにデータを提供することで貢献できます。

結果として得られるデータ量は、多くのスーパーコンピューターにとって大き過ぎますが、このパワフルな新しい気象システムは、米国エネルギー省のSummitおよびSierra（世界最速スーパーコンピューター）でも採用されたIBM POWER9テクノロジーを使用しているためデータ分析が可能となります。

新システムによる予報は、2019年後半に世界中で利用可能になる予定です。これにより、航空会社は乱気流による混乱を最小化し、保険会社は豪雨災害発生後の対応にしっかりと備え、公益企業は停電に備えて保守要員を適切に配置し、農業従事者は気象の急激な変化に先んじて備えることができます。

個人や地域社会は、気象状況に応じて前持って計画を改善できます。The Weather Channelアプリ、weather.com、Weather Undergroundアプリ、wunderground.comおよびThe Weather CompanyのIBM製品を使用しているすべての企業が、これらの予報を使用できるようになります。

この世界規模の気象予報の進化は、IBM独自の研究開発投資に加え、The Weather Companyが行った米国国立大気研究センター（NCAR）とのオープンソース・コラボレーションによって可能になりました。GRAFは、NCARが米国ロスアラモス国立研究所と共同で開発した最新世代の全球気象モデル MPAS（Model for Prediction Across Scales：スケール間予測モデル）を組み込んでいます。

当報道資料は、2019年1月8日（現地時間）にIBM Corporationが発表したプレスリリースの抄訳です。原文は下記URLを参照ください。
https://newsroom.ibm.com/2019-01-08-New-IBM-Weather-System-to-Provide-Vastly-Improved-Forecasting-Around-the-World (US)